社会人1万人の「残業」実態調査
84%が「残業の有無や平均時間等が転職活動における企業選びに影響する」と回答。ー『エン転職』ユーザーアンケートー
※2018年~2023年オリコン顧客満足度調査「転職サイト」ランキング総合1位(https://career.oricon.co.jp/rank-job-change/)
調査結果 概要
★ 84%が「残業の有無や平均時間等が転職活動における企業選びに影響する」と回答。
★ 自社の残業時間の増減傾向、半数が「変わらない」と回答。残業時間が増加傾向の業種は「コンサルティング・士業」。減少傾向は「メーカー」。
★ 残業時間の増加理由は「人手不足」、減少理由は「企業の残業制限」が最多。
★ 中小企業で働く人の「月60時間を超える残業代の割増率が50%に引き上げ」、「知っている」人は4割弱に留まる。引き上げを「良いと思う」人は80%。
調査結果 詳細
1:84%が「残業の有無や平均時間等が転職活動における企業選びに影響する」と回答。(図1~3)
「転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?」と伺うと84%が「影響する」(とても影響する:49%、少し影響する:35%)と回答しました。年代別で見ると、20代、30代は半数以上が「とても影響する」(20代:55%、30代:56%)と回答しています。また男女別では、男性が44%に対し、女性は54%と10ポイントの差がありました。女性のほうが残業の有無や平均時間等が企業選びに影響することがわかります。具体的なコメントも紹介します。
【図1】転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?
【図2】転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?(年代別)
【図3】転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?(男女別)
「とても影響する」「少し影響する」と回答した方のコメント
・基本的には「その環境で本当に自分自身をスキルアップさせられるか」を重要視しますが、やはり残業の平均時間も少し見ます。平日であっても家族と少しでも一緒にいられる時間を確保したいからです。(23歳男性)
・残業が前提になっていて、みなし残業代を超えないようタイムカードを切らされる職場で働いていました。社員のモチベーションが低く、たいへん働きにくい環境だったため、次の転職先は残業がほとんどなく、ある場合も正当に賃金が支払われる会社に転職したいという意思があります。(27歳女性)
・子供がいたり、ペットを飼っていて一人暮らしの場合、残業は難しい。残業無し、もしくは月20時間までで探す場合が多い。残業が月20時間以上ある職場は基本的に選ばないです。(41歳女性)
「あまり影響はない」と回答した方のコメント
・残業に対しての対価が適正であれば全く問題はないです。(25歳男性)
・自分のしたい職に就けていたら嫌な残業も耐えられると思うので、企業選びには影響はしないと思います。(30歳女性)
・残業をしてでも割増賃金を貰えたほうが個人的にはありがたいので、勤務時間等の少なさを売りにしている企業にメリットはあまり感じません。(42歳男性)
2:自社の残業時間の増減傾向、半数が「変わらない」と回答。残業時間が増加傾向の業種は「コンサルティング・士業」。減少傾向は「メーカー」。(図4、5)
「ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?」と伺うと、「変わらない」が50%と半数を占めました。「増加傾向」(26%) と「減少傾向」(24%)はほぼ同率となっています。業界別で残業時間が増加傾向だったのは、「コンサルティング・士業」(36%)が最多で、次いで「商社」「サービス(飲食・教育・福祉など)」「マスコミ・広告・デザイン」が同率28%で続きます。一方、減少傾向の業種は「メーカー(機械・電気・電子など)」(32%)が最多。次いで「メーカー(素材・食品・医薬品・アパレルなど)」、「運輸・交通・物流・倉庫」が同率で28%でした。
【図4】ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?
【図5】ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?(業種別)
3:残業時間の増加理由は「人手不足」、減少理由は「企業の残業制限」が最多。(図6、7)
残業時間の傾向について、具体的な理由を伺いました。残業時間が「増加傾向」と回答した方の理由は「人員が足りないため」(75%)が最多。次いで「仕事量が増えたため」(67%)が続きます。残業時間が「減少傾向」と回答した方の理由は「残業が制限されたため」(42%)が最多でした。
【図6】ここ数年で、残業時間が「増加傾向」と回答した方にお伺いします。その理由を教えてください。(複数回答可)
【図7】ここ数年で、残業時間が「減少傾向」と回答した方にお伺いします。その理由を教えてください。(複数回答可)
4:中小企業で働く人の「月60時間を超える残業代の割増率が50%に引き上げ」、「知っている」人は4割弱に留まる。引き上げを「良いと思う」人は80%。(図8、9)
2023年4月から法律が施行され、中小企業で働く人の「残業代が引上げ(60時間超)」になったことについて伺うと、「知っている」は39%(内容も含めてよく知っている:9%、概要だけ知っている:30%)と、全体の4割弱に留まりました。引上げについては、8割が「良いと思う」(とても良いと思う:47%、良いと思う:33%)と回答しています。一方で、引き上げが「良くないと思う」(とても良くないと思う:1%、良くないと思う:8%)という声も1割弱ありました。それぞれ、具体的なコメントも紹介します。
【図8】2023年4月から中小企業で働く人の「月60時間を超える残業代の割増率が50%に引き上げ」になることをご存知ですか?
【図9】「残業代の割増賃金率の引き上げ」について、どう思いますか?
「とても良いと思う」「良いと思う」と回答した方のコメント
・規定ができれば、遵守しなければいけないし、60時間未満におさえるよう企業側も対策してくれれば、より働きやすくなると感じました。(25歳男性)
・大手企業は以前から対応していたと思うので、統一されるのはいいことだと思う。(32歳女性)
・企業としては生産性を上げるチャンスだといえるし、従業員側としては、手取りアップかワークライフバランスを重視するか、見直すきっかけになると思う。(44歳男性)
「良くないと思う」「とても良くないと思う」と回答した方のコメント
・賃金が上がるなら多少の残業は我慢すべきという、残業の常在化に拍車をかけてしまいかねないような危ない雰囲気を感じる。(27歳女性)
・残業代を稼ごうとして、わざと非効率な仕事の進め方をしてしまう人が出てくる可能性があるから。(33歳女性)
・無理にでも定時内で仕事を終わらせようという動きになると、業種によっては提供するサービスや商品の質が低下してしまうのではないか。(42歳男性)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
■調査期間:2023年2月22日~3月28日
■有効回答数:12,940名
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