野村不動産グループ 23年連続グッドデザイン賞受賞
循環する森づくりや子ども達の「街の思い」を育むプログラムなど4プロジェクトが受賞
野村不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:新井聡、以下「当社」)と野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:松尾大作、以下「野村不動産」)は、公益財団法人日本デザイン振興会主催「2024年度グッドデザイン賞」を受賞いたしましたのでお知らせいたします。本年度の受賞で、野村不動産グループの「グッドデザイン賞」受賞は23年連続となりました。
本年度は、東京都・奥多摩町の森林を取得し、東京の自然と都市を舞台に、自然環境と人間活動を総合的に取り扱う「ランドスケープアプローチ」で社会課題の解決を目指す『「森を、つなぐ」東京プロジェクト』や、小学校の総合学習から始まり、様々なイベントを通じて子どもたちの「街の推し」を伝え合う『シビックプライドを醸成する取組 「街の推し応援活動」』など、当社と野村不動産合わせて4プロジェクトが受賞しております。今後も野村不動産グループでは、人や街が大切にしているものを活かし、「未来(あした)につながる街づくり」を通じて、社会に向けた新たな価値を創造してまいります。
1. 「森を、つなぐ」東京プロジェクト(一般向けの取組み・活動)
【概要】
東京の自然と都市を舞台に、気候変動や生物多様性の損失、森林放置等の社会課題を解決するためのプロジェクト。東京都・奥多摩町の森林(つなぐ森、実測約130ha)を取得し、木材の地産地消や端材等の有効活用を目指した循環する森づくりを実施。東京の自然と都市が抱える社会課題を、事業活動を通して解決する過程をデザインし、地元行政・地域団体・大学・民間企業との共創で進めながら、他地域へも展開できるモデルケース化に挑戦。
【審査委員の評価】
森林地域と消費する都市部の2つの地域が近距離という日本の地形的特徴を活かし、課題や需要に包括的視点で取り組んだ事業スキームを、一気通貫で行う価値は大きい。日本の森林は解決を見出すには深く難しい課題が山積しているが、本件では大企業が長期的視点に立って森林・自然環境課題の上流から不動産提供まで包括的に取り組んでいること、一過性でなく長期的事業であること、この成果に汎用性を与えて他の地域へ展開する狙いがあるプロジェクトのスケールに期待をしている。
2. プラウドシティ豊田多摩平の森(中〜大規模集合・共同住宅)
【概要】
本件は歴史ある緑を残した敷地を公開することで、地域全体の価値創造に取り組んだ多棟配棟の分譲マンションである。かつて宮内省の御料林があり、現在も緑と共に生きる街づくりが行われる日野市多摩平地区において、一団地認定を活用し、約50本の既存樹を保全しながら3万㎡の敷地の大半を地域に公開、街の「緑のネットワーク」の一部とした。
【審査委員の評価】
本集合住宅では、樹木を保存し、住棟を分節して敷地境界側に寄せることで、中央に森のような緑地帯を確保している。敷地を通り抜ける「緑の回廊」は、地域の憩いの場として多くの人々に親しまれる場になるであろうことが想像できる。 国産木材で作られた共用棟も、コミュニティの形成に寄与するものとして機能することを期待したい。 地域に根ざした風景の歴史的価値を理解し、未来に繋げていくことは、地域全体の価値を高めることにつながる。植栽の維持管理を含め、長期的に持続していくための仕組みづくりにも積極的に関わり、豊かな自然環境がより良い形で未来に継承されていくことを期待している。
3. プラウド阪急塚口駅前・ソコラ塚口クロス(中〜大規模集合・共同住宅)
【概要】
本計画は尼崎市・阪急線塚口駅前の住宅・商業施設に公共駐輪場を併設した建物である。かつては駅前の商業集積地として地域のランドマークであったが、時代の変遷に伴い建替え方針に。しかし単なる建物の建替え事業の枠を超えて、地域課題の解決・改善のため官民が連携し、駅前環境の創造を追求し、多様化する社会に対応する街づくりを目指した。
【審査委員の評価】
駅前再開発を官民連携で行ったプロジェクトである。複雑な地域課題を抜本的に解決するにあたり、さまざまな主体と協議し、多岐にわたる工事を行いながらも、全体としてシンプルなデザインとして具現化した点が特に評価された。水平性を強調したデザインは駅前を行き交う人々に親和的であり、またマンション用エントランスは各所に設けられ、商業施設との連携も図られている。地域課題の解決にとどまらず、さらに良いものとして実現しようとする関係者の姿勢が結実したものであろう。
4. シビックプライドを醸成する取組 「街の推し応援活動」(コミュニティづくりの取り組み・活動)
【概要】
あなたの街の推しは?という問いかけから、さまざまな地域の魅力が再発見され、街への思いの「芽」が育まれた。小学校の総合学習からはじまり、応援うちわの作成や展示会、推しに会いにいくツアーの開催など、探索、表現、そして地域の人とともに伝え合うこのプログラムでは、「推し」という言葉を通じてシビックプライド※を可視化させた。
※:自分の住む街へ愛着を持ち、誇りに思う気持ち・考え
【審査委員の評価】
地元への関心を「推し活」という手法を通じて可視化し、地域の魅力を再発見するユニークな取り組みである。小学校の総合学習を起点に、探求、表現、伝え合う活動を通じてシビックプライドを醸成させる点が際立っている。まちづくりは従来、大人たちの領域とされてきたが、最も遠い存在である子どもたちこそが将来のまちを形成する可能性を秘めており、本取り組みは、次世代を巻き込み、地域社会に対する主体的な関わりを促進した点で、これまでのエリアマネジメントに新たな視座を提供していることが素晴らしい。また、小学校、大学、企業が連携し、これまで地域に無関心だった大人たちにも意識を向けさせたことも評価に値する。
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