FIP制度を活用した風力発電所によるコーポレートPPAの開始
〇住友商事株式会社(以下、「住友商事」)、東日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR 東日本」)、住友商事グループの株式会社サミットエナジー(以下、「SE」)およびJR東日本グループの株式会社JR中央線コミュニティデザイン(以下、「JRCCD」)の4社は、再生可能エネルギーによるカーボンニュートラル社会実現の達成に向け、風力発電所由来の電力の売買取引を行うオフサイト型コーポレート PPA(*1)の取り組み(以下、「本取り組み」)を共同で開始します。 〇本取り組みの開始により、2023年10月から、JRCCDが運営する商業施設の使用電力が、実質再生可能エネルギー100%となります(80%~90%が生グリーン電力(*2))。 〇固定価格買取制度(FIT)(*3)からフィード・イン・プレミアム(FIP)(*4)に移行した風力発電所由来の電力による、オフサイト型コーポレートPPAの取り組みは国内では初の取り組みとなります。 |
1.本コーポレートPPAの概要
住友商事グループのサミットウインドパワー鹿嶋風力発電所で発電した再生可能エネルギー電力の一部を、SEを経由してJRCCDが運営する商業施設へ供給します。不足する電力は、非化石証書(*5)を活用した電力を供給することにより、JRCCD商業施設の使用電力は実質再生可能エネルギー100%とみなすことができます。
本取り組みのような、オフサイト型コーポレートPPAは再生可能エネルギー電源の電力市場への統合が促進されるほか、より各需要家(電力の使用者)のニーズに合わせた再生可能エネルギー由来電力の供給が可能となり、従来のFIT制度では実現できなかったスキームといえます。
太陽光発電では、FIP制度への移行によるオフサイト型コーポレートPPAへの取り組みが広がってきていますが、風力発電では発電量予測の難易度が高いことから、同様の取り組みは行なわれていません。本取り組みは、住友商事グループの電力ビジネスを通じて蓄積したノウハウ・実績を活用して実現します。
*1 オフサイト型コーポレートPPA:オフサイトは、電力を利用する場から離れた敷地に発電設備を設置する仕組み。発電した電力は、送配電ネットワークを経由して需要家のもとに届けられる。PPAは、Power Purchase Agreementの頭文字を取った略称で、発電事業者や小売電気事業者と需要家(電力の使用者)との間で行われる、再生可能エネルギーの発電・電力売買するための電力契約のこと。
*2 生グリーン電力:再生可能エネルギー電源から需要家に直接供給される電力のこと。
*3 固定価格買取制度(FIT):再生可能エネルギーを用いて発電された電力を、国が定める価格で一定期間、電気事業者が買い取ることを義務付けるもの。
*4 フィード・イン・プレミアム(FIP):再生可能エネルギーの発電業者に対して電力を販売した時の価格に一定の補助額(プレミアム)を付与することで、事業者の投資インセンティブを促し、再生可能エネルギーをさらに普及促進することが目的の制度。卸売電力市場もしくは各需要家に対し直接電力を販売する。
*5 非化石証書:再生可能エネルギーなどのCO2を排出しない電気が持つ環境価値を取り出し証書化したもの。非化石証書を組み合わせた電気は、発電する過程でCO2が排出されない電気として取り扱うことができる。
2.本コーポレートPPAの導入について
(1)導入開始時期
2023年10月(予定)
(2)導入箇所
JRCCDの運営する商業施設として、nonowa武蔵境(EAST・WEST)※、ののみちサカイ(武蔵境東西駅間高架下店舗)、nonowa東小金井※、nonowa武蔵小金井(WEST・SOUTH・ムサコガーデン)※一部除外店舗があります。
(3)導入効果
電力使用によるCO2排出量実質ゼロ
3.風力発電所の概要
4.各社の取り組みについて
(1)住友商事
2050年のカーボンニュートラル化達成を長期目標として定めており、再生可能エネルギーの供給を、持ち分発電容量ベースで2030年までに5GW以上を目指す中期目標を掲げています。住友商事は、長年国内外で培ってきた電力事業の知見を生かし、風力・水力・太陽光・地熱などの再生可能エネルギーによる発電や、水素・アンモニアなどのカーボンフリーエネルギーの開発・展開を進め、持続可能な社会の実現に貢献します。
(2)JR東日本
環境長期目標「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を策定し、グループ一体となって2050年度のCO2排出量「実質ゼロ」に挑戦します。これにより「脱炭素社会」への貢献とともに、環境優位性のさらなる向上と、サスティナブルな社会の実現を目指します。当社は、使用する電力を購入するほか、自ら保有する火力や水力の発電所・グループ会社とともに開発した再生可能エネルギープラントで発電し、自営電力網を活用して送電しています。これら「つくる~送る・ためる~使う」までのエネルギーネットワークのすべてのフェイズで新たな技術を積極的に導入し、CO2排出量の削減を図ります。
(3)SE
長年にわたり発電・需給管理・小売を一貫して行い、お客様に安全で安定した電力を供給しています。また、従来より取り組んできた再生可能エネルギー供給を更に増加させることで、地球環境への負荷を軽減します。加えて、再生可能エネルギー発電所を束ねるアグリゲーション技術を用いたインバランス最小化の仕組み(再エネアグリゲーション)の活用、異なる再生可能エネルギーソースから電力を収集し、効率的に調整・分配し、電力供給システムの安定性を今後も高めていきます。
(4)JRCCD
「ここにしかないくらしをつくる」という経営ビジョンのもと 、地域に根差したサービスの提供と持続可能な地域独自の魅力づくりを行っています。本取り組みでは、JR東日本グループの商業施設としては初めて再生可能エネルギーを導入し、駅を利用される方や地域の皆さまとともに「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の実現を目指します。
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