発達特性をもつ子どもの“困りごと1位「嫌なことは避ける、やろうとしない」親子のストレス構造と支援の方向性を検討【アンケート結果より】

子どもの発達の悩みごとを解消する情報サイト「パステル総研」を運営する株式会社パステルコミュニケーション(本社:東京都豊島区/代表取締役:吉野加容子)は、「子育ての困りごとアンケート2025」を実施。発達タイプ別解析もご紹介致します。99.3%が「困りごとがある」と回答。第1位は「嫌なことは避ける・やろうとしない」51.7%第2位は「不安が強い」50.9%でした。

文部科学省の平成28年度全国調査では、「子育てについて悩みや不安がある」と答えた保護者は、

男性34.0%・女性47.6%で、全体ではおよそ4割強でした。それが令和2年度の調査では、「子育ての悩みや不安を(いつも+たまに)感じる」保護者が69.8%に達し、コロナ禍をはさんで約7割へと大きく増加しています。

パステル総研では、こうした「子どもの行動がわからない」「どう接していいかわからない」というお母さんたちの声を日々受け取っています。特に発達障害グレーゾーンの子どもを育てる家庭では、しつけや関わり方に悩み、試行錯誤を重ねている方が少なくありません。私たちは、子どもの特性や心理の背景を理解し、親子が笑顔で過ごせるようなヒントをお届けすることを目的に活動しています。そこで今回、実際にどのような場面で「子どもの気持ちや行動がわからない」「しつけに困っている」と感じているのかを明らかにするため、独自のアンケート調査を実施しました。

【調査概要】
調査期間:2025年10月4日~10月5日(2日間)
回答者:パステル総研・メルマガ読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー・アンバサダー 計152名
調査方法:インターネット調査

現在お子さんは、困りごとはありますか。

「現在、お子さんに困りごとはありますか?」という質問に対し、99.3%が「困りごとがある」と回答しました。困りごとが「ない」と答えた方はわずか1名でした。つまり、ほとんどのご家庭で何らかの困りごとを抱えていることが明らかになりました。

お子さんの発達タイプは?

混合タイプとHSCタイプが半数近くを占め、特性が明確でないお子さんも少なくないことがわかりました。今回は、「発達に凹凸がある」「感受性が高い」子どもたちが多い層といえます。

子どもの困りごとTOP10

◆困りごとトップ10

151名の保護者が挙げた困りごとを集計したところ、今年のTOP10は次のようになりました。

*複数回答

第1位は「嫌なことは避ける・やろうとしない」51.7%

昨年の第2位「好きなことだけ集中する・嫌なことはやらない」47.2%から表現を変更したところ第1位に。「嫌なこと」は「避ける・やろうとしない」という行動が保護者の方々には、やってほしいことなのにと困られていることが伺えます。

しかし、このような「やらない」様子は、他のもっと興味があることに注意が向いていることもありますが、本当はやりたくてもできないということもあります。理由としては、「失敗したくない」「うまくいくか不安」「できる気がしない」といった気持ちが関係していることが多いです。

また、ADHDやASDなどの発達特性をもつ子は、「やりたくないこと」をするときに、脳がたくさんエネルギーを使います。そのため集中するのが難しく、心と体も疲れやすくなります。

たとえば「得意な教科だけ取り組む」「好きな授業がある日だけ登校する」などのエピソードがあがったように、「安心できることだけに取り組む」行動につながることがあります。

第2位は「不安が強い」50.9%

昨年から順位を上げて2位に。

具体的には、 「学校に行こうとすると体が動かなくなる」「知らない場所に行くのがこわい」など、不安が大きすぎて「動けなくなる」子もいます。この「不安」の強さが、第1位の「やろうとしない」にも関係していることが多いのです。

第3位は「片づけない」44.4%

昨年は「片づけられない」(8位 38.4%)という表現でしたが、今年は「片づけない」として上昇。

子どもは、不注意から他のことに気を取られていたり、「どうやって片づけたらいいかわからない」「次に何をしたらいいかわからない」などの理由で、「片付ける」行動にうつせないこともあります。

たとえば、「宿題が終わっても机の上に出しっぱなし」「使った物を元に戻せない」といった声がありました。このような行動の背景には、注意の切り替えや手順の理解が難しいと言ったことが関係している可能性があります。

第4位は「癇癪・怒りっぽい・思い通りにいかないと怒る」43.7%

2年前は1位だったこの困りごと。今年は4位ですが、引き続き多くの家庭での悩みの声が上がっています。昨年は5位(41.7%)、今年は少し上がって4位(43.7%)になりました。

保護者からは、「ゲームで負けると泣き叫ぶ」「宿題がわからないと物を投げる」といったエピソードがありました。このような行動の背景には、「気持ちの切り替えがうまくいかない」「思い通りにいかなくて爆発する」といった感情のコントロールの難しさがあります。

第5位 「ゲーム・動画がやめられない」40.3%

昨年は1位だったこの困りごと。今年は5位でしたが、約4割のご家庭で今も課題となっていることがわかりました。

「ごはんの時間になってもゲームを続けてしまう」「一人で何時間も続けてしまう」というような声もありました。大人が「もうやめようね」と声をかけても、本人は「やめなきゃ」とわかっていることが多いです。それでもやめられないのは、気持ちの切り替えが苦手だったり、次の行動を始めるエネルギーがわかなかったり、不安やストレスから現実を忘れたいと言った気持ちがあるのかもしれません。

その他の困りごとをご紹介します。

第6位「感覚が過敏または鈍い」39.0% 

昨年と同じ6位に入りました。

第7位「疲れやすい・体力がない」38.4%

第8位「勉強しない・宿題をやらない」「こだわり・マイルールが強い」37.7%

第10位「母がイライラしてしまう」「切り替えができない」35.1%

子どもの行動によって、お母さんがついストレスしてしまうという声も多く寄せられました。

たとえば、「朝の準備が進まず、何度声をかけても動かない →つい 強く言ってしまい、反発されてイライラ」

「やさしく声をかけても動かず、最後は怒鳴ってしまい自己嫌悪(自分を責める気持ち)になる」

など、頑張っているのにうまくいかない親のしんどさも伝わってきました。

一見すると「サボってる」ように見える「やらない」「動かない」「聞いてない」といった行動は、ただのわがままではなく、実は、「不安で体が動かない」「失敗がこわくて前に進めない」「疲れていてエネルギーが残っていない」といった、心の中にある助けてほしい気持ち(=SOS)がかくれていることがあります。

今回よく出てきた困りごとの多くに、「気持ちのコントロールがむずかしい」、「やることの順番がわからない」、「切り替えがうまくいかない」といった課題が背景にあることがうかがわれました。子どもたちは、決して「やりたくないだけ」ではありません。むしろ、「やりたいのにできない」ことで自分を責めていたり、苦しんでいることもあるのです。

◆困りごとは発達タイプによる?

困りごとは「発達タイプ」によって表れ方に違いがありました。

◆自閉症スペクトラムタイプ

自閉症スペクトラム(ASD)タイプでは、第1位「嫌なことは避ける・やろうとしない」と「不安が強い」で、いずれも62%でした。

3位は「感覚が過敏または鈍い(音・匂い・触覚など)」、「片づけない」、「癇癪・怒りっぽい・思い通りにいかないと怒る」が各52%となっています。

この結果から、保護者が日常生活の中で感じている困りごとの背景には、子どもが不安を感じやすい傾向があることがうかがえます。

感覚が過敏だったり、不安を抱きやすかったりすることで、ASDタイプの子どもは周囲の刺激や予定の変化に影響を受けやすい傾向があります。

その影響で、気持ちの混乱や不安が、「怒る」「やらない」「かんしゃくを起こす」といった行動として表れることがあると考えられます。

◆感受性が高く繊細(HSC)タイプ

感受性が高く繊細(HSC)タイプでは、第1位は「不安が強い」73%

2位は「疲れやすい・体力がない」55%

3位は「嫌なことは避ける・やろうとしない」「白黒思考・完璧主義」各52%

5位「感覚が過敏または鈍い」「学校に行っていない・不登校」「打たれ弱く、嫌なことが長引く」各45%でした。

周囲の刺激を敏感に感じ取りやすく、その影響が心身の疲れとして表れているのかもしれません。また、「嫌なことを避ける・やろうとしない」「感覚が過敏または鈍い」といった点では、自閉スペクトラム(ASD)タイプと似た傾向も見られました。

◆混合タイプ

混合タイプでは、第1位「嫌なことは避ける・やろうとしない」61%

2位 「不安が強い」「勉強しない・宿題やらない」51%

3位「片づけない」「癇癪・怒りっぽい・思い通りにいかないと怒る」「切り替えができない」「被害的な受け取り方をする」49%

という結果でした。

こうした「やらない」「怒りっぽい」「切り替えが難しい」といった行動は、もともとの特性として見られる場合もありますが、不安やストレスが重なることで強く現れることがあります。複数の特性が影響し合い、気持ちや行動の調整が難しくなる場面があるのかもしれません。

◆ADHDタイプ

ADHDタイプでは、第1位は「片づけない」「衝動的に行動」57%で、半分以上のADHDの子どもが抱えている困りごとだということが分かりました。

3位は「忘れ物が多い・すぐ忘れる」50%

4位 は「癇癪・怒りっぽい・思い通りにいかないと怒る」「切り替えができない」「計画・ダンドリが立てられない」「約束を守らない・ウソをつく」「母がイライラしてしまう」各43%

「片づけない」「衝動的に行動」「忘れ物が多い」「癇癪・怒りっぽい」など、日常生活の中での行動コントロールや実行機能に関わる困りごとが多く挙げられました。

また、「計画・ダンドリが立てられない」「約束を守らない」「切り替えができない」など、見通しを立てたり行動を切り替えたりする力にも課題が見られています。

さらに、「母がイライラしてしまう」といったママ側のストレスに関する回答も目立ち、子どもの困りごとがママのメンタルにも影響している様子がうかがえます。

◆特性があるかどうか分からないタイプ

特性があるかどうかわからないタイプでは、第1位は「ゲーム動画がやめられない」60%

2位「癇癪・怒りっぽい・思い通りにいかないと怒る」55%

3位「片づけない」「嫌なことは避ける・やろうとしない」50%

5位「母がイライラしてしまう」「チャレンジ精神がない」「学校に行きたがらない」45%でした。

上位に上がった困りごとを見ると、日常の行動面や感情のコントロールに関する難しさが目立っています。 「ゲーム動画がやめられない」は最多で、現実の生活よりもデジタル環境に気持ちが向いている様子がうかがえます。

「癇癪」「怒りっぽさ」「やろうとしない」といった行動の背景には、不安や自信のなさがある可能性もあります。 また「母がイライラしてしまう」という回答も見られ、子どもの困りごとが母親のメンタルに影響を与えていることが考えられます。

◆学年別に見えてきた、困りごとのちがい

子どもの年齢や学年によって、出てくる困りごとは少しずつ変わっていきます。ここでは、未就学児から高校生まで、それぞれの学年ごとの特徴を見ていきます。

◆未就学児(幼稚園・保育園) 14名

◆小学校低学年(1〜3年) 46名

◆小学校高学年(4〜6年) 40名

◆中学生 35名

◆高校生 17名

学年別では、未就学児は“癇癪・不安”、小学生は“やろうとしない”、中学生は“片付け困難・ゲーム依存”、高校生では“疲れやすさ・切り替えの困難”と、成長段階で悩みが変化する傾向が見られました。

どの学年にも共通して見られたのは、「嫌なことを避ける」「気持ちを切り替えられない」「片づけができない」といった、日常生活の中の“つまずき”でした。

詳しい解析、対策等はホームページやNicottoライブにて順次ご紹介いたします。

お母さんだからできること!お家でできるお子さんの困りごとへの対応

今回のアンケートでは、99.3%のお母さんが「子どもに関する何らかの困りごとがある」と回答しました。特に多かったのは、「嫌なことは避ける・やろうとしないこと」、「不安が強い」、「怒りっぽい」といった内容です。

これらの困りごとは、発達障害・グレーゾーンの子どもたちの特性によるものに加え、環境から受けるストレスやプレッシャーの影響が重なっている場合もあります。子どもたちが日々、しんどさを抱えている様子がうかがえます。

お母さんたちの取り組み

では、こうした困りごとに対して、お母さんたちはどのような対応をされているのでしょうか。

アンケートでは、具体的な取り組みとして最も多かったのが、

「子どもができていることを肯定する・褒める」 (86.3%)でした。

続いて、「子どもの話を聞く・共感する」(77.1%)

「子どもを否定しないように気をつける」(67.9%)

「子どもへの声のかけ方を変える」(66.4%)

など、多くのお母さんが家庭の中で工夫をしながら、前向きに関わろうとしている様子が伝わってきます。このように、お子さんの困りごとに対して、お母さんのかかわり方が大きな支えになっていることがわかります。発達障害・グレーゾーンのお子さんにとっては、学校などの集団生活よりも、安心できる家庭の中でのやりとりから学ぶ方が、よりスムーズに力を伸ばせることもあります。

困りごとへの対応を学べる勉強会があれば、参加してみたいですか?

また、「困りごとへの対応を学べる勉強会があれば参加したい」と回答した方は、「無料なら参加したい」50.3%、「有料でも内容によっては参加したい」39.1%と実に89.4%のお母さんが学ぶ意欲を持っていることがわかりました。

そこで今回、お家で実践できる対応方法を、Nicotto!ライブでお伝えする機会をつくりました!

はじめての方は31日間無料でご参加いただけます。気軽に、そして前向きに、一緒に学ぶ機会になりますと幸いです。

<Nicotto!塾サービスご利用方法>

Nicotto!塾は会員限定コミュニティのため、ご利用には会員登録が必要です。

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*月額2980円、サイトからいつでもご自身で解約できます。

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<Nicotto!ライブとは?>

「Nicotto!ライブ」は、発達障害・グレーゾーンの子どもを育てる保護者に向けて、脳科学や教育学、心理学に基づいた最新の子育て情報を発信するオンラインライブです。

毎週水曜12:00〜13:00に開催し、会員限定で見逃し配信も提供しています。

Nicotto!ライブのパネリストは、発達障害グレーゾーンの子を育てる実体験を持ち、脳科学に基づいた子育てを実践してきた専門家たちです。子育ての常識をアップデートし、子どもの可能性を広げる具体的な声かけや対応策を提案します。ライブでは、今すぐ役立つ対応法とあわせて、子どもの脳を育てることで根本的に困りごとを解決する視点をお届けします。

アンケートの概要

◯調査期間:2025年10月4日から10月5日 (2日間)

◯調査方法:インターネット調査

◯回答者数と内訳:152名

◯回答者属性

〇回答者属性 〇お子さんの性別

〇お子さんの学年

■パステル総研とは? https://desc-lab.com/pastel/

子どもの発達に関するグレーゾーンの悩みごとを、大人に持ち越さないことを目指すリサーチ機関です。発達障害やグレーゾーンの正しい理解と対応を伝える事で、子どもたちが生きやすい時代を作るきっかけづくりをしています。パステルのお子さんを抱えるママの声をデータ化して、リサーチ結果を配信し、ママが楽しく子育てできる情報を発信します。ママが困った時はいつでも、頼れるアイデアが湧き出てくる「4次元ポケット」になりたい!という想いで、日々のリサーチと情報発信を行っております。

1日1分! ゼロから学べる 発達障害&グレーゾーンの対応無料メール講座 https://desc-lab.com/maillesson/?pr

記事にするしないに関わらず、情報収集の一環としてお気軽にお問い合わせくださいませ。リサーチ・ご要望・ご相談などもお気軽にお問い合わせください。

【会社概要】

社名:株式会社パステルコミュニケーション

代表者:吉野加容子

所在地:〒170-6045 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 45階

事業内容:子育て講座の運営/発達に関するリサーチ・開発/起業支援事業

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「すべての子どもが健やかに育つ社会」の実現を目指し、関係するすべての人々、関連機関・団体が一体となって取り組む国民運動、「健やか親子21」応援メンバー

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会社概要

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本社所在地
東京都豊島区東池袋サンシャイン60 45階
電話番号
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代表者名
吉野 加容子
上場
未上場
資本金
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設立
2018年08月