教員の経験にかかわらず、一人ひとりに質の高い日本語教育を 夜間中学発、日本語教育の新モデル 荒川第九中学校のテキスト・ICT教材・対話活動を組み合わせた実践

すららネット

 AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材の開発・提供を行う株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役:湯野川孝彦)が提供する日本語学習ICT教材「すらら にほんご」が、荒川区立第九中学校夜間学級の日本語授業で活用されています。

 同校では、教員それぞれの経験や知見に委ねられていた授業づくりを見直し、日本語テキストとICT教材を連動させた授業計画をもとに、一斉授業、テキスト演習・対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせた授業モデルを体系化しています。教員の経験にかかわらず一定の質を保ちながら、一人ひとりに応じた日本語指導を実践しています。

荒川区立第九中学校夜間学級での日本語授業の様子

日本語教員が不足する中、「誰が担当しても一定の質の授業」が求められている

 日本語指導が必要な児童生徒は年々増加しています。一方で、日本語教育を専門とする教員は限られており、多くの学校では他教科の教員が日本語指導を担っています。

 特に夜間中学には、日本語を学びながら中学校教育を受ける生徒が多く在籍しています。日本語力や母語、学習歴、来日時期などが一人ひとり異なるため、それぞれの状況に応じた指導が求められます。しかし、日本語教育の専門的な知識や経験を持つ教員は限られており、日本語指導の経験が十分ではない教員が担当することもあります。さらに、日本語指導には国語や数学のような学習指導要領がなく、「何を、どの順番で、どのように教えるか」は担当教員の経験やノウハウに委ねられることが多くあります。そのため、担当教員が異動したり交代したりするたびに、授業づくりを一から組み立て直さなければならないケースもあります。

 文部科学省の調査によると、公立学校で日本語指導が必要な児童生徒は8万4,759人(※1)と過去最多となりました。対象となる児童生徒が1人以上在籍する学校は、全公立学校の約4割に上り、日本語指導は全国の学校が向き合う教育課題となっています。

 こうした課題に対し、荒川区立第九中学校夜間学級では、教員個人に蓄積されてきた日本語指導の経験や知見を共有し、担当者が変わっても一定の質の授業を実践できる仕組みづくりを進めてきました。

※1 文部科学省「令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和7年度)」の結果について https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00007.htm

教員個人の経験に頼る授業から、授業の基本となる流れを共有する仕組みへ

 これまで同校では、日本語指導を担当する教員が、それぞれの経験や知見をもとに授業を組み立てていました。そこで、日本語テキストとICT教材の学習内容を対応させた授業計画を作成。一斉授業、テキスト演習・対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせ、基本となる授業の流れを教員間で共有できる形に体系化しました。

 授業計画では、日本語テキストの学習内容と日本語学習ICT教材「すらら にほんご」の学習内容を対応させ、授業で「何を、どの順番で学ぶのか」を明確にしています。また、授業の流れを教員間で共有することで、日本語指導の経験が浅い教員でも、授業全体の見通しを持って指導できるようにしています。

 一方で、すべての教員が同じ授業を行うことを目指しているわけではありません。授業計画と基本となる授業の流れを共有した上で、生徒の理解度や状況に応じた声かけや説明、教材の工夫などは、それぞれの教員が行います。授業づくりの土台を共有することで、担当教員の経験だけに左右されない授業と、一人ひとりに応じた指導の両立を目指しています。

「インプット→アウトプット→定着」を45分の授業で実践

 同校では、45分の授業を「一斉授業」「テキスト演習&対話活動」「ドリル&テスト」の3つのブロックで構成しています。

 最初の20分は一斉授業です。「すらら にほんご」のレクチャー機能を活用しながら、日本語テキストの基礎となる内容を全員で学び、知識をインプットします。

 続く15分は、テキストを使った演習と対話活動です。一斉授業で学んだ内容をテキストで確認するとともに、実際の対話の中で使うことで、学んだ日本語をアウトプットします。この場面では、教員は一方的に教える役割ではなく、生徒同士の対話を促し、必要に応じてサポートするコーチ・モデレーターとして関わります。

 最後の10分は、「すらら にほんご」のドリルやテストに取り組みます。ICT教材を活用することで、一人ひとりが自分の理解度やペースに応じて学習し、学んだ内容の定着を図ります。教員は学習結果を確認し、理解度に応じて次の指導につなげます。

 こうした3つのブロックを組み合わせることで、基礎となる知識を学ぶ「インプット」、学んだ日本語を実際に使う「アウトプット」、一人ひとりの理解度に応じた「定着」までを、一つの授業の中でつなげます。

 また、ICT教材が個別学習や採点、学習履歴の確認などを担うことで、教員は生徒一人ひとりの理解度を把握しやすくなります。採点などにかかっていた時間を、生徒への声かけや補足説明、教材の工夫などに充てることで、生徒と向き合う時間の確保にもつなげています。

知見や経験を共有し、教員の経験に左右されにくい日本語教育へ

~荒川区立第九中学校 夜間学級 歳納隼人教諭~

荒川区立第九中学校 夜間学級 歳納隼人教諭

 日本語指導を担当する先生方からは、「何を、どの順番で教えればいいのだろう」という声をよく耳にします。一方で、学校には長年積み重ねてきた授業の工夫や知見があります。それを担当する先生だけのものにせず、学校全体で共有し、誰もが実践できる形にしたいと考えました。

 ICT教材を導入するだけで授業が良くなるわけではありません。大切なのは、授業の中で何をインプットし、どのように実際の対話につなげ、どう定着させるかです。本校では、一斉授業、テキストを使った演習や対話活動、ICT教材による個別学習を組み合わせ、その流れを授業モデルとして共有しています。

 授業の基本となる流れが共有されていれば、教員は毎回一から授業を組み立てるのではなく、生徒の様子を見ながら声をかけたり、理解度に応じて説明したり、教材を工夫したりすることに時間を使えます。

 私たちが目指しているのは、ベテラン教員の授業をそのまま再現することではありません。 授業の土台となる部分を共有しながら、それぞれの教員が生徒の状況に合わせて工夫を加えられる環境をつくることです。この実践が、日本語指導に携わる先生方にとって、授業づくりを考える際の一つの参考になればと思います。

日本語教育におけるICT教材活用の可能性

 荒川区立第九中学校夜間学級では、「すらら にほんご」を日本語テキストや対話活動と組み合わせ、それぞれの特長を生かした授業づくりを実践しています。同校の取り組みは、ICT教材を授業の中にどのように取り入れ、生徒一人ひとりの学びと教員の指導を支えていくかを示す一つの実践事例です。

 すららネットは今後も、教育現場で生まれるさまざまな実践や工夫を紹介し、日本語指導に携わる教員や学校が、それぞれの課題に応じたICT教材の活用や授業づくりを考える際の一助となることを目指してまいります。

■日本語学習ICT 教材「すらら にほんご」

 「すらら にほんご」は、日本語を学ぶ外国人を対象としたICT教材です。学校で学ぶ児童生徒だけでなく、日本語学校や海外の教育機関、就労を目指す外国人など、幅広い学習者に利用されています。日本語教育分野での取り組みが評価され、第22回日本e-Learning大賞 日本語教育特別部門賞を受賞しています。

 コンテンツは、学習者のレベルに応じて基礎から応用まで段階的に学べる構成となっており、書写機能を使って文字を書く練習も可能です。また、意味を母語で確認しながら学習できるため、初学者でもゼロから一人で学び進めることができます。さらに、アニメーションキャラクターの登場やゲーミフィケーションの要素を取り入れ、学習意欲を高める工夫も多数搭載。世界中どこにいても、正しい発音で日本語を体系的に学べるのが特長です。現在は日本語能力試験のN5、N4、N3レベルに対応しています。2026年7月に対応言語を14言語へ拡大し、20か国以上の外国ルーツを持つ学習者が、母語で日本語を学べる環境を整備しました。2025年から、全国の夜間中学を中心に、学習塾などでも活用が広がっています。

 ・すらら にほんご  https://surala.jp/service/service_other/nihongo/

■株式会社すららネット

 すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念に掲げ、AIを活用したアダプティブな対話式ICT教材「すらら」「すららドリル」などを開発・提供しています。現在、国内の3,100校以上の学校や学習塾で導入され、約26万人の児童生徒が利用しています。全国の公立学校や有名私立学校、大手塾での活用が広がる一方、不登校や発達障がい、経済的困難な状況の子どもたちにも学習機会を届けることで、教育課題の解決に取り組んでいます。2017年には、代表的な EdTech スタートアップ企業として東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場しました。

 ・コーポレートサイト    https://surala.co.jp/

 ・サービスサイト          https://surala.jp/

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会社概要

株式会社 すららネット

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URL
https://surala.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区内神田1丁目14-10 PMO内神田7階
電話番号
03-5283-5158
代表者名
湯野川 孝彦
上場
東証グロース
資本金
2億8965万円
設立
2008年08月