OKIと大阪教育大学、体育科学習におけるICT活用に関する共同研究契約を締結
児童・生徒の体調「見える化」で、教育現場の安心・安全ソリューション提供
沖電気工業株式会社(東京都港区、代表取締役社長:鎌上 信也、以下OKI)と国立大学法人大阪教育大学(大阪府柏原市、学長:栗林 澄夫、以下大阪教育大学)は、2022年3月10日付けで「小中学生を対象とした体育科学習におけるICT活用の有用性検証」に関する共同研究契約を締結しました。OKIの強みである無線ネットワーク技術とリアルタイムモニタリングを実現するIoT技術を組み合わせ、大阪教育大学表現活動教育系の橋元真央特任講師が推進する、ICTを活用した新たな体育科教育の開発の実践研究に活用します。体育の授業中の生徒の体調をモニタリングすることで、生徒の健康や安全の管理、身体活動状況の「見える化」による学習・評価の質の向上、さらには教職員の業務負荷軽減を実現します。
学校教育現場においては、熱中症をはじめとする体調不良、またその重症化、死亡事例等が社会問題化しています。さらに、2020年4月には小学校の学習指導要領が改訂され、体育教科では児童の運動能力の変化や「どれだけ頑張っているか」の観察記録が成績評価に必要となりました。その結果、細かな運動能力のデータ記録・収集・整理のための業務量が増大し、教職員の長時間労働の一因にもなっています。
新指導要領では、基本方針の一つである「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」に向けてICTを活用した学習活動の充実を図ることが規定され、教育現場でのさらなるICT環境整備が期待されています。OKIは、2021年4月に数百人規模の運動会を想定した実証実験を行い、被検者の体調情報をバイタルセンサー無線ネットワーク(注1)を用いてリアルタイムにモニターして、その有効性を確認しました。一方、大阪教育大学は、持久走中の心拍数表示による効果測定など、保健体育科教育におけるICTを活用したヘルスリテラシー育成に関する研究で培った豊富な知識ノウハウがあります。両者はこのたびの共同研究契約締結に伴い、OKIの技術力と大阪教育大学の知見を融合し、大阪教育大学附属学校園の児童・生徒を対象とした実践的な実証実験を実施するなど、産学連携の強みを活かした教育現場の安心・安全ソリューション提供に向けて取り組んでいきます。
用語解説
注1:バイタルセンサー無線ネットワーク
広い領域(屋外のスポーツグラウンド規模)において、多人数(~数百人)が高速移動(~10m/s)している状態で、各人の体表温度や脈拍等のバイタル情報を低遅延(10秒以下)で収集することを可能とした無線ネットワーク。
参考:バイタルセンサー無線ネットワークを用いた体調管理システムの実証実験を実施
(https://www.oki.com/jp/press/2021/04/z21005.html)
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