全国900人の医師に調査 「医師の働き方改革」が医療機器・医薬品のプロモーション活動に及ぼした影響は?
-24年5月の調査結果から-
株式会社インテージヘルスケア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長: 村井啓太)は、全国の医師900人を対象に、医療機器に関する製品情報の入手状況を調査しました。本調査はこれまで2022年12月(第1回)、2023年5月(第2回)、12月(第3回)の状況を調査しており、今回2024年5月が4回目となります。
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ポイント
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2024年4月に「医師の働き方改革」が施行されて以降初めての調査。
医師の情報入手方法について、医療機器は「直接営業」が最も多く前回から変化がないのに対し、医薬品は「MRディテール(直接営業)」がわずかながら減少し「Web講演会/インターネット」が増加。 -
医師が医療機器の製品情報を入手している時間帯は、「院内説明会」「インターネット」で「日勤の終了後」の割合が増加し、「勤務時間内」が減少。「リアルの講演会」は「休診日/休日」の割合が増加。
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医療機器の情報入手チャネルについて、「医師の働き方改革」の施行による大きな影響はみられなかったが、情報入手時間帯では変化が確認できたため、今後の動向も注視していく必要がある。
1.医師が医療機器の製品情報を入手する方法は「直接営業」が約8割で、過去の調査結果から大きな変化は見られなかった。一方、医薬品では「Web講演会/インターネット」が増加傾向。
全国200床以上の「循環器内科」「心臓血管外科」「消化器内科」「消化器外科」「整形外科」「脳神経外科」合計900人の医師に、「医療機器の製品情報の入手状況」を確認。今回の調査でも「直接営業」からの情報入手割合は78%で、過去2回と同様に約8割という結果となりました。「Web講演会/インターネット」については、調査実施時期が異なるため一概には言えませんが、一年前の2023年5月調査から大きな変化は見られません。
一方、「製薬企業のプロモーション活動」を日記形式で確認している調査Impact Track(※1)において、今回の医療機器の調査対象セグメント(6診療科・200床以上)に合わせて算出したところ、2023年12月調査と比較して2024年5月は「MRディテール(直接営業)」が37%から36%に1ポイント減少、「Web講演会/インターネット」が50%から53%に3ポイント増加しています。Impact Trackは10年以上にわたり約4,000人の医師に毎日実施している大規模な調査であり、「Web講演会/インターネット」における3ポイント増加は一定の変動があったと捉えられます。
※1 Impact Track:インテージヘルスケアが行っている製薬企業のプロモーション活動評価
<図1: 医療機器・医薬品におけるプロモーションチャネルの変化>
2.医療機器の製品情報を「直接営業」から入手する時間帯として最も多いのは、前回調査と変わらず「勤務時間内」。一方、「院内説明会」「インターネット」で「勤務時間内」に情報入手する割合が減少し、「日勤の終了後」の割合が増加。「リアルの講演会」は「休診日/休日」の割合が増加した。
医師が情報を入手するチャネルごとの時間帯を確認したところ、「直接営業」は「勤務時間内」が67%と前回同様に最も多くなっています。これは「医師の働き方改革」の新制度施行後も、医師に直接機器を手で触れてもらいながら取り扱い方法を伝える説明や、手術室での立ち会いの機会が多い、という医療機器の特性が影響していると考えられます。
一方、「勤務時間内」で製品情報入手が顕著に減少したチャネルは「院内説明会」で、「日勤の終了後」の割合が増加しています。「インターネット」も前回調査と比較して「日勤の終了後」に情報入手する割合が大きく増えました。また、「講演会(リアル)」では「休診日/休日」の割合が増加していますが、件数自体も2023年5月・12月の調査結果と比較して増加していることが明らかになりました。
<図2: 医療機器の製品情報を得た時間帯>
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考察
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「医師の働き方改革」において、研鑽が業務にあたるか等の「労働時間に対する考え方」は重要であり、これまで以上に医師本人と病院・上司間で、双方の理解の一致が求められてきます。
今回の調査結果では、医療機器の製品情報入手チャネルに大きな変化は見られませんでした。一方で、製品情報を入手している時間帯は、一部のチャネルで勤務時間外に情報を入手する割合が増えるといった変化も確認できています。これは、製品情報を入手している“時間”は変わっていなくても、医師から見た“時間帯”が変わっている(勤務時間ではなくなった)可能性も考えられます。医薬品では情報入手チャネルにも一定の影響が見られており、今後、医療機器メーカー各社の営業活動やその時間帯が変化していく可能性もあります。
インテージヘルスケアでは、2024年7月から「デバイス&デジタルヘルス」の専門グループを立ち上げました。第5回目の調査も予定しており、引き続き医師の医療機器ならびに医薬品に関する製品情報入手状況の動向を確認していきます。
分析担当: マーケティング&バリューインサイト事業部 ヘルスケアマーケティング部 紫竹 宏亮
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調査概要
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調査方法 |
Webアンケート調査 |
調査地域 |
全国 |
調査対象 |
200床以上6診療科 「循環器内科」「心臓血管外科」「消化器内科」「消化器外科」「整形外科」「脳神経外科」 |
有効回答数 |
900サンプル |
調査実施期間 |
第4回: 2024年6月3日~10日 |
調査主体 |
株式会社インテージヘルスケア マーケティング・インサイト事業部 |
調査内容 |
医療機器製品の情報入手状況をトラッキング |
【株式会社インテージヘルスケア】 https://www.intage-healthcare.co.jp/
株式会社インテージヘルスケアは、医療・ヘルスケア領域のマーケティングリサーチとデータサイエンスサービスをコアビジネスと位置付けています。インテージグループのヘルスケア領域を担う各社※と一体となり、データ分析・活用によるソリューションを提供。ヘルスケア領域のあらゆる課題に対して、「医療消費者」起点のデータの価値化による、最適な意思決定をサポートしていきます。
※ 株式会社協和企画、株式会社インテージリアルワールド、株式会社プラメド、Plamed Korea Co., Ltd.
【報道関係のお問い合わせ先】
株式会社インテージヘルスケア
経営企画部 広報担当 川畑(かわばた)
TEL:03-5294-8393(代)
E-mail:pr-ihc@intage.com
【本調査に関するお問い合せ先】
株式会社インテージヘルスケア
マーケティング&バリューインサイト事業部 ヘルスケアマーケティング部 紫竹(しちく)
TEL:03-5294-8393(代)
E-mail:ihc-device@intage.com
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