三菱造船、国内初のメタノール燃料ロールオン・ロールオフ貨物船2隻を受注
トヨフジ海運と福寿船舶向け、2027年度中に完成・引渡し予定
◆ 高性能デュアルフューエルエンジンにより、重油船と比べCO2排出量を10%以上削減
三菱重工グループの三菱造船株式会社(社長:上田 伸、本社:横浜市西区、以下、三菱造船)は、国内初のメタノール燃料ロールオン・ロールオフ貨物船(RORO船)※1を、トヨフジ海運株式会社(社長:武市 栄司氏、本社:愛知県東海市)と福寿船舶株式会社(社長:奥村 恭史氏、本社:静岡市清水区)向けに計2隻受注しました。2隻は山口県下関市の三菱重工業下関造船所江浦工場で建造され、2027年度中に完成・引渡し予定です。
長さ約169.9m、幅約30.2m、総トン数約1万5,750トンの本船は、乗用車約2,300台の積載能力を有しています。
船首には風防スクリーンと垂直ステムを採用して推進抵抗を低減、高効率プロペラおよび抵抗低減型高性能舵を組み合わせた当社独自の省エネシステム技術により燃費を改善します。主機関には、メタノールとA重油それぞれを燃料として使用できる高性能デュアルフューエルエンジンを搭載し、同じ船型で重油を使用した場合と比較して、CO2排出量を10%以上削減、環境負荷の低減に貢献します。将来的には、グリーンメタノール※2を活用することで、ライフサイクルを含めたCO₂排出量の更なる削減につなげていくことも可能です。メタノールを燃料とするRORO船は、世界を航行する外航船では既に運航が開始されていますが、日本国内を航行する内航船の建造は初めてとなります。
また、従来船に比べて積載台数を大幅に増やし、1航海当たりの輸送能力が増えることで、配船スケジュールに余裕が生まれ、乗組員の休暇、休息時間の確保により働き方改革に貢献します。
三菱造船は、今後も引き続き、陸上輸送のCO2削減、人手不足・働き方改革を背景とした海上モーダルシフトのニーズ拡大に対して、燃費性能・環境性能に優れ、お客様の安定運航に資するフェリーやRORO船を建造していくことにより、ビジネスパートナーとともに多様な社会課題を解決していきます。
※1 RORO船は「Roll-on Roll-off ship」の略です。フェリーのように車両が出入りできるランプを備え、トラックやトレーラーなどが荷台部分に積載した貨物を自走で搭載・揚陸し、輸送できる船舶を指します。
※2 グリーンメタノールはカーボンニュートラル燃料の一種です。持続可能なバイオマス由来や、回収したCO₂と再生可能エネルギーで生成した水素との合成燃料。
<新造船の主要目>
■三菱重工業株式会社
ウェブサイト:https://www.mhi.com/jp/
オンラインマガジン「SPECTRA」(日本語):https://spectra.mhi.com/jp
公式X(旧Twitter):@MHI_GroupJP
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