OKI、643×558mmの大型サイズに対応した半導体テスト基板量産開始
従来よりも約3割大型化、次世代半導体の検査装置に対応
OKIグループのプリント配線板(PCB)事業会社であるOKIサーキットテクノロジー株式会社(社長:森丘 正彦、所在地:山形県鶴岡市、以下OTC)は、次世代半導体の機能試験に対応し従来よりも約3割大型化したテスト基板(検査装置用基板)の量産をスタートしました。データセンター、ルーター、AI機器などに実装される大型LSI(5,000ピンクラス)や次世代メモリーの検査装置用に23年1月より出荷開始し、2024年度に20億円の売上を目指します。
データ通信の高速化・大容量化、AIの普及や自動運転技術の加速に伴い、半導体の微細化(高密度配線化・PIN数増大化)・大規模集積化が進み、従来のスーパーコンピューター並みの処理能力をもつLSIや次世代メモリーの開発が進んでいます。こうした、微細化・大規模集積化した半導体では、多くの複雑な信号を処理して機能試験を行うために検査回路の面積が拡大し、検査装置も大型化が進んでいます。これに伴い、装置に用いられるテスト基板においても、多くの複雑な機能試験に対応できるように、搭載回路のさらなる微細化と基板の大型化・多層化が求められています。
今回OTCが量産を開始したテスト基板は、高多層(96層)と狭ピッチ(0.27mm)を両立しながら大型化を実現しています。テスト用途によって形状が異なり、長方形のパフォーマンスボード(注1)、円形のプローブカード(注2)の2タイプがありますが、パフォーマンスボードでは643×558mm(従来580×480mm)と従来よりも約3割、プローブカードも直径550mm(従来480mm)と大型化しました。これにより、大型LSI(5,000ピンクラス)、次世代メモリーの検査が可能となりました。
OTCは、今回のテスト基板開発において、高精度積層技術の開発と独自のFiTT工法(注3)の改良により、大型化、高多層、狭ピッチ、高速対応の要求を実現しました。また、量産対応と生産効率化のため、コア材(積層する前の大型で紙より薄い銅張積層板)をエッチング加工できる最新装置などの設備投資を行い、お客様への迅速な供給を可能としました。今後、さらなる増産を視野にいれて、工場の増床や設備増強を図ります。
なおOTCは、2023年1月25日から東京ビッグサイト開催される「第37回 ネプコン ジャパン/第24回プリント配線板EXPOゾーン」(https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp/about/pwb.html)(ブース番号:東3ホール《24-17》)に出展し、新開発のテスト基板も展示します。
用語解説
注1:パフォーマンスボード
パッケージング後の半導体の機能試験用テスト基板
注2:プローブカード
ウエハー上に多数のLSIの形成が完成した段階でウエハーを個々のLSIチップに切り離す前に全数行う機能テスト(ウエハー検査)に用いられるテスト基板
注3:FiTT(Fine pitch Through via Technology)
ビルドアップ工法を用いず、貫通穴にて狭ピッチを可能とするOTC独自工法
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