AI・コンピュータビジョン分野における世界最高峰の国際会議「CVPR 2025」の競技会「SoccerNet GSR Challenge」にて世界4位入賞

~Playboxとの協業による研究開発。サッカーの試合映像から「状態認識」を高精度に自動推定~

株式会社MIXI

 株式会社MIXI(東京都渋谷区、代表取締役社長 上級執行役員 CEO:木村 弘毅)は、AI・コンピュータビジョン分野における世界最高峰の国際会議である「CVPR 2025」のコンペティション「SoccerNet Challenge(Game State Reconstruction)」(※1)(以下SoccerNet GSR Challenge)において、世界4位に入賞したことをお知らせいたします。

 なお、本コンペティションには、株式会社Playbox(東京都千代田区、代表取締役 CEO:スコット アトム、以下Playbox)との協業を通じて研究開発をおこない、共同で出場しました。

 CVPR(※2)は、AI・コンピュータビジョン分野における世界最高峰の国際会議のひとつであり、画像認識技術に関するトップ研究者が集う最大規模の学会です。このCVPRに併設される競技会として、サッカーの試合映像を用いて「状態認識(Game State Reconstruction)」の自動化に向けたAI技術を競う「SoccerNet GSR Challenge」が、2021年以降毎年開催されています。

 当社の開発本部AIモデリンググループは、2024年12月にPlayboxと協業し、スポーツ映像のAI解析のほか、トラッキングやイベント検出などのデータを活用した分析基盤の構築に向けた研究開発に取り組んでおり、本年度の「SoccerNet GSR Challenge」には共同で出場しました。世界中から76チーム(※3)が参加し、論文提出には高精度な解析が求められる中で、当社とPlayboxの共同チームは世界4位の評価を獲得しました。

■研究開発の概要

 サッカーの試合映像から、各人物の役割(フィールドプレイヤー、ゴールキーパー、審判など)や位置情報などを把握する状態認識(GSR)は、2Dビューで試合状況を再構築するタスクであり、戦術分析やプレー評価において非常に重要な技術です。GSRを実現するためには、フィールドや人物検出、選手の識別(所属チーム・背番号)、選手のトラッキング、位置関係の推定など、複数のAI技術の組み合わせが必要であり、実用化に向けてはそれぞれの技術改善が求められています。

 今回の取り組みでは、より高精度なディープラーニングモデルや幾何学的推論(カメラキャリブレーション)、さらにはサッカーのルールや選手役割に基づくドメイン知識(例:ゴールキーパーは主にゴールエリア付近に位置する/審判は選手と類似する色のユニフォームを着ている場合もある など)を活用したヒューリスティック最適化を統合することで、既存手法を大きく上回る精度の向上に成功しました。

■今後の展望

 今回提示した解析パイプラインによって、サッカーの試合映像から「誰が、どのチームに所属し、背番号は何番で、どのような役割で、ピッチのどこにいるのか」といった詳細な情報を、高精度に把握することが可能になりました。特に、カメラの動きに応じてピッチ上の位置推定をおこなう「カメラキャリブレーション」においては、認識精度が大きく向上し、国際ベンチマークでも高い評価を得ています。
 一方で、高精度な状態認識(GSR)を実現する技術はまだ発展途上にあり、今後は選手の役割やチーム分類の精度向上、背番号識別のさらなる安定化などに改善の余地が残っています。また、現在の解析パイプラインは処理に時間を要する課題もあり、今後は並列化と推論最適化を進めることで、より高速かつ効率的な処理を実現し、実用性を高めていく予定です。将来的には、サッカー特有のドメイン知識をAIに深く学習させ、より人間のように状況を理解し解析できるシステムの実現を目指してまいります。

 本取り組みを通じて得られた知見と技術は、スポーツの戦術分析やトレーニング、そしてファン体験の向上にも応用できると考えています。より高度な分析技術の実現に向けて研究開発を進めていくとともに、当社ならではのAIを活用した技術革新で、コミュニケーションに新たな付加価値を創出することを目指してまいります。

■「SoccerNet GSR Challenge 2025」参加メンバーによるコメント

・株式会社Playbox 代表取締役 CEO スコット アトム 氏

Playboxは、『人の動きを計算可能にする』というビジョンのもと、AI技術を活用し、スポーツの可能性を広げる挑戦を続けています。今回の成果では、公開データのみで昨年の非公開データ利用時以上の精度を達成することができ、AIスポーツ解析技術が凄まじいスピードで進化していることを実感しました。今後もPlayboxは、より多くの方々に高度で面白いデータを届け、スポーツの価値を高めるプロダクトやビジネスを創出してまいります。最後になりますが、協業いただいたMIXI様をはじめ、多くの関係者のご支援に心から感謝申し上げます。

・株式会社MIXI 開発本部 たんぽぽ室 AIモデリンググループ マネージャー 渡辺 莉央

MIXIでは、開発本部を中心に、コンピュータビジョン技術を活用した映像解析の可能性を探求し、スポーツ分野におけるAI技術の応用に取り組んでいます。今回、Playbox様との共同研究を通じて、サッカーの試合映像から選手の役割や位置関係を自動で推定するという非常に難易度の高いタスクに挑戦し、本大会で世界4位という成果を得ることができました。今後も私たちはAI技術を通じて、戦術分析といったスポーツ現場での実用化に加え、より豊かな観戦体験を生み出す技術開発に取り組んでまいります。

 

■株式会社Playboxについて

株式会社Playboxは、「人の動きを計算可能にする」技術を軸に、人や組織の意思決定や行動を支援し、人とテクノロジーが共創する未来を目指す筑波大学・名古屋大学発のスタートアップです。自動撮影・編集を手軽に実現するAIスポーツカメラ『Playbox』をはじめ、スポーツの枠を超えた多様な領域で高度な映像解析・AI技術を社会実装してまいります。

設立:2024年11月28日

所在地:東京都千代田区神田和泉町1-6-16 ヤマトビル405

代表者:スコット アトム

会社サイト:https://www.play-box.ai/

※1)SoccerNet Challenge(Game State Reconstruction):SoccerNetが主催する「Game State Reconstruction(GSR)」タスクに関する国際的な競技会です。サッカーの試合映像を用いて「状態認識(GSR)」の自動化を目的とした高度なAI技術が競われます。GSRはスポーツのデータ解析や戦術分析に広く応用可能な注目のテーマであり、産業界からも高い関心が寄せられています。

※2)CVPR(The IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition):コンピュータビジョン、人工知能、機械学習、および関連分野の研究開発において、業界最先端の研究成果が発表される世界最高峰の国際会議。

※3)SoccerNet のリーダーボードに表⽰された参加数に基づく。

■株式会社MIXI < https://mixi.co.jp/ >

MIXIは、「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」というパーパス(存在意義)のもと、「mixi」や「モンスターストライク」、「家族アルバム みてね」、「TIPSTAR」など、友人や家族間で一緒に楽しむコミュニケーションサービスを提供しています。私たちが大切にしている"ユーザーサプライズファースト"の精神のもと、当社のミッションである、ただつながるのではなく、濃く深い、より豊かなコミュニケーションを生む「心もつながる」場と機会を創造し続けることで、感情豊かな心の通い合う社会の実現に貢献してまいります。


※MIXIの名称、これに関連する商標およびロゴは、株式会社MIXIの商標および登録商標です。

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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア36階
電話番号
-
代表者名
木村 弘毅
上場
東証プライム
資本金
96億9800万円
設立
1999年06月