LIFULL 介護が「高齢期の住み替え」意識調査を実施65歳以上で住み替えの意向がある人は全体の3割一人暮らしの人は同居の人と比較し住み替え意向が20%高い結果に

一人暮らし高齢者のおよそ半数が「自宅で倒れても誰にも気づかれない」ことを不安視

株式会社LIFULL

事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)が運営する業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」は、65歳以上の、一人暮らしの方546名、家族や親族と同居の方549名を対象に、住み替えに関する意識調査を実施し、その結果を発表します。

■ 調査の背景

「2025年問題」とも言われるように、2025年は団塊の世代が全て75歳になるなど、社会の高齢化はますます進展しており、それに伴って高齢者の住まい方も多様化しています。「若い頃に購入した自宅に最期まで住み続ける」という旧来的なモデルから、高齢期に差し掛かり、将来を見据えてライフスタイルに合わせて住み替えることも珍しくなくなりました。2011年に新設された高齢者向けの住まい「サービス付き高齢者向け住宅」は現在も戸数を伸ばしており、5年前と比較しても3万6千戸増加していることから需要の高さが伺えます(※1)。

高齢者の住まい方の多様化には、家族の構成数の変化も背景の一つとして考えられます。高齢化と共に核家族化も進んでおり、2000年から2021年までで、65歳以上の方がいる夫婦のみの世帯はおよそ1.9倍、一人暮らしの65歳以上の世帯数はおよそ2.4倍になっています(※2)。

特に一人暮らしでは、生活のちょっとした困りごとをサポートしてくれる人や安否確認をしてくれる人がいないため、住み替えの需要が高まりやすいとされます。では、住み替えにおいて、具体的に一人暮らしの人と、家族や親族と同居している人では、意識にどのような差が生まれるのでしょうか?今回は、65歳以上の、一人暮らしの方と、家族・親族と同居の方に住み替えについてのアンケート調査を行いました。

※1 サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム

https://www.satsuki-jutaku.mlit.go.jp/doc/system_registration_01.pdf

令和7年3月末 290,128戸

https://www.satsuki-jutaku.mlit.go.jp/doc/past_data/system_registration_01_0202.pdf

令和2年2月末 254,127戸

※2 内閣府令和6年版高齢社会白書

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_1_3.html

■ 調査結果サマリー 

  • 住み替え意向は全体で3割。同居に比べ、一人暮らしは住み替え意向が強く20%の差がある

  • 約7割は現在の住まいに不安。一人暮らしの不安、最多は「自宅で倒れても誰にも気づかれない」。また同居、一人暮らし問わず「車が手放せない」ことを不安視

  • 住み替え先を選ぶポイントとして一人暮らしは「予算内」の意向が強く、同居の場合は「車が不要」「バリアフリー対応」の意向が強い

  • 住み替えで「高齢者であることを理由に断られる」を不安視する人は3割以上。一人暮らしの場合「保証人がいない」を不安視する人は同居の場合と14%差

  • 高齢期の住み替えに希望する住居形態は「シニア向け賃貸住宅」、「サ高住」、「シニア向け分譲マンション」が上位3つに

■ 調査結果

住み替え意向は全体で3割。同居に比べ、一人暮らしは住み替え意向が強く20%の差がある

住み替えについて「具体的な計画や準備を進めている」、「情報収集や検討を始めている」、「今は検討していないが元気なうちにいつか住み替えたい」、「今は検討していないが、経済的な条件が整えば検討したい」、「今は検討していないが健康状態や生活状況に変化があれば検討したい」といった、住み替えについて検討を進めている、あるいは意欲がある人は、全体で33.9%とおよそ3割でした。

居住形態別で見ると、一人暮らしで43.4%、同居で24.4%と20%近い差があり、一人暮らしの方が住み替えの検討度が高いことがわかります。一人暮らしの場合、特に「健康状態や生活状況に変化があれば検討したい」(23.6%)が検討意欲がある回答の中で最多でした。一人暮らしの場合は、健康状態に変化があった場合に、生活のサポートをお願いできる同居の方がいないため、同じ暮らしを維持することが難しくなる可能性があり、変化への不安感が住み替え意欲を後押ししていると考えられます。

約7割は現在の住まいに不安。一人暮らしの不安、最多は「自宅で倒れても誰にも気づかれない」。また同居、一人暮らし問わず「車が手放せない」ことを不安視

居住形態を問わず、現在の住まいに住み続ける上で不安があると回答した人は67.2%にのぼりました

さらに同居と一人暮らしでそれぞれに現在の住まいに住み続ける上での不安を見ていくと、一人暮らしの方で最も多かったものは「自宅で倒れても誰にも気づかれない」(66.3%)でした。また、一人暮らしと同居で回答の差が大きかったものとして「介護や生活支援(ゴミ出しや家事など)をしてくれる人がいない」(一人暮らし:19.9%、同居:7.2%)、「近所付き合いが希薄で孤立を感じる」(一人暮らし:13.6%、同居:8.4%)が挙げられます。同居する方がいれば、異変があっても発見してもらえる、また介護や家事などの生活支援を受けられる可能性が高く、孤独を感じる場面も少ないと推測されるため、これらは一人暮らしの方に特に強い不安と考えられます。

また、高齢期の運転の安全性や、免許返納について社会の関心が高まっており、高齢ドライバーに認知機能検査を義務付ける法改正もありました。いつまで自家用車での移動を前提とした生活を維持できるか、という不安は65歳以上の方の中でも高まりつつあるようで、同居と一人暮らしに共通して「車が手放せない」を挙げた人が25%以上いました(一人暮らしの場合26.8%、同居の場合39.6%)。

住み替え先を選ぶポイントとして一人暮らしは「予算内」の意向が強く、同居の場合は「車が不要」「バリアフリー対応」の意向が強い

住み替えについて検討を進めている、あるいは意欲がある人に、住み替え先を選ぶポイントについて聞きました。

「家賃や管理費、購入費用などが予算内」(42.6%)が最も多く、特に一人暮らしの場合は同居の方より7%多い結果となりました。物価が高騰し、さらに地価も高騰していく中で、高齢期に無理のない予算で住める住宅が求められているようです。一方で一人暮らしよりも同居の方が10%以上多く選んでいたポイントとして「交通利便性が高く車を運転しなくていい」(29.9%)、「バリアフリー対応になっている」(20.1%)が挙げられます。同居の方の場合は、家族と外出する際に自家用車を使っている傾向が高いと考えられます。また、近年の住宅は元からバリアフリー仕様のものも多いですが、同居の方の場合は若い頃に購入、あるいは借りた住宅に継続して住み続けているために、バリアフリー対応の住宅を選ぶ傾向が強いと推測されます。

住み替えで「高齢者であることを理由に断られる」を不安視する人は3割以上。一人暮らしの場合「保証人がいない」を不安視する人は同居の場合と14%差

住み替えについて検討を進めている、あるいは意欲がある人に、住み替える場合の困りごとを聞いたところ、一人暮らし、同居問わず最も多かったのは「希望条件に合った住まいの情報が得られるか」(41.2%)、次いで「高齢者であることを理由に入居や契約を断られないか」(37.2%)でした。高齢者が賃貸物件を借りる場合、収入の不安定さや、孤独死した場合の大家の負担の重さをを理由に入居を断られる可能性があります。また物件を購入する場合もローンを組めないことがあり、高齢者は住み替えのハードルが若い世代と比較して高いことが、回答の背景にあります。

一人暮らしと同居で差が大きく、一人暮らしの方が多かった住み替えの困りごととしては、「契約時に連帯保証人や身元保証人がいない」(30.4%)が3割を超えており、同居の人と比較すると14%の差がありました。多くの場合保証人は家族や親族に依頼するものですが、高齢の一人暮らし世帯では、家族や親族がすでに他界して身寄りのない場合も多いため、保証人の有無を不安視する人も多いと考えられます。

同居の方は持ち家の比率が高いのか、「現在住んでいる家をトラブルなく処分、売却できるか」(37.3%)が、一人暮らしよりも約15%回答が多い結果となりました。

高齢期の住み替えに希望する住居形態は「シニア向け賃貸住宅」、「サ高住」、「シニア向け分譲マンション」が上位3つに

住み替える場合に希望する住居形態を聞いたところ、同居、一人暮らしの回答を合算した場合、最も回答を集めたのは「シニア向け賃貸住宅」(34.2%)でした。次いでサービス付き高齢者向け住宅(27.2%)、シニア向け分譲マンション(22.1%)と続き、やはり高齢者向けの住宅が人気を集めていました。

前項で、全体として「高齢者であることを理由に入居や契約を断られる」ことを不安視している傾向が見られましたが、高齢者向けに作られた住宅はそのような不安がありません。また緊急通報システムや安否確認サービスがついた住まいもあるため、自宅で自身に異変が起きても発見してもらえる可能性が高く、高齢期の住み替えのニーズにマッチしていると言えます。

望ましい住居形態を、一人暮らしと同居でそれぞれで見たところ、一人暮らしよりも同居の方は「シニア向け分譲マンション」「一般の分譲マンション」などで回答数が多く、購入物件を選ぶ傾向が強いようです。これらは子や配偶者に資産として残せるメリットもあるため、同居の方に選ばれていると考えられます。

一人暮らしの場合は「一般の賃貸住宅」と回答した人が同居よりも10%多い結果になりました。シニア向けの住宅は、高齢期の住み替えニーズとマッチしたものになっているものの、一般の住宅よりは割高の傾向があります。一人暮らしの方の住み替え先選びのポイントとして「予算内」という回答が最多だったこともあり、経済的な条件を優先して「一般の賃貸住宅」と答えた方が多かったと推測されます。

単身世帯の高齢者の住み替えが一般的になるには、より安価で高齢期の住み替えニーズにマッチした住宅が必要のようです。

■ 「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹(こすげひでき)のコメント

これまで多くの高齢者やご家族から住み替え相談を受けてきました。

実感として、一人暮らしの高齢者が住まいに不安を抱えているのは当然だと思っていましたが、実に過半数の方が「今の住まいに不安がある」と答えたのは想像以上でした。

「自宅で倒れても誰にも気づかれない」という声。これは相談の中でも幾度となく耳にしてきた言葉です。また、「高齢だから」「保証人がいないから」といった理由で、住み替え先が見つかりにくいという不安も根強くあります。

近年、見守りセンサーや緊急通報システム付きの住宅が増え、「身元保証サービス」なども広まりつつあるとはいえ、まだ十分とは言えません。そもそも、こうした情報が当の高齢者に届いていない可能性もあります。

それでも今回、「住み替えを考えている高齢者が過半数を超えていた」という結果からは、かつて当たり前だった「今の家で最期まで」という価値観が、少しずつ変わり始めていることが読み取れます。

元気なうちに自分の意思で住まいを選ぶ。この考え方が、これからのスタンダードになるのかもしれません。住まいの満足度は、自己選択と自己決定。その実現を後押しする仕組みや情報がますます求められていくはずです。

■調査概要

調査期間:2025年5月13日〜14日 

調査主体:株式会社LIFULL senior

調査対象:65歳以上で家族、親族と同居する人549名、65歳以上で一人暮らしの人546名

調査方法:インターネット調査

小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。


株式会社LIFULL senior について

「老後の不安をゼロにする」をビジョンに掲げ、ヒトとテクノロジーの力で、超高齢社会の課題を解決するさまざまな事業を展開しています。主な事業として、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」、遺品整理業者検索サービス「みんなの遺品整理」、介護施設向け買い物代行業務支援サービス「買い物コネクト」があり、今後も高齢者や関わる人々が抱える不安や課題に向き合って事業を拡大していきます。

株式会社LIFULL senior 概要

会社名:株式会社LIFULL senior(ライフル シニア)

所在地:東京都千代田区麹町1丁目4−4

代表取締役:泉 雅人

設立:2015年7月1日

事業内容:

老人ホーム検索サイト『LIFULL 介護』の運営

https://kaigo.homes.co.jp/

遺品整理業者検索サイト『みんなの遺品整理』の運営

https://m-ihinseiri.jp/

介護施設向け買い物代行支援サービス『買い物コネクト』の運営

https://lp.kaimonoc.jp/

自治体向け買い物弱者支援ツール『買い物コネクト』の運営

https://lp-g.kaimonoc.jp/

介護当事者一歩手前の世代に向け、介護や老後に関する最新情報や体験談を発信するウェブメディア『tayorini』(たよりに)の運営

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/

株式会社LIFULLについて (東証プライム:2120、URL:https://lifull.com/

LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、空き家の再生を軸とした「LIFULL 地方創生」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」など、この世界の一人ひとりの暮らし・人生が安心と喜びで満たされる社会の実現を目指し、さまざまな領域に事業拡大しています。

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会社概要

株式会社LIFULL

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URL
https://lifull.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区麹町1-4-4
電話番号
03-6774-1600
代表者名
伊東祐司
上場
東証プライム
資本金
97億1600万円
設立
1997年03月