大日本印刷と大阪市 生成AIに適したデータのあり方を検討する連携協定を締結
大阪市の業務文書を生成AIが参照しやすいデータ形式へ変換するための実証実験を開始
【背景】
全国の自治体において、業務効率化のための生成AI利活用が急速に進んでいます。大阪市では、2023年度に各種実証*2などを行い、2024年の4月には全庁において、文章の要約・添削・翻訳等の汎用的な業務における生成AIの利用を開始しました。これまでの取り組みを通じて、特定の領域の法令や事務処理マニュアル等、専門知識を要する業務において生成AIを活用するには、生成AIに参照させる業務文書のAIに適したデータ形式による準備が重要であることが明らかになってきました。これらを踏まえ、両者は連携協定を締結し、生成AIの活用を見据えた望ましいデータのあり方(マシンフレンドリーなデータ形式)について共同で検証します。
【連携協定の概要】
○対象データ:大阪市が保有する業務文書等(事務処理マニュアル他)
○実施期間:2024年5月17日(金)~7月19日(金)
○主な取り組み:
・DNPの「ドキュメント構造化AI」を活用し、大阪市保有の業務文書等を生成AIが参照しやすいデータ形式に変換します。
・変換前、変換後のデータをDNPが構築した生成AIシステムのデータベースに登録し、回答精度の比較などの検証を行います。
・生成AIに適したデータ形式の特徴について、「ドキュメント構造化AI」の処理の過程で検出して、整理・類型化します。
【DNPの「ドキュメント構造化AI」について】
「ドキュメント構造化AI」は、PDFやWord等の多様な文書を、生成AIが参照しやすいデータ形式に整形する技術です。テキスト・画像・表組等が混在したドキュメントに対し、独自のAIモデルを使ってタイトルや本文、画像や表の内容・キャプション等の各要素に分割することで、生成AIが参照しやすい形式にします。整形後のデータを生成AIが扱うことにより、誤回答や非回答の件数を減らし、高い精度での回答を実現します。
本技術の開発にあたってDNPは、社内規定・品質マニュアル・決算短信などのデータを整形し、生成AIに参照させて実証実験を行いました。その結果、整形後のデータを用いた場合は、整形前のデータ利用時と比較して、誤回答を約90%削減することができました。
本技術はドキュメントの構造認識分野において関連特許を取得しています。
企業・団体等が保有する各種データの整理や、AIで処理しきれないデータの補正などについては、DNPのBPO(Business Process Outsourcing:業務委託)サービスと連動させて対応します。DNPは、企業・団体等の保有データの構造化や生成AIの利活用による効果の拡大・負荷の軽減などをトータルにサポートします。
【今後の展開】
DNPは、今回の検証を通じて、大阪市の自治体業務における生成AIの利活用を支援するとともに、同様の課題を持つ企業・団体・自治体等へのサービスの提供を目指します。
またDNPは、「DNP生成AIラボ・東京」*3を2023年12月4日(月)に開設し、社外のパートナーとともに多様なユースケース(使用事例・用途例)の構築を加速させています。今後もDNPは、社内・社外ともに、事業や業務等への生成AIの活用を推進・強化していきます。
*1 生成AIの回答精度を向上させるデータ整形技術 → https://www.dnp.co.jp/news/detail/20170163_1587.html
*2 市民サービスの向上及び業務の効率化に向けた生成AIの利活用の可能性及び利用にあたっての課題解決方法等に関する実証 → https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/ictsenryakushitsu/0000606319.html
*3 DNP生成AIラボ・東京 → https://www.dnp.co.jp/news/detail/20170008_1587.html
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