災害時、断水中でも漏水箇所を早く見つけるために――大型水素式探索ガス造成機「HT-300」の開発を開始
培った独自技術を活用し、現行最大機の約5倍となる毎分300Lのガス生成を目指す
大規模災害によって水道管が損傷すると、漏水箇所の特定と修繕に時間を要し、断水が長期化することがあります。現在主流の音聴式による漏水調査は、配管内に水を通して水圧をかける必要があるため、断水により配管内に水も水圧もない区間では調査を行うことができません。
THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(東証スタンダード:3823、以下、WHDC)の連結子会社である株式会社グッドマン(神奈川県横浜市、以下、グッドマン)は、こうした課題に対応するため、災害復旧向け大型水素式探索ガス造成機「HT-300」の開発を開始しました。

グッドマンのHTシリーズは、純水を電気分解して現場でトレーサーガス(漏れた箇所を見つけるための探索用ガス)を生成し、配管内に水がない状態でも漏水箇所を調査できる独自技術を採用しています。
これまでの最大機種は毎分60Lでしたが、HT-300では約5倍となる毎分300Lのガス発生量を目標とし、街全体に水を送る大口径の水道管への充填時間を短縮することで、災害時の漏水調査をより早く開始できる装置を目指します。
病院、透析施設、避難所などの重要施設につながる区間を優先して調査できるようにし、水道復旧作業の早期着手に貢献することが開発の目的です。2026年11月上旬の試作品完成を予定しています。
【本リリースのポイント】
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断水中でも漏水箇所を調査:水圧を必要とする音聴式とは異なり、純水から生成したトレーサーガスを配管に充填して漏水箇所を探す、グッドマンの独自技術を活用します。
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現行最大機の約5倍となる毎分300Lを目標:現行最大機のHT-67は毎分60Lですが、HT-300では毎分300Lのガス発生量を目標とし、容積の大きい基幹管への充填時間の短縮を目指します。
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災害時の復旧調査を支援:病院、透析施設、避難所などにつながる複数区間を並行して調査できるようにし、修繕作業の早期着手に貢献することを目指します。
災害で断水すると、音による漏水調査ができない
令和6年能登半島地震では、6県38事業体の水道施設が被災し、最大で136,440戸が断水しました。浄水場や主要な送水管の破断に加えて配水管も広範囲に損傷し、復旧に時間を要しました(注1)。
断水した地域の漏水調査は、一般に浄水場に近い上流側から段階的に進められます。その背景のひとつが漏水調査の方式です。現在主流の音聴式は、配管に水を通し、漏れ出る水の音を聴き取る方法のため、水圧がない区間では漏水音そのものが発生せず、調査ができません。そのため、上流から通水と調査を繰り返しながら下流へ進める必要があり、下流側にある病院・透析施設・役所・避難所などの重要施設は、配管の復旧を待たざるを得ないことがあります。災害時の現場の騒音で漏水音が聞き取りにくいことも、調査を遅らせる要因です。

音聴式の漏水調査は水圧が必要なため、断水時は浄水場に近い上流側から段階的に進める必要があります
水を使わずに探せる、グッドマンの技術
グッドマンのHTシリーズは、水の代わりに「気体」を送り込みます。純水を電気分解して発生させた水素をトレーサーガスとして配管に充填し、漏水箇所から噴出したガスを探索機で検出するため、配管内に水も水圧もない状態で漏水箇所を特定できます。HTシリーズは、純水を電気分解して現場で水素を発生させ、水道管・給水管等の漏水探索に用いるトレーサーガスを生成する国内唯一(※)の機器であり、グッドマンの技術に基づくものです。生成するトレーサーガスは、水素濃度が4%未満となるよう制御され、空気中で水素が燃焼・爆発を起こす下限濃度(4%)を下回る設計です。ガス生成の原料は純水のみであり、純水と電源を確保することで、高圧ガスボンベを調達・運搬・交換せずに継続的な作業が可能です。
グッドマンは現在、宅内向けの「HT-10S」(毎分10L・2026年3月発売)、学校・マンション等向けの「HT-36」(毎分30L)、工場等の大規模施設向けの「HT-67」(毎分60L)の3機種を販売しています。
なぜ毎分60Lから300Lへ大型化するのか
災害時に調査対象となる基幹管や配水管は、住宅内の配管より口径が大きく、容積も大きいものがあります。現行最大機のHT-67(毎分60L)でも原理上はガスを送ることができますが、充填に時間を要するため、迅速性が求められる災害時の基幹管調査には課題がありました。HT-300は約5倍となる毎分300Lの発生量を目標とすることで、基幹管への充填時間を短縮し、水を使わない漏水調査を「街のスケール」に広げることを目指しています。
これにより、浄水場からの通水を待たずに重要施設につながる区間を優先し、複数区間を並行して、区間ごとに漏水箇所を特定できるようになることを目指します。HT-300が担うのは「どこが漏れているか」を突き止めるところまでですが、漏水箇所が早く分かれば、水道事業者や工事業者による修繕の着手も早まります。

HTシリーズの水素ガス発生量:HT-10S:毎分10L/HT-36:毎分30L/HT-67:毎分60L/HT-300:毎分300L(目標値・開発中)

水素発生装置から複数の区間へ同時にトレーサーガスを送り、病院・透析施設・避難所につながる配管を優先して個別に調べる構想(開発中のイメージ)
水道・商用電源が止まった現場での使用を想定
災害現場では、水道や商用電源が利用できない場合があります。HT-300は、必要な純水と電源を現場へ持ち込むことで使用できる設計を目指しています。
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ガス生成の原料は純水のみ:高圧ガスボンベを現場に持ち込む必要がありません。
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電気自動車や発電機から給電:商用電源が使えない場合でも、電気自動車や発電機からの給電で稼働することを想定しています。
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自動停止と安全弁:配管内の圧力が所定の値に達した場合は自動停止し、異常圧力時には安全弁が作動する設計です。
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使用手順は現行機と同じ:①配管の準備(水抜き・閉塞=管の両端を塞ぐこと)②水素ガス注入③充填確認④漏水調査⑤調査終了(圧力開放・電源OFF)の5ステップです。
※上記は開発中の設計仕様であり、実用機の仕様は開発・検証の過程で変更となる可能性があります。
開発スケジュール
2026年9月上旬:開発開始
2026年9月下旬:原型完成(予定)
2026年10月上旬:試作品製作開始(予定)
2026年11月上旬:試作品完成(予定)
※実用機は2027年初頭の販売開始を目標としており、正式な販売時期は決定次第お知らせします。
WHDCグループにおける位置づけ
本開発は、WHDCが2026年5月26日に公表した中期経営方針の成長ドライバーのうち「新分野展開」に位置づけられます。2025年10月に「売却を前提としない人助け長期伴走型M&A」によりグループに参画したグッドマンが、参画から約1年で自社の技術を基盤とする新製品の開発に踏み出した取り組みです。
WHDCグループには、官公庁発注の河川災害復旧工事等の実績と長野県内の自治体等とのネットワークを持つ飯山土建株式会社(長野県飯山市)があり、2026年3月27日付の同社完全子会社化の開示において、同社の現場へのグッドマン機器の標準導入と販路拡大の構想を公表しています。WHDCグループとしては、飯山土建の施工能力と自治体ネットワークをHT-300の実証に活かすことを検討していきます。
今後の見通し
全国約74万kmの水道管のうち、法定耐用年数(40年)を超えた管路は約17.6万kmに達しています(注2)。断水した状態でも漏水箇所を調査できる技術は、災害時だけでなく平時の老朽管対策でも活用が期待されます。グッドマンは、2026年11月上旬の試作品完成後、実用機の開発・検証を進め、自治体・水道事業者・水道工事業者への提案活動を開始する予定です。WHDCグループは、HT-300の開発を、インフラ調査から予防保全・修繕までを支える「インフラ維持管理事業」を災害復旧の領域へ広げる第一歩と位置づけています。
(注1)厚生労働省『令和6年版厚生労働白書』特集「令和6年能登半島地震への厚生労働省の対応について」
(注2)国土交通省資料(2022年度時点、管路経年化率約23.6%)
(※)グッドマン調べ(2026年9月時点)。日本国内で販売されている水道管・給水管等の漏水探索用機器を対象に、メーカー公式製品情報、国内販売情報、業界団体・展示会情報および公開特許情報を調査。純水を電気分解して現場で水素を発生させ、探索対象の配管に供給する水素濃度4%未満の混合トレーサーガスを生成する機器を比較対象とし、研究・分析用、燃料電池用、健康・吸入用および製造ラインの気密検査専用装置は対象外としています。
※本リリースに記載した水素ガス発生量(毎分300L)は開発における目標値であり、その達成を保証するものではありません。開発日程・製品仕様・想定用途および将来に関する記述は、現時点の計画・構想に基づくものであり、開発の進捗、技術上の課題、市場環境その他の要因により変更となる可能性があります。飯山土建との連携は検討段階の構想です。
会社概要
株式会社グッドマン
所 在 地:神奈川県横浜市金沢区六浦東2-3-3
設 立:1988年3月5日
代 表 者:代表取締役 大貫 公寛
事 業 内 容:電気・通信・水道等のインフラ保守点検に用いられる測定機・探索機の輸入・販売、漏水探索機事業
U R L:https://www.goodman-inc.co.jp
THE WHY HOW DO COMPANY株式会社
所 在 地:東京都新宿区愛住町22 第3山田ビル
設 立:2004年7月
代 表 者:代表取締役 亀田 信吾
上 場 市 場:東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:3823)
事 業 内 容:「売却を前提としない人助け長期伴走型M&A」を軸としたグループ経営、ソリューション事業、建設・インフラ事業ほか
U R L:https://twhdc.co.jp
本件に関するお問い合わせ
製品・技術に関するお問い合わせ
株式会社グッドマン 渡辺 和寛
TEL:(045)701-5680
info@goodman-inc.co.jp
報道・グループ戦略に関するお問い合わせ
THE WHY HOW DO COMPANY株式会社 管理本部総務部長 副島 博
TEL:(03)4405-5460
お問い合わせフォーム:https://twhdc.co.jp/inquiry/
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