「物価高倒産」前年度比3.4倍増の463件 「価格転嫁難」倒産、増加の可能性

「物価高倒産」動向調査(2022年度)

株式会社帝国データバンク

帝国データバンクは、2022年度に発生した「物価高倒産」について調査・分析を行った。
<調査結果(要旨)>
  1. 「物価高倒産」、2022年度は463件 前年度から3.4倍増
  2. 「価格転嫁難」倒産、少なくとも47件確認
  3. 「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産、9カ月連続で最多を更新


「物価高倒産」、2022年度は463件 前年度から3.4倍増

2022年度の物価高倒産は463件判明し、前年度の136件から3.4倍増加し、初の400件超えとなった。業種別にみると、「製造業」(96件)でトップ。次いで「建設業」(94件)、「運輸・通信業」(83件)、「卸売業」(69件)、「小売業」(58件)と続く。業種詳細別では、「運輸業」(83件)でトップ。以下、「総合工事業」(51件)、「食料品製造」(43件)「職別工事業」(28件)、「飲食料品小売」(27件)が続き、価格転嫁率の低い業種が目立った。


負債規模別にみると、「1億~5億円未満」が205件でトップ。次いで、「1000万~5000万円未満」(84件)、「5000万~1億円未満」(78件)と続く。中規模以上の倒産が目立ち、近時は大型倒産も発生している。



「価格転嫁難」倒産、少なくとも47件確認


要因別にみると、2022年度は、「原材料」が37.4%で最多。次いで、「エネルギーコスト」(23.7%)、「包装・資材」(20.4%)と続く。「原材料」に起因する倒産の多くは、食品関連事業者が目立ち、「エネルギーコスト」に起因する倒産は、運輸業者が大部分を占める。 

2022年度の全国企業倒産は6799件発生。前年度から14.9%の増加となり、リーマン・ショック時の2008年度以来14年ぶりに前年度から800件以上の大幅増加となった。3月単月では800件と急増している。

 個別の倒産事例をみると、コロナ禍で経営体力を消耗している状態が続くなか、最後の追い打ちとして物価高の影響を受け、事業継続を“あきらめる”ケースがほとんどである。そのうち22年度の物価高に起因し、価格転嫁が叶わない、いわゆる「価格転嫁難」倒産は、少なくとも47件確認されている。引き続く物価高の情勢下、価格転嫁率(下記参照)の低い業種を中心に今後の動向が注目される。


「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産、9カ月連続で最多を更新

 政府は3月22日の「物価・賃金・生活総合対策本部」の会合で、2022年度予算の予備費を扱い、2兆円超の追加策を決定した。長期化する物価高の状況下、「物価高」が最後の追い打ちとなる倒産は、増加の一途をたどっている。2023年3月単月の倒産件数は67件と前月より急増し、9カ月連続で最多を更新した。全体の倒産件数も増加傾向で推移するなか、「物価高」による倒産の存在感はより高まっており、今後も増加傾向で推移していくものとみられる。

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業種
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本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月