原宿の「Seiko Seed」にて、機械式腕時計の魅力を伝える展覧会「からくりの森 2024」を2024年10月11日(金)~12月8日(日)まで開催。
セイコーウオッチ株式会社(代表取締役社長:内藤 昭男、本社:東京都中央区)は、腕時計の新たな可能性を育み、腕時計の様々な楽しさを体験できる発信拠点「Seiko Seed(セイコー シード)」にて、セイコーの機械式腕時計の特性とその魅力を伝える展覧会「からくりの森」を2024年10月11日(金)より12月8 日(日)まで開催いたします。
3回目となる本展は、セイコーウオッチのデザイナーの他、アーティストの小松 宏誠(こまつ こうせい)氏、エンジニアリングデザイン集団のsiro(シロ)、SPLINE DESIGN HUB + siro(スプライン・デザイン・ハブ + シロ)の3 組を迎え、機械式腕時計のエッセンシャルな要素のさらなる可能性をご体感いただきます。
腕時計の動力と対峙したクリエーターの知恵と技のインスタレーション
本展では、時を正確に刻み続ける機械式腕時計の精緻な動きからインスパイアされた作品を、アート、エンジニアリングデザインの分野で活動するクリエーターたちが、それぞれの専門領域の知恵と技で作り上げました。「1 分」「1 秒」という普遍的な単位を、それぞれの感性で豊かに表現しています。
展示作品
森のリズム
The Rhythm of the Forest
【クリエーターの小松 宏誠氏によるコメント】
機械式腕時計の内部を覗くと、さまざまなパーツが動いています。さまざまな速さの動きが伝わりあって、最終的に1 秒、1 分、1 時間と、時計のリズムが表現されていました。小さく精密で、質量を伴った動きの連鎖が続いていく様子にとても魅了されました。
僕は森のかけらを拾い集め、1 分に1 秒間だけ高速で捻られるゴム紐に吊るしていきます。整えられた1 分の中に、森のかけらによって、さまざまな動きとリズムが表現されていくのです。
森のかけら収集場所 : 盛岡セイコー工業株式会社
ばねの羽根
Feather Coils
【クリエーターの小松 宏誠氏によるコメント】
「動力ぜんまい」を機械式腕時計から取り出すと、美しい曲線のしなやかなバネに戻りました。そのシンプルな部品が機械式腕時計の動きの源であることに感動し、「動力ぜんまい」と「しなやかなバネの動き」をインスピレーションの元として動きのある作品を制作したいと試行錯誤を始めました。円形に並んだバネ状の連続体を少しだけねじることで、かざぐるまの羽根のようになっているモビールです。2つのモビールはつり合って安定しており、風によるわずかな力を加えることで天秤状の吊元が動き出します。
プロフィール
小松 宏誠
Kosei Komatsu
1981 年生まれ。2004年に武蔵野美術大学建築学科を卒業、2006年に東京藝術大学大学院を修了後、アーティストグループ「アトリエオモヤ」のメンバーとして活動を開始。2014 年に独立。「浮遊」や「鳥」への興味からはじまり、現在では「軽さ」「動き」「光」に着目した作品を展開中。美術館での作品展示をはじめ、商業施設など大空間の空間演出も行う。 2022年に武蔵野美術大学 建築学科 特任准教授に着任。
展示作品
時の囁き
Whispers of Time
【クリエーターのsiroによるコメント】
機械式腕時計の動きを眺めていると、強い「魅力」を感じます。機械の正確性についての驚きや感動。小さいながらも力強く時を刻む姿のけなげさやひたむきさ。時にそれは、生きて呼吸をしているようにも、見ている私たちへ何かを語りかけてきているようにも思えてくるのです。
機械式腕時計の原型は16 世紀ごろに発明されたと言われます。レンズは紀元前からありますが、投影機は17 世紀頃の発明と言われます。その古くからあるレンズや投影機の2つの技術の組み合わせによって映し出される機械式ムーブメントの姿は、鮮明でありながら幻想的でもあります。
見れば見るほど魅了され、まるで時計の中に入り込んでしまったのではないかと思うような感覚、そしてその囁きに耳を傾けるような体験を通して、この永遠に続く「時のロマン」を感じていただけたらと思います。
プロフィール
siro
2015 年に設立。展示を作る仕事を中心に様々なプロジェクトで、企画から設計、制作まで取り組んでいます。得意とするのは体験の設計です。今回は「からくりの森」という展覧会をより良くするために、どういうものがあると良いのかを考え 、その作品のために必要なメンバーを集めました。siro の松山真也と片桐崇門に加え、光学設計が得意な高田徹、文章を紡ぎ出すことが得意な渡辺浩彰の4 名で取り組みます。
展示作品
時の足音
Footsteps of Time
【クリエーターのSPLINE DESIGN HUB + siroによるコメント】
時間は一般的に、皆に平等に流れるものと捉えられます。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎるのに対し、退屈な時間はなかなか過ぎないと感じた経験は、誰にでもあるでしょう。人間には時間を直接感じ取る感覚器官はなく、脳が間接的に時間を推測しています。時間への意識の向け方によって、その感じ方は大きく変わるのです。
本作品『時の足音』では、人が時間に対して持つ2つの性質を対比的に表現しています。連続的につながる円形の土台は常に流れを続ける時の普遍性を、歩幅を変えながら不規則なリズムで跳ねるロボットは生き物の象徴として、その時々により感じ方が変わる時の流動性を視覚的に表現しています。
二つの時間が触れ合うことで生まれる「時の足音」と共に、あなたの時間に思いを馳せてみてください。
プロフィール
SPLINE DESIGN HUB + siro
デザインとエンジニアリングの融合を目指すSPLINE DESIGN HUB とsiroのコラボレーションにより本プロジェクトに取り組みます。外部メンバーも加え、総勢6 名の精鋭チームです。それぞれが異なる専門分野を持っており、多彩なスキルを結集して「ロボティクスによる美しい動き」を追求します。デザイナー、エンジニア、アーティスト、研究者が知恵を絞り、互いのアイデアを高め合いながら、新たなクリエイティブの可能性を探ります。
展示作品
回遊する時
The Time of Wandering
【クリエーターのセイコーウオッチのデザイナーによるコメント】
機械式腕時計の心臓として存在するちいさな機械。普段の彼らは手首にそっととどまり、規則正しく針を送り続けます。けっして持ち場を離れることなく、ただひたむきに人々の日常を動かすのです。
そんな彼らに「あし」を与え手首から解放すると、どんな歩みをするのでしょうか。その分針に着けた足では、一見静止しているかのようで、実はしばらく眺めていると、わずかに脈動しながらのんびりと歩みをすすめています。さながら休暇の散歩を思わせるその動きからは、普段の生真面目さとは異なる健気な生命体としての面影を感じます。
本作品では腕時計機構の分針を車輪に置き換えることで、日常の中に溶け込むちいさな機械に秘められたまだ見ぬ動きの可能性を提示します。
時の鼓動
Beat of Time
【クリエーターのセイコーウオッチのデザイナーによるコメント】
機械式腕時計の内部を見ると、なぜだかついその動きを眺めてしまいます。そこでは絶え間なく部品が動き、微かな駆動音からは健気さや息吹を感じます。
今回は正確に時を刻むために凝縮された機械式腕時計そのものに着目し、腕時計機構を球体で覆い、その秘められた魅力を表現しました。
球をのぞきこむと、そこでは小さなちいさな機械が時を刻んでいます。透明な球に耳をすませば、駆動音が鼓動のようにささやき、白い球はやわらかい光と映る影の揺らぎで、時の流れを・・・
機械式腕時計の多彩な魅力に触れていただければと思います。
プロフィール
セイコーウオッチ株式会社
セイコーは、1881 年の創業以来「常に時代の一歩先を行く」という創業者の信条を貫き、国産初の腕時計や世界初のクオーツウオッチを発売するなど、革新的な商品を次々と世に送り出してきました。
これからも、革新へのあくなき挑戦で、人々と社会に信頼と感動をもたらし、世界中が笑顔であふれる、感性的価値の高いものづくりを目指してまいります。
seikowatches.com/
展示会概要
からくりの森2024
会期 |
2024年10月11日(金)~12月8日(日)11:00~20:00 ※水曜のみ14:00~20:00 ※入場は19:45 まで 会期中無休 |
会場 |
Seiko Seed 東京都渋谷区神宮前 1-14-30 WITH HARAJUKU 1F |
入場料 |
無料 |
特設サイト |
主催:セイコーウオッチ株式会社
参加クリエイター:小松 宏誠、siro、セイコーウオッチ株式会社 デザイン部
プロデューサー:桐山登士樹(TRUNK)
セイコーの機械式腕時計とは
巻き上げられたぜんまいが、ほどけようとする力を動力源としている「機械式時計」。電気を一切用いずに動く、時計の原点とも言える駆動機構です。1913年の国産初の腕時計「ローレル」完成以降、110年間、日常で使いやすく、安定した精度で、長くご愛用いただくための独自開発を行い、数々の革新的な機械式腕時計を世に送り出しています。
Seiko Seed について
「Seiko Seed」の 「Seed」 は、「Seiko Experience Engineering and Design」 の略であり、「エンジニアリングとデザインで創り出した、腕時計の様々な楽しさを体験する場」という意味が込められています。
セイコーは、時計の修繕と販売から事業を開始し、掛時計、懐中時計、腕時計と製造に着手し、142 年の歴史を刻んでまいりました。その長い歴史の中で生み出した商品から未来への夢まで、技術とデザインを切り口としたイベントや企画展活動により、セイコーグループのスローガン「時代とハートを動かすセイコー」を体験する場として発信してまいります。
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