IBMがHashiCorp社の買収を完了し、総合的なエンドツーエンドのハイブリッドクラウド・プラットフォームを実現

HashiCorp社の技術により、Red Hat、watsonx、データ・セキュリティー、ITオートメーション、コンサルティングを含むIBMの戦略的成長分野全体で相乗効果を創出

日本IBM

【米国ニューヨーク州アーモンク - 2025年2月27日(現地時間)発】

IBMは本日、ハイブリッドクラウド・アプリケーションおよび生成AIを支えるインフラストラクチャーの自動化とセキュリティーを提供するHashiCorp社の買収を完了したことを発表しました。この買収により、両社の技術力を統合することで、企業のイノベーションの加速、セキュリティーの強化、クラウドからのより一層の価値創出を支援します。

現在、約75%の企業がハイパースケーラーのパブリッククラウドとオンプレミスのデータセンターを含むハイブリッドクラウド[1]を活用しており、統一されたアプローチでインフラストラクチャーを大規模に提供および管理することで、真のイノベーションを実現することができます。企業は、クラウド・インフラストラクチャーとセキュリティー業務の効率的な管理とモダナイゼーションを必要としており、計画や設計から運用や保守に至るまで最適化を進めています。2028年までに、生成AIの進化によって10億件の新たなクラウドネイティブ・アプリケーション[2]が登場すると予測されており、この規模の拡大を支えるには、人的な力のみによる対応をはるかに超えるインフラストラクチャーの自動化が必要です。

IBMのソフトウェア担当シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・コマーシャル・オフィサーであるロブ・トーマス(Rob Thomas)は、次のように述べています。「世界中の組織が、モダナイズされたハイブリッドクラウド対応のアプリケーションを展開しようとしており、それには自動化された大規模なクラウド・インフラストラクチャーが不可欠です。この買収により、IBMはHashiCorp社の技術への継続的な投資と成長を推進していきます。HashiCorp社の先進的な技術と広範な開発者コミュニティー、IBMのグローバルな展開力とR&Dリソースを活用することで、HashiCorp社の技術をあらゆるデータセンターに提供していきます」

HashiCorp社CEOのデイブ・マクジャネット(Dave McJannet)は、次のように述べています。「HashiCorp社は10年以上にわたり、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境で世界の大手企業の成長を支えてきました。クラウドの進化を見届けるとともに、業界の変革にも最前線で貢献してきました。IBMの長い歴史と世界規模でのネットワーク、そして強固なお客様基盤を活用することで、HashiCorp社は顧客や技術者、パートナーに対し、クラウド・インフラの自動化やセキュリティーの強化、さらには最適化の支援をより一層強化できるようになります。そして、これにより、ハイブリッド環境向けのエンドツーエンドのプラットフォームを提供し、企業のイノベーションをさらに加速させていきます」

HashiCorp社の共同創設者で最高技術責任者のアーモン・ダドガー(Armon Dadgar)は、次のように述べています。「HashiCorp社は、パブリッククラウドの黎明期からクラウド・インフラストラクチャーの先駆者として業界をけん引してきました。インフラストラクチャーとセキュリティー・ライフサイクル管理において、クラウドネイティブの取り組みを支える製品群を構築し、これまでに世界中の数十万の企業で広く採用されています。世界の大手企業にハイブリッド・インフラストラクチャーを提供するというビジョンを共有するIBMに、HashiCorp社が加わることを大変光栄に思います。IBMと強く連携、協力することで、R&Dイノベーションへの継続的な投資を進め、次世代アプリケーションの構築と拡張を支援していきます」

製品詳細と提供開始日

  • HashiCorp社が提供する機能により、企業は自動化を通じてインフラストラクチャーとセキュリティー・ライフサイクル管理を実現し、ハイブリッドクラウドおよびマルチクラウド環境に重要なワークフローの記録システムを提供することができます。HashiCorp社のTerraformは、これらの環境におけるインフラストラクチャー・プロビジョニングの業界標準です。HashiCorp社の製品は、相互運用性の高いアプローチでマルチクラウドを管理できるように支援するとともに、日々拡大しているハイパースケール・クラウド・サービス・プロバイダーとの密接なパートナーシップを含む業界コラボレーション、開発者コミュニティー、オープンソースのハイブリッドクラウド、AIイノベーションに対するIBMのコミットメントを補完するものです。

  • TerraformおよびVaultをはじめ、HashiCorp社の広範な製品群は、現在IBMのオートメーション・ソフトウェア・ポートフォリオで提供されています。

  • HashiCorp社は、Red Hat、watsonx、データ・セキュリティー、ITオートメーション、コンサルティングなど、IBMの複数の戦略的成長分野において大きな相乗効果を生み出します。特に、TerraformとRed HatのAnsible Automation Platformを組み合わせることで、複数のクラウド・プロバイダーにまたがる基盤インフラストラクチャーの自動化を実現し、Ansibleはそのインフラストラクチャー上でアプリケーション設定やミドルウェアの展開を自動化します。

  • さらに、HashiCorp VaultRed Hat OpenShiftを統合することで、ハイブリッドクラウド環境全体で強力なシークレット管理とセキュリティー機能を提供します。また、TerraformはIBM Zの構築と展開をハイブリッドクラウド環境において実現します。

IBMのAI駆動型ITオートメーション機能をさらに強化

HashiCorp社の買収は、企業のIT支出の最適化とコスト削減を支援する自動化ソフトウェアに対する継続的なIBMの戦略的投資の一環です。自動化ソフトウェアには、お客様のポートフォリオ全体でアプリケーション管理に関するインサイトを提供し、問題を特定、予測し、修正提案を提示するAI駆動型ソフトウェアをはじめ、ITのフルスタックの可視化とアプリケーション・パフォーマンスの最適化を実現するソフトウェアや、効率的に業務をスケールし、クラウド費用を削減するためのアプリケーション・リソース管理ツールが含まれます。さらには企業全体のIT支出に関するリアルタイムのインサイトを提供する財務管理ソリューションや、ハイブリッドクラウド環境で数千のアプリケーションとデータを統合するソフトウェアを提供する予定です。

HashiCorpの買収完了に伴い、IBMはHashiCorpの発行済みおよび未払いの普通株式を1株あたり35ドルの現金で取得しました。これにより、HashiCorpの企業価値は64億ドルとなります。

本発表の詳細については、こちら(英語)をご覧ください。また、HashiCorp社の共同創設者で最高技術責任者であるアーモン・ダドガー(Armon Dadgar)のコメントはこちら(英語)をご覧ください。

当報道資料は、2025年2月27日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

IBM、IBM ロゴ、ibm.com は、 米国やその他の国における International Business Machines Corporation の商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれ IBM または各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademark をご覧ください。

注釈

[1] Flexera: "2024 State of Cloud Report."

[2] IDC: Gary Chen, Jim Mercer. "1 Billion New Logical Applications: More Background."


会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月