成田国際空港でローカル5G とTETRAの相互接続に成功 ~日本の空港で初めて統合ミッションクリティカル通信環境を実現~

東日本電信電話株式会社

東日本電信電話株式会社(代表取締役社長 澁谷 直樹、以下「NTT東日本」)と日本空港無線サービス株式会社(代表取締役社長 高橋 禎一 、以下「NAR」) は、この度、成田国際空港におけるローカル5G※ 1 を用いた実証実験 ※2 において、NTT東日本が提供するマネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G ®」で構築したローカル5Gシステムと、空港の無線通信基盤であるTETRA ※3 との相互接続に成功しました。これにより、ミッションクリティカルプッシュ・トゥ・トーク(MCPTT)※ 4 を搭載したローカル5G対応端末とTETRA端末との音声通話環境を、日本の空港において初めて実現しました ※5。今後両社は、MCPTTの機能検証やTETRAと連携したユースケースの開発を進め、空港をはじめ広大な敷地を持つ工場・倉庫等における実業務へのローカル5Gの活用範囲拡大と無線通信環境の高度化に向けた具体的な提案を実施していきます。

    <ローカル5G対応スマートフォン上のWAVE>      <WAVEとTETRA端末通信試験模様>

 

※1 ローカル5Gとは、地域や産業の個別のニーズに応じて地域の企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5Gシステムです

※2 国土交通省主催「空港制限区域内における自動走行の実現に向けた検討委員会」における自動運転レベル4相当の導入に向けた実証実験の枠組みおよび総務省が推進する「令和4年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の取り組みの一環として実施しました

※3 国際標準の業務用デジタル通信方式で、世界各国の公共安全機関に導入されており、空港では成田・那覇・羽

田・関西・中部の他、世界80以上の空港で運用されています

※4 送受信機器の送信ボタンを押している間は送信状態となり、音声通話をすることが可能となる通信サービスの総称。中でも任務の遂行に必要不可欠なものをミッションクリティカルと呼称します

※5 日本空港無線サービス株式会社にてTETRA導入の空港を独自に調査した結果となります

 

1.背景・目的

現在、様々な産業分野においてローカル5Gの導入の検討が進んでいます。成田国際空港ではNTT東日本等が参画するコンソーシアムで進めるローカル5G等を用いた複数台遠隔型自動運転バス実証の実施といった、スマートエアポートの実現や安定したセキュアな無線通信基盤としてのローカル5Gの活用の検討を進めています。

 

一方、NARが運用する空港無線システムTETRAは、空港における地上間の無線通信基盤として成田国際空港をはじめ国内主要空港で運用されており、地上管制やグランドハンドリングなどの日常業務や緊急時におけるミッションクリティカルな連絡手段として定着しています。

今後、空港業務におけるローカル5Gの活用を円滑に進めていく上で、現在空港において広く利用されている空港無線との連携が不可欠となることから、本実証実験における両者の相互接続の実現は、その重要な第一歩となります。

 

また、空港の業務によっては、これまで複数の端末を携帯する必要がありましたが、今回の相互接続によって、汎用性の高いスマートフォンのみでの業務継続が可能となるとともに、今後はWAVE の機能を活かした音声以外のコミュニケーションによる利便性の向上も期待できます。

 

2.取り組み概要

NARは空港無線のTETRAとともに、TETRAと接続されたMCPTTシステムの「WAVE※6」を運用しています。WAVEを活用することにより、携帯電話網やローカル5Gを通じて、スマートフォンにインストールされたアプリケーションによる音声通話やテキストメッセージングが可能となります。

 

今回、このWAVEを成田国際空港に実証実験環境として「ギガらく5G ®」で構築されたローカル5Gシステムと相互接続することで、ローカル5G対応のスマートフォンとTETRA端末との間や、当該スマートフォン同士の閉域網での音声通話を可能としました。これにより、従来の携帯電話網での接続と比較し、より高品質で安定した環境での空港業務遂行が可能となります。

                                                       <実証実験の概要イメージ>

 

※6 モトローラ・ソリューションズが開発したミッションクリティカルプッシュ・トゥ・トーク(MCPTT)システムで、3GPP標準に準拠し、米国をはじめとする世界各国の公共安全ネットワークに導入されています

 

3.各社の役割

・NAR

    -TETRAおよびWAVEの提供

    -TETRAとローカル5Gの相互接続および品質調査の実施

・NTT東日本

    -ローカル5G接続の試験環境の提供および技術支援

 

4.今後の予定

この度の遠隔型自動運転の実証実験において、WAVEとTETRAを実験スタッフ間の連絡手段として利用し、高品質で安定した通話機能を確認しています。両システムともに専用の電波と閉域網で構成され、携帯電話網等の故障や輻輳の影響を受けないことから、災害時等の緊急時の高い可用性が期待できます。

またWAVEについては、2023年中のバージョンアップにより、動画通信などのマルチメディア機能や位置情報管理機能等が実装される予定です。

 

NARはNTT東日本と引き続き連携し、空港におけるローカル5Gの導入を進めるとともに、WAVEに搭載される多彩な機能とTETRAとの相互接続を活かした空港業務のDX化などの提案を行っていきます。

またNTT東日本は、WAVEを、「ギガらく5G ®」のコミュニケーションツールとして、企業の工場や倉庫などに提案を実施していきます。

 

5.その他

NTT東日本は5月24日(水)から5月26日(金)の3日間、東京ビッグサイト 西3・4ホールで開催される、国内最大級のワイヤレス通信の専門イベント「ワイヤレスジャパン2023」(主催:株式会社リックテレコム)に出展します。本取り組みやTETRA・WAVE、「ギガらく5G®」の実機についてもNTT東日本ブースで紹介予定ですので、ぜひ会場にお越しください。

 

6.参考

・総務省「令和4年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」

   https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu06_02000325.html

 

・ローカル5G等を用いた複数台遠隔型自動運転バス実証を成田国際空港で開始

   ~実証2年目は第1~第3旅客ターミナル間で最大3台の同時自動運転を志向~

   https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20221215_01.html

 

・マネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G ®」

   https://business.ntt-east.co.jp/service/gigaraku5g/

 

・ワイヤレスジャパン 2023

   https://www8.ric.co.jp/expo/wj/

 

・NTT東日本について

会社名:東日本電信電話株式会社

代表者:代表取締役社長 澁谷 直樹

所在地:東京都新宿区西新宿3-19-2 NTT東日本初台本社ビル

資本金:3,350億円

資本構成:日本電信電話株式会社(100%)

事業内容:東日本地域※7における地域電気通信業務※8及びこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務

 

・NARについて

会社名:日本空港無線サービス株式会社

代表者:代表取締役社長 高橋 禎一

所在地:千葉県成田市駒井野2112 NTT成田国際空港ビル

資本金:100百万円

株主構成:東日本電信電話株式会社(100%)

事業内容:電気通信事業(空港MCA無線、A/G無線電話等)、電気通信設備等の設計、施工・運用・保守・販売・賃貸、関連するコンサルティング等

 

※7 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県

※8 県内通話に係る電話、専用、総合デジタル通信などの電気通信サービス

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会社概要

東日本電信電話株式会社

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業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿 3-19-2
電話番号
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代表者名
澁谷 直樹
上場
東証プライム
資本金
-
設立
1999年07月