IBMとロレアル、持続可能な化粧品開発を推進する初のAIモデルを構築

日本IBM

【フランス・パリおよび米国ニューヨーク州 2025年1月16日(現地時間)発】IBMと世界有数の化粧品会社であるロレアルは、本日、IBMの生成AI技術と専門知識を活用し、化粧品処方のデータに関する新たな知見を得ることで、消費エネルギーと材料の廃棄物を削減に向け、ロレアルにおけるサステナブルな原材料の使用を促進するための協業について発表しました。この独自の取り組みでは、あらゆる化粧品カテゴリーと世界各地域においてロレアルの研究開発チームがより優れた成果をあげ、消費者の満足度を大幅に向上させるように設計されたカスタムAI基盤モデルを開発する予定です。この化粧品処方向け基盤モデルは業界初となるものであり、美容と化学、テクノロジーが交差する分野におけるAI革新のあり方を大きく変えるものです。

この協業は、化粧品科学におけるロレアルの卓越した専門知識と、科学的発見のためのIBMの最先端のAI技術を組み合わせ、科学と技術が環境にも配慮された革新的な解決策を導き出し、その優先順位付けができる未来の実現を目指すものです。地球の天然資源を保護するためには、消費者向け製品の開発において、再生可能かつサステナブルな原材料を探求することが必要不可欠です。この取り組みは、2030年までに自社製品のほとんどの処方をバイオ由来の成分や循環型経済に基づいて調達するというロレアルが掲げる目標「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」の達成に貢献します。

ロレアル リサーチ&イノベーションのイノベーション&製品開発部門責任者であるステファン・オルティス(Stéphane Ortiz)は、次のように述べています。「この協業は、デジタル変革プログラムの一環として、イノベーションや製品配合改良のプロセスを加速し、その取り組みをより大規模に展開することで、常により高い水準の包括性、サステナビリティー、そしてパーソナライゼーションを実現する製品の開発を可能にします」

ロレアル リサーチ&イノベーションのチーフ トランスフォーメーション&デジタル オフィサーであるマシュー・カシエ(Matthieu Cassier)は、次のように述べています。「IBMとのこの重要な連携は、長年にわたる独自の美容科学の専門知識とデータ構造化の経験を基に、イノベーションと開発プロセスに新たな可能性をもたらします」

IBMフェローで、欧州・アフリカ担当バイス・プレジデント 兼 IBMリサーチ チューリッヒ所長であるアレッサンドロ・クリオーニ(Alessandro Curioni)は、次のように述べています。「この協業は、生成AIの価値を最大限に引き出す事例であり、テクノロジーと専門知識で地球環境の保護に貢献するものです。IBMは、目的に合わせてカスタマイズしたAIがビジネス変革を促進すると信じています。IBMの最新AI技術を活用することで、ロレアルは豊富な処方および製品データから価値ある洞察を引き出し、事業目標の達成と継続的な高品質でサステナブルな製品開発を支援するための独自のAIモデルを構築できるようになります」

IBMコンサルティングフランスのディスティングイッシュト・エンジニアでありビジネス・トランスフォーメーション・サービスCTOであるギヨーム・ルロワ・メリン(Guilhaume Leroy-Méline)は、次のように述べています。「AIと化粧品における高度な専門知識を結集したこの連携は、化粧品処方の革新を目指すものであり、持続可能性と多様性を重視した、AIを活用した研究の可能性を広げる取り組みです」

大量の処方データおよび成分データ・ポイントを活用してこのAIモデルを構築し、新製品の処方開発、既存化粧品の再処方、量産化プロセスの最適化など、ロレアルが行う複数の業務を加速させます。このツールは、今後数年間にわたり、世界中のロレアルの4,000人の研究者をより強力に支援するものとなります。また、IBM Consultingは、ロレアルが目指す処方開発プロセスの再考と再設計を支援します。化粧品処方におけるサステナブルな成分の挙動を理解することで、ロレアルは、よりパーソナライズされたサステナブルな製品ラインを構築し、世界中の消費者のニーズにより幅広く応えることが可能になります。

基盤モデルとは、特定の分類や説明が施されていない広範なデータを使って学習されたAIモデルの一種で、さまざまなタスクを実行したり、ある状況から得た情報を他の状況に適用することができます。過去数年間で、これらのモデルは自然言語処理(NLP)技術の分野を大きく進歩させました。IBMは、基盤モデルを言語以外の分野にも応用する先駆者であり、化学、時系列データ、地理空間データなどの領域に拡張しています。IBMのAI技術は、ロレアルが新しい化粧品処方を開発するための創造性を強化し、美容業界を変革する可能性を持っています。ロレアルは、IBMの専門知識と技術を活用し、イノベーションとサステナビリティーが融合する未来を切り開き、日常的に使用する人々にとって独自性の高い製品を提供することを目指します。

当報道資料は、2025年1月16日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

ロレアルグループについて 

ロレアルは115年にわたり美容・化粧品業界のリーダーとして、世界の消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきました。当社のパーパス「世界をつき動かす美の創造」は、社会に対しても、環境に対しても、サステナブル、インクルーシブ、倫理的かつ寛大な形で美を通じて貢献してゆくという私たちの美への姿勢を包括的に表現するものです。37の国際ブランドを初めとする多様で幅広いブランドポートフォリオと、持続的発展と環境を守るための取り組みである「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」プログラムを通じ、美の無限の多様性を賛美し、世界のすべての人々に最高水準の品質、有効性、安全性、誠実さ、責任をお届けします。当社は、9万人を超える従業員を擁し、地理的にもバランスの取れた拠点展開と、すべての流通網(eコマース、マスマーケット、百貨店、薬局、美容室、ブランドおよび旅行小売)における販路を有しています。2023年のグループ売上高は411億8千万ユーロにのぼります。世界11ヵ国に20の研究開発と研究開発拠点を置き、4,000人以上の科学者と6,500人を超えるデジタル人財を擁するロレアルは、美の未来を創造し、ビューティーテクノロジーを推進してゆくことを重要視しています。詳細については、以下をご参照ください。

https://www.loreal.com/en/mediaroom 

IBMについて

IBMは、世界をリードするハイブリッドクラウドとAI、およびコンサルティング・サービスを提供しています。 世界175カ国以上のお客様の、データからの洞察の活用、ビジネス・プロセス効率化、コスト削減、そして業界における競争力向上を支援しています。 金融サービス、通信、ヘルスケアなどの重要な社会インフラ領域における4,000以上の政府機関や企業が、IBMのハイブリッドクラウド・プラットフォームとRed Hat OpenShiftによって、迅速に、効率良く、かつセキュアにデジタル変革を推進しています。 IBMは、AI、量子コンピューティング、業界別のクラウド・ソリューションおよびコンサルティングなどの画期的なイノベーションを通じて、オープンで柔軟な選択肢をお客様に提供します。 これらはすべて、信頼性、透明性、責任、包括性、ならびにサービスに対するIBMのコミットメントに裏付けられています。 詳細は、www.ibm.comをご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月