【開催報告】　旧松尾鉱山新中和処理施設40周年記念シンポジウム

「北上川から、環境新時代を考える～明るい未来へとつながる、SDGs・カーボンニュートラルの時代へ～」

　JOGMEC（本部：東京都港区、理事長：細野　哲弘）は、2022年9月13日（火）に、旧松尾鉱山新中和処理施設40周年記念シンポジウムを岩手県盛岡市のいわて県民情報交流センター（アイーナ）にて開催しました。
　本シンポジウムでは、「明るい未来へとつながる、SDGs・カーボンニュートラルの時代へ」をテーマとし、旧松尾鉱山の歴史や長年にわたる新中和処理施設の維持管理を振り返りながら、清流を取り戻した北上川よりもたらされる豊かな自然環境の大切さについて理解を深めました。また、我が国における金属鉱山が辿ってきた経緯やその環境保全の取り組みのほか、カーボンニュートラル社会における金属資源の役割について、専門家による基調講演やパネルディスカッションが行われ、「資源開発」と「環境保全」を両立することの重要性を発信し、未来へつながるSDGsの時代に向けた取り組みについて考える機会となりました。

　JOGMECは、2022年9月13日（火）に、旧松尾鉱山新中和処理施設40周年記念シンポジウム「北上川から、環境新時代を考える～明るい未来へとつながる、SDGs・カーボンニュートラルの時代へ～」を開催しました。

写真左から細野理事長（JOGMEC）、のん 女優・創作あーちすと、 八重樫副知事（岩手県）、納会長（日本鉱業協会）

　旧松尾鉱山は、かつて東洋一の規模を誇る硫黄鉱山でありました。操業当時は、我が国の経済発展への貢献は大きかったものの、鉱山開発により坑内から膨大な量の坑廃水が流出し、北上川を汚染する深刻な社会問題を惹起しました。このような状況の中、岩手県は国に対して北上川水質汚濁防止の恒久対策を請願し、当時の通商産業省、建設省、自治省、林野庁、環境庁が中心となって対策の検討を進め、新たに中和処理施設を建設すること、また本施設をJOGMECの前身組織による維持管理とすることが決定されました。

　JOGMECが旧松尾鉱山新中和処理施設の維持管理を実施するようになり、40年が過ぎました。この間、岩手・宮城内陸地震や東日本大震災といった大きな災害もありましたが、それでも事故や操業支障を起こすことなく、今日まで流域の環境保全に貢献することができました。

　本シンポジウムは、この40周年を記念し、旧松尾鉱山での坑廃水処理事業を振り返りながら、環境新時代を考える機会とし、「資源開発」と「環境保全」の両立の重要性を広く伝えるため開催したものです。

　開催にあたっては、感染症対策を徹底し、約200名の方々にご参加いただいたほか、オンラインでも500名の方にご視聴いただきました。

会場の様子

　シンポジウムでは、岩手県八重樫副知事や日本鉱業協会納会長にご参加いただき、はじめにJOGMECの活動に対する感謝状の授与を賜ったほか、旧松尾鉱山新中和処理施設における鉱害防止事業や持続的な資源開発をテーマとして、3つの基調講演を行いました。

　また、特別ゲストとして女優・創作あーちすとののんさんをお迎えし、金属資源の重要性や持続的な資源開発のあり方をはじめ、北上川の現状や環境保全活動をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、北上川の利活用や昨今注目されるカーボンニュートラルにおける金属資源の役割などについて活発な意見交換が行われ、SDGsの重要性と達成に向けた取り組みについて考える機会となりました。

　その他、サイドイベントでは、旧松尾鉱山の歴史や新中和処理施設についてパネルや模型によりわかりやすく解説したほか、非鉄金属資源各社のSDGsに関する取り組みや地元小学校における環境保全活動についてもパネルで紹介しました。また、北上川を利用した活動や地域物産の展示により、地元での活動をより身近に感じていただくコーナーも設置し、多くの方々から高い関心が寄せられました。

　JOGMECは、この旧松尾鉱山での坑廃水処理事業の意義を大切にし、未来へつながるSDGsの取り組みとして、引き続き北上川流域の豊かな自然環境を維持するため、新中和処理施設の維持管理に全力を挙げてまいります。

■「旧松尾鉱山新中和処理施設40周年記念シンポジウム」開催報告
https://prtimes.jp/a/?f=d12624-20221006-8b66713256cbd624ee7feea0c0da9887.pdf

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