蛍光型青色材料を用いた積層型発光層技術が、世界最大のディスプレイ学会SIDの「Display Component of the Year Award」を初受賞
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明、以下「当社」)が開発した蛍光型青色材料を用いた積層型発光層素子の技術が、Society for Information Display(以下「SID」)が主催する2026年度「Display Industry Awards」※1において「Display Component of the Year Award」※2を初めて受賞しました。本技術は研究段階にとどまらず製品化され、社会実装が進んでいる点が、ディスプレイ産業への大きな貢献として高く評価されました。
※1 Display Industry Awards:2025年に市場投入された最も優れたディスプレイ製品・技術を表彰する賞。
※2 Display Component of the Year Award:Display Industry Awardsの部門賞の一つ。ディスプレイ材料分野の技術を対象とした賞。

本技術は、有機EL素子分野において世界最高水準※3の発光効率と長寿命化を実現する素子設計・実装技術です。本技術を採用した有機ELディスプレイは、従来の単層発光層を採用した有機ELディスプレイと比べて、消費電力を約20%削減できます。これにより、スマートフォンなどのモバイル機器のバッテリー駆動時間の延長や、ディスプレイの省電力化に寄与します。
本技術は、2022年、2025年の「Display Week」において最優秀論文に選定されるなど、研究段階から高い評価を得てきました。今回、製品化を経て社会実装が進んだ点などが評価され、「Display Component of the Year Award」を受賞しました。
当社は今後も、有機 EL材料の開発を通じて、有機EL素子およびディスプレイのさらなる高性能化と省電力化に貢献します。
■有機ELの発光の仕組みについて
有機ELは、電流を流すことで発光材料となる有機物が一時的に高エネルギー状態(励起子)になり、その後、元の状態に戻る際に光を放つ仕組みです。実際に光が生まれる層を「発光層」と呼びます。この発光層を、電流の流れを調整する複数の薄い層と組み合わせたものを「有機EL素子」と呼びます。
■積層型発光素子の技術について
積層型発光層素子は、蛍光型素子※4の発光過程において、電荷再結合とTTF※5が生じる領域を分離することで発光ロスを抑え、発光効率の向上と長寿命化の両立を可能とする素子設計・実装技術です。

■性能概要
方式 :積層型発光層を用いた青色蛍光有機EL素子
LT95※6 :200 時間以上(電流密度 50 mA/cm2 の駆動条件の結果)
発光効率:350(Cd/A/CIE-y)(電流密度 10 mA/cm2の駆動条件の結果)
発光色度:(0.14, 0.042)(CIE1931 色度座標)
※3当社調べ(2025年5月)。
※4蛍光型素子:有機EL素子の方式の一つ。電気によって素子内の有機物が高エネルギー状態(励起子)になるが、そのうち一重項励起子を発光に利用する方式。
※5 TTF:Triplet-Triplet Fusion(三重項-三重項融合)の略。三重項励起子同士の衝突により一重項励起子が生成される過程。蛍光型素子で利用されない三重項励起子を発光に利用することで効率を向上。
※6 LT95:初期の明るさが5%減少するまでの連続点灯時間。
【参考】
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