横浜美術館による若手作家をご紹介する企画「New Artist Picks」。今年は「柵瀨茉莉子展|いのちを縫う」を開催!
New Artist Picks「柵瀨茉莉子展|いのちを縫う」 会期:2020年3月14日(土)~4月12日(日)
柵瀨茉莉子(さくらい・まりこ)は一貫して「縫う」ことを表現手段とし、主に木片や木の葉、花びらといった自然物を素材に制作してきました。それはひと針ずつ素材を縫うという手作業を通して、自然物に刻み込まれた時の記憶を辿り、その記憶を目に見える形で留める行為と言えます。
本展では、これまでの作品の展開を追うとともに、生まれ育った佐島(神奈川県横須賀市)を舞台とした作家の個人史をテーマに新作を発表します。それらは、刺繍を教えてくれた亡き祖母への思い出や、自然豊かな土地の開発に対する違和感など、作家の個人的な記憶に由来するものです。一見私的な表現にも見えるこれらの作品には、いのちある全てのものへと注がれた作家のあたたかな眼差しと、やがては朽ちてゆく生命の儚さに寄せた普遍的な共感が満ち溢れています。柵瀨にとって縫うこととは、生きるものと朽ちてゆくものへの祈りと鎮魂の思いを込めた所作であり、その思いを紡ぐ糸の縫い目が、道端に落ちていたら気にも留めないような素材に新たないのちを吹き込んでいます。
会期中にはCafé小倉山でも小展示を行うほか、アーティストトークとワークショップ「木の葉を縫う、持ち歩く」を開催いたします。若手作家のみずみずしい感性による作品を、ぜひこの機会にご覧ください。
- プロフィール
1987年 神奈川県横須賀市生まれ
2010年 筑波大学芸術専門学群構成専攻クラフト領域(木工)卒業
2012年 筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻クラフト領域(木工)修了
現在、横浜市在住
主な個展
2008年 「コノハ」アートギャラリーT+筑波大学、茨城2011年
「木を縫う―モアノとミノムシ―展」Galerie Moineau、東京
「木を縫う」GALERIE PARIS、神奈川
2013年 「Under 35」キュレーション森田彩子 BankART Studio NYK、神奈川
2014年 「柵瀨茉莉子展」GALLERY RUEVENT、東京
「柵瀨茉莉子展」Gallery Gigi、神奈川
「地図にない島」SILVER SHELL、東京
2015年 「木と刺繍」LIBRE、東京
2016年 「記憶を辿る」GALERIE PARIS、神奈川
- 関連イベント
作家自らが作品について語ります。
日程 | 2020年3月21日(土) ※中止 |
時間 | 16時30分~17時30分 |
会場 | 横浜美術館アートギャラリー2 |
申込み | 不要 |
参加費 | 無料 |
■ワークショップ「木の葉を縫う、持ち歩く」 参加者募集中!
柵瀨茉莉子を講師に迎え、手提げ袋に木の葉を縫い世界に一つのトートバッグをつくります。前半は作家の話を聞きながら展示作品を鑑賞し、柵瀨が取り組む「縫う」という表現への理解を深めます。後半は、作家と同じ手法で、木の葉をトートバッグに縫い留める活動をおこないます。完成したバッグを持ち帰り、作品に刻まれた時間と日常が交じり合っていくのを味わいましょう。
日程 | 2020年4月5日(日) ※中止 |
時間 | 13時30分~15時30分 |
講師 | 柵瀨茉莉子(出品作家) |
会場 | 横浜美術館市民のアトリエ |
定員 | 20名(対象12歳以上) |
参加費 | 1,000円 |
申込方法 | ①ウェブサイト申込みフォーム ②往復はがき |
申込締切 | 2020年3月23日(月)必着、応募者多数の場合は抽選 *申込詳細はウェブサイトをご覧ください。 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20200314-555.html |
- 開催概要
会期 | 2020年3月14日(土)~4月12日(日) |
開館時間 | 11時00分~18時00分(Café小倉山は10時45分~18時00分) |
休館日 | 木曜日 |
会場 | 横浜美術館アートギャラリー1、Café小倉山 |
観覧料 | 無料 |
主催 | 横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) |
協力 | GALERIE PARIS、Café小倉山 |
ウェブサイト | https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20200314-555.html |
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