パチンコホール、コロナ禍で4社に1社が消滅 総売上高は3年間で5.2兆円減少

パチンコホール経営法人の実態調査(2022年)

株式会社帝国データバンク

2020 年1月に国内で新型コロナウイルスの感染が確認されてから3年半が経過した。この間、パチンコホールは、外出自粛要請や緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発出などにより、休業・時短営業など運営面で打撃を受けてきた。

ピーク時の市場規模は30兆円超とも言われたパチンコ業界だが、射幸性の問題や趣味の多様化による遊技参加人口の減少などから、倒産の増加、廃業・身売りが進み再編が繰り返されてきた。また、新型コロナウイルス感染拡大時においては営業自粛を余儀なくされ、赤字ホールが大幅に増加した。今後、ポストコロナに向け新台入れ替えに伴う投資も必要となるなか、業界はどのような動きを示すのだろうか。

<調査結果(要旨)>

  1. 2022年のパチンコホール経営の法人数は1508社。2019年の2000社より492社少なく、コロナ禍3年間で25%の大幅減少となった

  2. 売上高は同3年間で約5.2 兆円も減少。特に2020年から2021年にかけては約3.6兆円のダウン

  3. 2022年の赤字パチンコホール経営法人の割合は52.6%、2年連続で5割を超えた

  4. 2019年には黒字企業が75%と4分の3を占めていたが、2021年に逆転して以降、赤字法人が50%を超える

  5. 2022年の倒産件数は前年(16件)の2倍を超える34件

調査対象:企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)のなかから、2018 年~2022年において業績が判明している「パチンコホール経営法人」

調査期間:2023年6月23日までの判明時点

調査機関:株式会社帝国データバンク



コロナ禍で社数、売り上げともに大幅減

2022年のパチンコホール経営法人数は、1508社となった。2021年より185社(10.9%)少なく、2019年の2000社からコロナ禍を経て、3年間で約25%減少した。2022年の総売上高は11兆3660億円となり、コロナ禍以前より減少傾向にあったが、1年を通してコロナの影響が及んだ2021年は減少幅が急拡大した。


2022年には社数が10%減少する一方で、総売上高は3%減にとどまった。新型コロナの感染が落ち着いたことや、スマートスロットなどの新台リリースで顧客が戻ってきていることが要因と考えられる。顧客の引き留め、拡大を継続できるかが今後のカギとなるだろう。



コロナ禍で赤字企業が大幅増加、回復の兆し見えるもコロナ前には戻らず

パチンコホール経営法人の損益状況を分析した結果、黒字法人と赤字法人の割合は右グラフの通りとなった。2019年には75%の法人が黒字であったが、コロナ禍に突入し損益が大きく悪化。特に1年を通してコロナの影響が及んだ2021年には黒字と赤字の割合が逆転し、約6割の企業で赤字となった。

2022年に入り、黒字法人の割合はやや持ち直したものの、この傾向は赤字法人の多くが廃業に追い込まれたことで割合が改善している可能性もあり、業界全体として収益改善が喫緊の課題だ。



倒産は2021年から倍増、有名メーカーでも倒産・廃業が相次ぐ


新型コロナウイルスの感染が落ち着きを見せ、人流も急速に回復するなか、パチンコホールの客足も徐々に戻りつつある。しかし、2022年のパチンコホールの倒産件数は34件と前年(16件)から倍増したほか、閉店や廃業が相次ぐパチンコホールだけではなく、昨年は「高尾」(名古屋市中川区)の民事再生、「西陣」(東京都千代田区)の廃業など有名メーカーで倒産・廃業が相次ぐなど、厳しい業界環境にあることが浮き彫りとなった。


ホール運営においては以前より「勝ち負け」が明確となっており、スマートパチンコやスマートスロットを筆頭とした新台を導入できないホールにとっては非常に厳しい営業環境といえる。引き続き、従前からの課題である集客および財務体質の改善は取り組むべき大きな柱であり、ポストコロナを迎え、時代に即した対応を素早く行うことが重要となるだろう。

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月