「おせちショック」迫る値上げ、平均価格は約1000円アップ 魚介類の価格上昇響く 平均価格は約2万5500円
2023年正月シーズン「おせち料理」価格調査
帝国データバンクは、2023年正月シーズンの「おせち料理」価格について、調査分析を行った。
<調査結果(要旨)>
魚介類の高騰が直撃 おせち料理に迫る値上げの波、平均価格は約1000円アップ
家計を圧迫する物価高が、お正月の縁起物として出されるお祝い料理「おせち料理」の価格にも影響を及ぼしている。全国の大手コンビニエンスストアや外食チェーン、スーパー、著名な日本料理店など計110社で販売される2023年正月シーズンのおせち価格(三段または3~4人前分税込)を調査した結果、平均価格は2万5522円となった。比較可能な前年の2万4480円に比べ、約4.3%・1042円アップした。
背景には、おせち料理に欠かせない鮮魚価格の値上がりがあげられる。見た目を彩るおせちの定番として欠かせない数の子やえび、いくらといった生鮮魚介類の取引価格は大きく上昇。11月時点で、国内産いせえびの市場取引価格は前年同月比で40%上昇したほか、数の子は23%、煮たこは16%、いくらも3%それぞれ上昇した。外国産が多い鮮魚類では円安や原油高の影響で仕入れ値が上昇しやすく、品質維持を目的に価格アップに踏み切らざるを得なかったおせちが多くみられた。海鮮食材を多く使用しないおせちでも、化粧箱などの資材費上昇などが響いたことで値上げとなったケースもあった。
一方で、店頭価格が前年から変わらない「据え置き」も48社確認できた。同じ季節商材となる2022年冬のクリスマスケーキに比べ、価格を据え置いた割合が多かった。年に一度のお祝いであることから、事前の大量仕入れや販売数量の制限などで「今年は値上げを見送った」ケースもみられた。
おせちショックも「ハレの日」需要で売り上げは好調、来年以降は傾向不透明
円安や物価高などが「おせち」を直撃し、平均価格が前年から約1000円アップするなど値上げ傾向が鮮明となっている。ただ、足元では数年ぶりに行動制限がない正月ということもあり、特に大人数向けとなる三段重以上の売り上げが好調で、早くに完売となったおせちもみられ、値上げによる購買への影響は限定的との見方もある。
一方で、来年値上げとなる食料品は1-4月ベースで22年比50%増ペースとなる7000品目に上り、特に水産加工製品などで目立つ。2023年正月については仕入面での工夫に加え、かまぼこをはじめ価格高騰が続く水産練り物製品では代替品に切り替えるなど価格を極力維持する動きもあり、本格的な値上げの動きは2024年正月にピークとなる可能性もある。1年の始まりを祝うおせちの価格で、「インフレ」を実感する場面が今後も続きそうだ。
- 魚介類の高騰が直撃 おせち料理に迫る値上げの波、平均価格は約1000円アップ
- おせちショックも「ハレの日」需要で売り上げは好調、来年以降は傾向不透明
魚介類の高騰が直撃 おせち料理に迫る値上げの波、平均価格は約1000円アップ
家計を圧迫する物価高が、お正月の縁起物として出されるお祝い料理「おせち料理」の価格にも影響を及ぼしている。全国の大手コンビニエンスストアや外食チェーン、スーパー、著名な日本料理店など計110社で販売される2023年正月シーズンのおせち価格(三段または3~4人前分税込)を調査した結果、平均価格は2万5522円となった。比較可能な前年の2万4480円に比べ、約4.3%・1042円アップした。
背景には、おせち料理に欠かせない鮮魚価格の値上がりがあげられる。見た目を彩るおせちの定番として欠かせない数の子やえび、いくらといった生鮮魚介類の取引価格は大きく上昇。11月時点で、国内産いせえびの市場取引価格は前年同月比で40%上昇したほか、数の子は23%、煮たこは16%、いくらも3%それぞれ上昇した。外国産が多い鮮魚類では円安や原油高の影響で仕入れ値が上昇しやすく、品質維持を目的に価格アップに踏み切らざるを得なかったおせちが多くみられた。海鮮食材を多く使用しないおせちでも、化粧箱などの資材費上昇などが響いたことで値上げとなったケースもあった。
前年から価格が上昇したおせちをみると、値上げ幅として最も多いのは「1000円台」で28社に上った。居酒屋系列の外食チェーンや量販店、スーパーなどで販売される1~2万円台のおせちで多くみられた。次いで多いのが「2000円台」の14社で、価格帯も2万円以上のものが多いなど、高級志向のおせちで目立つ。以下「3000円以上」(11社)、「1000円未満」(9社)と続き、調査対象の110社のおせちのうち半数超となる62社で値上げが判明した。価格維持に向かえば内容量や見た目にも影響することから、「品質を維持するため値上げを行った」とする声が聞かれた。
一方で、店頭価格が前年から変わらない「据え置き」も48社確認できた。同じ季節商材となる2022年冬のクリスマスケーキに比べ、価格を据え置いた割合が多かった。年に一度のお祝いであることから、事前の大量仕入れや販売数量の制限などで「今年は値上げを見送った」ケースもみられた。
おせちショックも「ハレの日」需要で売り上げは好調、来年以降は傾向不透明
円安や物価高などが「おせち」を直撃し、平均価格が前年から約1000円アップするなど値上げ傾向が鮮明となっている。ただ、足元では数年ぶりに行動制限がない正月ということもあり、特に大人数向けとなる三段重以上の売り上げが好調で、早くに完売となったおせちもみられ、値上げによる購買への影響は限定的との見方もある。
一方で、来年値上げとなる食料品は1-4月ベースで22年比50%増ペースとなる7000品目に上り、特に水産加工製品などで目立つ。2023年正月については仕入面での工夫に加え、かまぼこをはじめ価格高騰が続く水産練り物製品では代替品に切り替えるなど価格を極力維持する動きもあり、本格的な値上げの動きは2024年正月にピークとなる可能性もある。1年の始まりを祝うおせちの価格で、「インフレ」を実感する場面が今後も続きそうだ。
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