旧JR九州本社ビル(日本遺産)活用に関する連携協定を締結
~海峡の旅と日常が結いあわさる。泊まること自体が目的となるマーケット創出型ホテルに再生~
門司築興共同事業体(代表企業:日鉄興和不動産株式会社)は、先般、北九州市が公募した「旧JR九州本社ビル活用事業」の優先交渉権者に選定され、このたび、北九州市と旧JR九州本社ビルに関する売買契約締結を踏まえた所有権移転と併せて連携協定を締結したことをお知らせいたします。

旧JR九州本社ビルは、1937年(昭和12年)に三井物産門司支店として建設された歴史的建造物で、門司港が国際貿易港として隆盛を極めた時代を今に伝えるシンボルの一つです。門司港駅や旧門司三井倶楽部などの歴史的建造物が集積する門司港レトロ地区の入口に位置し、2017年には日本遺産「関門ノスタルジック海峡~時の停車場、近代化の記憶~」の構成文化財にも認定されています。アール・デコスタイルの玄関レリーフや最上階の窓上の彫塑的表現と柱型頂部の勾配による特徴的な外観や、エレベーターホール・階段室などに残る当時の意匠を有するなど高い建築的価値を備え、門司港発展の歴史と文化を象徴する貴重な建築資産です。
■泊まること自体が目的となる「マーケット創出型ホテル」に再生
~門司港を「豊かな生活圏」と「旅の目的地」を両立する場所に~
門司港エリアは、豊かな歴史・文化・景観資源を有する一方、観光は日帰り利用が中心であり、滞在時間の拡大と地域への回遊促進が課題です。この課題解決に向けて、本協定では、旧JR九州本社ビルの活用を通じた①観光にぎわいの創出、②歴史的価値を踏まえた建物の保全、③地域連携を柱としています。
本計画では、これらを具体化するため、建物の歴史と外観を継承しながら、泊まること自体が旅の目的となる「マーケット創出型ホテル」へ再生します。地域固有の価値を新たな体験として再編集し、ホテル・飲食・カルチャー・イベント・自然が重なる複合施設として、新たな滞在とまちへの回遊を創出します。観光と生活が共存する拠点として、門司港・関門エリアの持続的な価値向上に貢献します。
■コンセプト:海峡の旅と日常が結いあわさる。
~本計画と駅前広場が門司港のリビングルームとなり人が集う風景を創出~
本計画は、観光と暮らし、特別な日と日常が自然に交わる場所を目指します。駅前広場から建物内へと連続する地域に開かれた空間と、門司港の歴史・文化・景観を深く体感できる滞在空間を備え、宿泊者だけでなく地域の人々も日常的に訪れたくなるホテルへ再生します。
特徴1)街の人とホテルゲストが混じり合う地域に開かれたパブリックなスペース
1階には、宿泊者以外も気軽に訪れられる内部ストリートを設け、門司港の歴史や文化に着想を得た飲食・カフェ、カルチャー等の店舗を配置します。テラスや駅前広場と一体となったイベントを通じて、旅行者と地域住民が自然に集い、滞在する風景を創出。屋上階には、関門海峡を望むビオトープ、サウナを備え、日常から非日常へつながる多様な居場所を形成します。
特徴2)門司港の記憶に新たな美意識を重ねるデザイン
インテリアデザインには、SOIL Nihonbashi HotelやPortside Inn Hakodateのインテリアを手がけてきたStapleのデザインユニット「staple studio」と、北九州市出身・門司育ちで、1997年の渡米以降、ロサンゼルスで活動するWAKAWAKAの奥田慎一郎氏が共同で担当します。旧JR九州本社ビルの元設計者:松田軍平が生み出した規則的な構造(秩序)に、海外で培った感性と柔らかなデザイン(情緒)を重ね「秩序と情緒」を融合。さらに、日本的な素材や美意識を再解釈し、「西洋と東洋」が交わる門司港らしい空間を創出します。港や鉄道を通じて国内外の文化を受け入れてきた土地の記憶と歴史的建築の価値を未来へ継承し、ここでしか味わえない滞在体験を提供します。



※掲載パースは計画段階のイメージです。変更となる可能性があります。

特徴3)門司港の歴史と文化を深く体感する客室
2階から6階には、既存躯体や建物の平面構成を活かした客室を計画しています(全97室、客室面積19㎡~46㎡)。建物が受け継いできた歴史や素材感と現代的な快適性を融合し、門司港の文化や時間の積層を感じられる客室空間を実現します。

■日本遺産の建築的価値を未来へ継承
本計画では、日本遺産として評価されている建物の歴史的価値を継承するため、特徴的な外観や意匠を可能な限り保存・復元しながらホテルへ再生します。過去の改修によって失われつつあった縦型デザインや大理石などの意匠を再評価し、当時の建築的特徴の再現を図ります。改修にあたっては、外壁の花崗岩や黒御影石、エントランスホールの梁・柱型など歴史的な意匠を活かしながら現代的な機能を付加し、安全性・利便性の向上と歴史的価値の保存の両立を目指します。

■ホテルを起点に、観光にぎわいをまちへ広げる
ホテル内に閉じたにぎわいではなく、駅前広場、地域と連携し、朝市、屋外シネマ、音楽イベントなど、門司港の日常に根づく企画を継続的に展開する予定です。本事業を、地域で暮らす人々、門司港に継続的に関わる関係人口、国内外から訪れる観光客の3層が自然に交わる場とし、交流を通じて新たな地域との関わりが生まれる仕組みを育てます。こうした人々の交流を通じて、門司港から関門海峡、小倉を含む北九州全体への回遊と消費の拡大を目指します。
※掲載パースは計画段階のイメージです。変更となる可能性があります。
ホテルを門司港・関門エリアへの回遊の起点とすることで「豊かな生活圏」と「旅の目的地」の両立を図り「世界の持続可能な観光地TOP100(GreenDestinations)」に選出された関門エリアのさらなる価値向上にも貢献します。
なお、本計画は、先般、観光庁の「令和8年度 廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業」に採択されています。旧JR九州本社ビルの再生を核に、周辺の廃屋等の撤去・再生や地域資源の活用を進め、地域の魅力とにぎわいを取り戻す持続可能なまちづくりに繋げます。

■「門司築興(もじちっこう)共同事業体」構成について
「門司築興」は、世界に開かれた玄関口を創出する門司開港を支えた門司築港会社の志に着想を得た名称です。旧JR九州本社ビルの再生を起点とした門司港が次の時代に担うべき役割・価値・活力の再定義を通じて「築き」、もう一度この地を「興す」思いを込め、実現可能なメンバーで事業体を構成しています。

加えて、九州旅客鉄道株式会社が協力企業として参画します。今後、同社を含む関係者との連携により、門司港エリアのさらなるにぎわい創出に取り組んでまいります。
<共同事業体 各社代表者コメント>
日鉄興和不動産株式会社:代表取締役副社長 吉澤 恵一
北九州市は日本製鉄をルーツに持つ当社にとってゆかりの深い地です。八幡東田や高見開発をはじめ地域と共に歩んできた責任として、歴史的資産である本建物の価値を未来へ引継ぎます。泊まること自体が旅の目的となる『マーケット創出型ホテル』として地域の皆様と共に育て、門司港から北九州全体へにぎわいを拡げてまいります。
株式会社Staple:代表取締役 岡 雄大
建物の歴史を受け継ぐ設計者、門司で育ち世界で活動するデザイナー、地域に根ざす事業者。この顔ぶれ自体が、過去と未来、ローカルと世界を結んでいます。私たちがつくりたいのも、海峡の暮らしと旅人が出会い、新たな関係が生まれるホテルです。時代や文化、人と人をつなぐ結節点を、地域の皆さんと育てていきます。
株式会社松田平田設計:代表取締役社長 江本 正和
創業者・松田軍平が設計した旧三井物産門司支店が、約90年の時を経て新たな役割を担うことに、深いご縁と責任を感じています。私たちはコンバージョンの設計監理を通じて、この歴史的建築の価値を未来へつなぎ、ホテルとしての新たな魅力を創出することで、北九州市と共に門司港の持続的なにぎわいづくりに貢献してまいります。
株式会社YMFG ZONEプラニング:代表取締役 藏重 嘉伸
当社は山口フィナンシャルグループの地域共創部門として、まちづくりを通じた地域活性化に取り組んでいます。門司港の歴史と歩んだ本建物が、地域と旅行者が集う場へ生まれ変わることは大きな意義があります。皆さまと同じ船に乗る「同舟共命」の想いで、本施設を起点に門司港・関門エリアへにぎわいと経済の好循環を広げてまいります。
■物件概要
・物件所在:北九州市門司区西海岸1-6-2(JR「門司港」駅 徒歩1分)
・土地概要:1,323.33㎡(400.31坪)/商業地域(容積率400%・建蔽率80%)
・建物概要:鉄骨鉄筋コンクリート造6階建て(延床5,635.45㎡)・1937年竣工(築89年)
・再生用途:ホテル・飲食 等
・着工予定:2028年6月
・竣工予定:2029年9月
・開業予定:2030年1月
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