ユーグレナ、PETRONAS、Enilive の3社、マレーシアにおけるバイオ燃料製造プラントの建設・運営プロジェクト最終投資決定を完了
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充、以下「ユーグレナ社」)とマレーシアのPetroliam Nasional Berhad(以下「PETRONAS社」)、イタリアのEnilive S.p.A.(Eni S.p.A.の完全子会社、以下「Enilive 社」)(3社グループをあわせて、以下「本パートナー」)は、マレーシアにおいてバイオ燃料製造プラント(以下「本商業プラント」)を建設・運営するプロジェクト(以下「本プロジェクト」)に関して、最終投資決定を行ったことをお知らせします。本商業プラントは、マレーシアのジョホール州に位置するPETRONAS社の石油・石油化学コンプレックスPengerang Integrated Complex(以下「PIC」)内で建設する予定です。
本パートナーは、PETRONAS社の子会社であるPETRONAS Mobility Lestari Sdn Bhd(PMLSB)とEnilive社を筆頭株主とする合弁会社をマレーシアに設立し、本商業プラントの建設・運営を行う予定です。
本商業プラントは、2028年下期までの稼働開始を目指しており、バイオジェット燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下「SAF」)、および次世代バイオディーゼル燃料(Renewable DieselまたはHydrotreated Vegetable Oil、以下「HVO」)を生産し、各パートナーの得意分野を活かしながら、世界の航空・輸送業界で拡大しているバイオ燃料需要に応えていきます。
本商業プラントは、2024年第4四半期に建設を開始する予定で、完成後は年間約65万トンの原料処理能力でSAF、HVO、バイオナフサを製造します。
原料としては、使用済み植物油や動物性油脂、植物油の加工に伴う廃棄物などの廃棄物・残渣系原料、そして将来的には微細藻類由来の藻油などのバイオマス原料を使用する予定です。PETRONAS社のPICが所有する設備・ユーティリティを利用するとともに、原料供給源に近接し、主要な国際航路にもアクセスしやすい戦略的な立地を活かすことで、世界各地からのバイオ燃料需要に応えることが可能です。
本商業プラントは、Eni社がHoneywell UOP社※1と共同で開発した画期的な「Ecofining™ 技術」と前処理装置を備えることによる多様な原料の処理能力と、SAFとHVOの生産を柔軟にコントロールしながら最大化できる製造設備の双方を兼ね備えた専用の設計に基づいて新設されます。
※1 石油精製、ガス処理、石油化学製品、および主要な製造業に技術を開発および提供するアメリカの多国籍企業
ユーグレナ社
代表取締役社長 出雲充コメント:
勇気をもって一歩を踏み出し、日本で誰もやったことがないことに挑戦していくことが、我々スタートアップ企業の使命だと考えています。ユーグレナ社は、日本のバイオ燃料の発展を支えるべく、小規模ではありますが日本初のバイオ燃料製造実証プラントを建設しました。本プロジェクトは、日本でのカーボンニュートラル社会実現、その希望への道を切り拓くものです。3社で推進する本プロジェクトチームは、各分野の専門知識を結集し、商業プラントの建設・運営に全力を尽くします。ユーグレナ社は、バイオ燃料の原料の一つとして、微細藻類の研究開発を全力で進め、藻油を世界に供給してまいります。本プロジェクトが、拡大するバイオ燃料需要を成功裏に満たし、ASEAN諸国を中心に明るくクリーンな未来をもたらすと確信しています。
PETRONAS社
精製・トレーディング・マーケティング担当 副社長 Ahmad Adly Aliasコメント:
先進的なエネルギーソリューションパートナーである当社にとって、本プロジェクトは、単なるバイオ燃料の売買取引にとどまらず、そのバリューチェーンにおける当社の地位を確固たるものにするとともに、二酸化炭素排出量を削減するための現実的かつ持続可能な解決策を提供し、包括的なバイオベースのエコシステム確立への道を切り拓く第一歩となります。当社は、我々のパートナーの強みと得意分野を利活用することで、世界中の、特にアジア太平洋地域の顧客に、現実的で利用しやすい、よりクリーンなエネルギーソリューションを提供することで、バイオベースの世界経済の進展を支援してまいります。これは、当社の「ネット・ゼロ・カーボン・エミッション2050」の目標にも沿うものです。
Enilive社
CEO(最高執行責任者) Stefano Ballistaコメント:
マレーシアにおける本プロジェクトの最終投資決定は、バイオ燃料製造に対するEnilive社のコミットメントを裏付けるもので、当社が2030年目標とする年間500万トン以上のバイオ燃料生産能力と、うち200万トンのSAF生産が可能なオプションを実現するための足掛かりとなるものです。2014年以来、当社は既にイタリアでバイオ燃料製造プラントを運営しており、最近では米国でもバイオ燃料製造プラントの運営を開始しました。PETRONAS社およびユーグレナ社との協力により、当社はアジア市場に参入し、際立った存在感を世界に示すことになります。
<株式会社ユーグレナ>
ユーグレナ社は、2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功したことを契機に、バイオテクノロジーで持続可能な社会の実現を目指す企業です。「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、機能性食品や化粧品を販売するヘルスケア事業を運営し、70万人以上の定期顧客数にサービスを提供しています。また、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供、未利用資源等を活用したサステナブルアグリテック領域などの事業を展開しています。2014年からは、バングラデシュの子どもたちの栄養問題解決を目指して、59種類の栄養を含むユーグレナクッキーを毎日1万食届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を実施しています。2012年に株式を公開し、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しています。
<Petroliam Nasional Berhad>
PETRONAS社は、100 カ国以上に拠点を置く大規模なグローバル・エネルギー・グループです。同グループは、責任ある持続可能な方法で社会の進歩を促進するエネルギーとソリューションを生産、提供しています。
PETRONAS 社は、統合ビジネスモデルを通じて価値を最適化しながら、世界中でエネルギーの可能性を追求しています。同グループのポートフォリオには、よりクリーンな従来型および再生可能なリソース、および様々な先進製品と適応型ソリューションがあります。持続可能性は、当グループの活動の中核をなすものであり、エネルギーの利点を活用して生活を向上させ、豊かにします。人材は当グループの強みであるとともに、成長のパートナーでもあり、持続可能なエネルギーの未来に向けて、イノベーションを進歩する情熱の源です。
<Enilive S.p.A.>
モビリティ製品とサービスに特化したEniの完全子会社であるEniliveは、ベニスとジェラ(イタリア)のバイオ燃料製造プラントと米国のSBRバイオ燃料製造プラントで、(再生可能エネルギー指令に準拠しながら)再生可能な原材料からHVOを生産する世界的リーダーです。
ベニスのバイオ燃料製造プラントは、石油精製所をバイオ燃料製造プラントに転換し、生物由来の原料から水素化処理をしたバイオ燃料を生産する世界初の例です。ベニス(2014年)とジェラ(2019年)のプラントをバイオ燃料製造プラントに転換したのは、Eni社がHoneywell UOP社と共同で開発した生物由来の原材料をバイオ燃料に変換するために使用されるEcofining™テクノロジーによって可能になりました。
Enilive は、2030 年までにバイオ精製能力を年間 500 万トン以上増強する計画で、また、2026 年までに 100 万トン以上の SAF製造 オプションを実現し、2030 年までに倍増を目指します。さらに、イタリアのリボルノにおける別の Eni 製油所の改修、韓国における新しいプロジェクトの評価など、複数の開発プロジェクトが進行中です。
Enilive は、ヨーロッパ全土に 5,000 を超えるサービス ステーションのネットワークを持ち、そのうち約 4,000 がイタリアにあります。このネットワークは、HVOlutionバイオディーゼル燃料、バイオ LPG、バイオメタン、電気充電などの幅広いサービスと製品のおかげで、毎日 Enilive ステーションで燃料補給をしている150 万人以上のヨーロッパの人々にサービスを提供しています。Enilive サービス ステーションは、移動中の人々に幅広いサービスを提供しています。
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