NEC X、農業自動化ソリューションを開発・提供するVerdi Expeditions Inc.に出資

CropScopeとの連携、加工用トマト栽培での実証実験を予定

日本電気株式会社

NECの子会社で、シリコンバレーで新事業の創出を推進するNEC X, Inc(注1, 以下NEC X)は、農家の食料生産を最適化するカナダのスタートアップVerdi Expeditions Inc.(注2, 以下Verdi社(ヴェルディ))へ出資しました。金銭的な投資のみならず、 NECグループによる技術支援、事業シナジー創出を目指します。その一環として、NECの農業ICTプラットフォームCropeScope (注3)との連携を行い、今夏、加工用トマト栽培での実証実験をカゴメ株式会社(注4, 以下カゴメ)と共同でポルトガルで行います。

 近年、地球温暖化による異常気象が世界各地で頻繁に発生しており、多くの農家が干ばつ被害に悩まされています。さらに、人口増加や気候変動による水不足も大きな世界課題となっており、農家はこうした問題に対処しなくてはなりません。しかし、バルブ、ポンプ、インジェクターなどといった現状の農業インフラは1950年代以降大きく変わっておらず、作物や畑の場所によって個別最適化できていないために、使用される水や肥料の最大60%を浪費し、収穫されるべき作物が最大20%畑に残っているのが現状です。


 Verdi社が提供するスマートデバイスと農業自動化プラットフォームは、これらの課題に対処し、農業の効率性と生産性を向上させるためのソリューションを提供しています。



 スマートデバイス「Verdi Block Controller」と「Verdi Micro-Block Controller」はブロックバルブ、ポンプ、インジェクター、センサーなどといった既存のあらゆるインフラに備え付けることが可能で、水や肥料の投与など様々な処理を制御。従来よりも細分化されたレベルでの農場管理を可能とし、食料生産を最適化します。ワイヤレスで耐久性も高いので、密集した畑や極端な温度など過酷な環境下でも稼働します。


左:Verdi Block Controller、右:Verdi Micro-Block Controller左:Verdi Block Controller、右:Verdi Micro-Block Controller


 水や肥料の投与などは全てVerdiダッシュボード上で管理が可能であり、NDVI画像や気象観測所データへのアクセス、労務管理、レポート作成に至るまで、農業管理に必要な業務を一元化します。作物のヘルスケアをパーソナライズすることで、2023年には、Verdi社は顧客の水使用量を3000万リットル以上節約することに成功しています。


Verdi DashboardVerdi Dashboard


 NECグループはこれまでも農業ICTプラットフォーム CropScopeの開発や、カゴメとの合弁会社「DXAS Agricultural Technology LDA(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」(注5)の設立などを通じ、環境に優しく収益性の高い営農の促進に取り組んでまいりました。このたびの出資は、NEC Xが運営するベンチャースタジオプログラム「Elev X! Boost」(注6)の一環として行われ、Verdi社の事業拡大支援と各社の事業シナジーの創出が期待されます。


 今後、Verdi社のソリューションとCropScopeを掛け合わせた技術連携を予定しており、今夏ポルトガルの加工用トマト栽培において実証実験を行います。Verdi社は加工用トマトを始め対応作物拡張が可能となります。


本件に関する各社のコメントは以下のとおりです。


「気候変動や資源不足という課題に世界が直面する中で、効率的かつ持続可能な新しい農業インフラが必要不可欠です。Verdi社とNECグループの連携により、農業分野における新たな価値を創出できることを嬉しく思います。NECグループはCropScopeやDXAS Agricultural Technologyという形でこれらの課題に積極的に取り組んできました。NEC Xとしても技術、投資の両面で貢献を続けていきます。」

NEC X, President 兼 CEO, 松本 眞太郎


「NEC Xとのパートナーシップは、単なる投資ではなく、私たちのプラットフォームを強化し拡大することに焦点を当てています。CropScopeとの技術連携によって、農業の効率性と持続可能性を飛躍的に向上させることができることを期待しています。わたしたちは共に未来の農業を形作り、より持続可能で収益性の高い農業を実現していきます。」

Verdi, 共同創業者 兼 CEO, Arthur Chen(アーサー チェン)


以上


(注1)本社:米国 カリフォルニア州、President and CEO:松本眞太郎

(注2)本社:カナダ ブリティッシュ コロンビア州、創業者 Arthur Chen, Roman Kozak、設立:2020年、事業内容:サブフィールドレベルでのモジュラー型灌漑システムと灌漑最適化ソフトウェアの提供

(注3) 「CropScope」は、センサーや衛星写真を活用した作物の生育状況や圃場環境(土壌の状態)を可視化するサービスと、AIを活用した営農アドバイスを行うサービスで構成されています。AIを含むプラットフォームが、水や肥料の最適な量と投入時期を指示し、農家は栽培技術の巧拙に関わらず、収穫量の安定化と栽培コストの低減が期待できるとともに、地球環境に優しい農業を実践できます。

(注4) 本社:愛知県 名古屋市 代表取締役社長:山口 聡

(注5) 本社:ポルトガル、リスボン CEO:中田 健吾

(注6) Elev X! Ignite / Boost:Elev X! はNEC Xが運営するベンチャースタジオプログラムです。起業家が提案した顧客課題起点の事業アイディアとNECの技術をマッチングし、顧客発見・顧客実証などのプロセスを経て新会社立ち上げを推進する「Ignite」と、シードフェーズのスタートアップにNECの技術を提供することで製品を強化し、事業成長を支援する「Boost」の2つのパスを設けています。



<本件のお問い合わせ先>

NEC グローバルイノベーションビジネスユニット コーポレート事業開発部門

E-Mail:contact@necx.jp.nec.com

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会社概要

日本電気株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区芝5丁目7-1
電話番号
-
代表者名
森田 隆之
上場
東証1部
資本金
-
設立
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