冬虫夏草エキスの毛包成長期維持作用への関与を確認
―細胞・組織モデルでの検証を通じ、抜け毛ケアへの新たな可能性を示唆―
ロート製薬株式会社(本社:大阪市、社長:瀬木英俊)は、「Connect for Well-being & Longevity」の実現に向け、健やかな髪と頭皮を支えるヘアケア研究を進めています。今回、自然界の力を科学的に解明し、現代社会に還元する事業戦略「フィトサイエンス構想」に基づき、含有成分にこだわった冬虫夏草エキスについて研究を行った結果、ヒト毛包組織を用いた試験により毛包の成長期を維持する作用が示唆されました。さらに、ヘアサイクルの司令塔とされる毛乳頭細胞において、細胞内エネルギーとして機能するATPの産生を促進することも確認しました。
本研究では冬虫夏草エキスの抜け毛ケアへの応用可能性が示されました。今後、育毛剤やシャンプーなど抜け毛で悩む方に向けたヘアケア製品への活用を目指してまいります。

1.研究成果のポイント
◆ヒト毛包組織を用いた試験により、冬虫夏草エキスは毛包の成長期を維持する可能性が示された
◆冬虫夏草エキスが毛乳頭細胞の細胞内エネルギー産生能を支える可能性を確認した
2.研究の背景
近年、女性の薄毛悩みは深刻化しており、女性用育毛剤の開発も進んでいます。当社でも、これまで育毛研究を進めてまいりましたが、抜け毛ケアに関する研究は育毛研究と比較してまだ十分とはいえません。
ヘアサイクルには「成長期」「退行期」「休止期」があり、成長期から退行期へ移行すると毛根の膨らんだ部分が縮小し、休止期となります。やがて新たに作られ始めた新しい毛髪に押し出されるようにして古い毛が抜け落ちます。そのため、抜け毛ケアにおいては、毛包の成長期を維持し、退行期への移行を抑えることが重要と考えられています。本研究では、冬虫夏草エキスに着目し、成長期維持作用について検証しました。

3.結果
結果1 冬虫夏草エキスがヒト毛包組織の成長期維持に関与することが示唆
倫理委員会の承認を経て臨床現場を通じ入手したヒト頭皮から毛包組織を採取し、成長期毛包のみを選抜し、一定期間培養後に毛根部の結合状態から成長期または退行期かを評価しました。その結果、成長期毛包率がコントロール群では50%であったのに対し、冬虫夏草エキス添加群では約80%でした。
この結果から、冬虫夏草エキスは退行期への移行を抑え、成長期を維持する可能性が示されました。


結果2 冬虫夏草エキスが毛乳頭細胞のATP産生を促進することを確認
冬虫夏草エキスの作用メカニズムを解明するために、ヘアサイクルを制御する毛乳頭細胞に着目しました。毛乳頭細胞のATP産生はヘアサイクルに影響すると考えられています。冬虫夏草は様々な細胞においてATPの産生を促進すること知られていますが、毛乳頭細胞への作用は十分に明らかになっていませんでした。
そこで今回、毛乳頭細胞に対する冬虫夏草エキスの作用を検証しました。その結果、冬虫夏草エキスは毛乳頭細胞のATP産生を促進することが確認されました。


4.今後の展望
自然界の力を科学的に解明する事業戦略「フィトサイエンス構想」に基づき、含有成分にこだわった冬虫夏草エキスの作用を検討した結果、毛包の成長期維持への関与が示唆され、本研究により新たに抜け毛ケアへの応用可能性が示されました。
今後、冬虫夏草エキスに含まれる活性成分と作用の関係性を明らかにし、抜け毛で悩む方に寄り添う育毛剤やシャンプーなど、日常的に取り入れやすいヘアケア製品への応用を目指します。
<用語説明>
※1 冬虫夏草:昆虫に寄生する菌類を由来とする伝統的な薬用素材の一種。中国漢方などで古くから活用されており、滋養強壮のイメージを持つ素材として知られています。
※2 ヘアサイクル:毛髪が生え、成長し、抜け落ちるまでの周期のこと。主に成長期、退行期、休止期に分けられます。
※3 成長期:ヘアサイクルのうち、毛髪が成長する期間のこと。成長期が維持されることは、健やかな毛髪状態を保つうえで重要と考えられています。
※4 退行期:ヘアサイクルのうち、毛髪の成長が止まり、毛根部が縮小する時期のこと。
※5 毛乳頭細胞:毛根部に存在し毛髪の成長やヘアサイクルの調節に関わる細胞。ヘアサイクルの司令塔とも呼ばれます。
※6 ATP:アデノシン三リン酸の略称。細胞が活動するためのエネルギー源として働く物質です。
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