<イベントレポート>「メディア業界が協働することで脱炭素化が加速する」CFP算定に関するメディア勉強会を開催
ーCFP(カーボンフットプリント)の算定を実践して見えた意義と課題ー
■「感動を編集し時代を創る」というミッションを掲げるメディア企業として
会の冒頭に登場した社長室 ジェネラルマネージャー 池原 亜矢子は、「サプライチェーンを通じてひとつの商品やサービスがどれだけのGHGを排出しているかを測り、その数値を知ることは削減への道しるべになります。また、それを表示することで、消費者の方々が商品やサービスを購入する際に、環境負荷について意識するきっかけにもなります」とCFP算定の意義を話しました。
【ハースト婦人画報社のCFP算定 背景と目的】
1)CFP×情報発信による行動変容の誘発
2)GHGの削減
3)算定・削減サービスの提供
「当社がCFP算定を実施する目的は3つです。一つは脱炭素社会を目指していく中で、メディア企業として一番力を発揮するのは、情報を発信し、消費者の方々に気づきを与えるような働きかけをすることであり、当社のミッションだからです。2つ目は、企業としてGHG削減の責任を果たすこと。そして3つ目が、この活動を通して得たノウハウや知見を活かし、ビジネスパートナーの事業の脱炭素化を支援することです。2026年までに広告出稿やイベント開催から排出されるGHGを実質ゼロに出来る『カーボンニュートラル広告プラン』を広告主に提供することを目指しています」と算定に取り組む背景を説明しました。
■CFPを、食品のカロリー表示のように多くの皆様の目に入れていただくために
社長室 サステナビリティマネージャー 大竹 紘子は雑誌製造やイベント開催におけるCFP算定の方法や結果を詳しく解説しました。「雑誌製造におけるCFP算定は、2023年に当社が発行した定期刊行誌全14媒体を対象として算定しました。この結果は今年7月に発行する雑誌から順次、奥付に掲載をしてまいります。雑誌1冊あたりから排出されるCFPの表示と、興味のある方が詳細を確認できるようレポートへのQRコードを記載しました。この活動を通じて、CFPが食品のカロリー表示のように多くの皆様の目に触れ、読者への啓発となれば嬉しいです」と語りました。
■サプライヤーも巻き込んで業界全体の動きにしていくことが大切
「算定結果をできるだけ精緻なものにし、削減策を講じた時に結果をきちんと反映させるためには、出来る限り一次データを使用する必要があります。しかし、一次データを取得することは手間もコストもかかります。アメリカやヨーロッパではCFP表示義務化の流れがありますが、日本ではまだそのような動きはありません。また、算定することによるビジネスメリットが見えづらく、サプライヤーごとに理解や進度は様々でした。そのため今回は、できる限りコスト等の負荷をかけずに進めることを重視しました」とプロジェクトを振り返りました。
■算定を行うと、課題が明確になり次に取るべきアクションが見えてくる
雑誌製造におけるCFP算定をリードしてきた、経営管理本部 製作部 ジェネラルマネージャー 山本 大輔はプロジェクトで得た学びと課題感を次のように語りました。「プロジェクトの開始当初、雑誌においてCFP算定はまだあまり浸透していませんでした。印刷会社や製紙会社等のサプライヤーとともに手探りの中知識や経験を積み重ねました。一回でも算定を行うと、課題が明確になり、次に取るべきアクションがみえてきます。そして自分の普段の行動に対する意識も大きく変わってきますし、関係者を巻き込んでいくときにも、自分の言葉で目的や意義が説明ができるようになります。」
■統一した算定ツールがあれば、CFPは加速する?!
イベント開催におけるCFP算定について大竹は、「私たちは、同じイベントを2つの異なる方法で算定しました。どちらもグローバルルールなどに則った方法ですが、その結果には約3倍の違いがあり驚きました。同じイベントでも、算定方法が異なるだけで、所要時間・難易度・算定結果に違いが現れます。業界内で統一のツールがあれば、結果に一貫性が生まれ、他企業間でも比較ができるようになりますし、情報が集約されていくでしょう。初めてCFP算定を実施する企業にとってはハードルも低くなるはずです。業界全体のレベルの底上げ、加速化が進むのではないでしょうか」と、算定を通して感じた希望を語りました。
■算定を経て削減へ
ハースト メディア ソリューションズ マーケティング部 ハーストライブ イベント担当の徳田 百香は、昨年実施したイベントの算定から得た学びを今年のイベントに活かしたと話しました。「昨年のイベントでは、ヒトの移動が一番大きな排出源であったため、今年は、来場者およびスタッフの方々に公共機関での移動を呼びかけました。車での移動が必要な場合は、電気自動車やハイブリッド車の提案をし、関係者が実践してくださいました。イベントはリアルな場で読者とつながる影響力のある機会です。そのような場で脱炭素の取り組みを実践することに意義を感じます。」
■業界全体で協働していくことが重要
最後に再び大竹が登壇し、「社内の変化としては、様々な社員がCFP算定を実践することで、自身が関わる業務から排出されるGHGへの理解が深まり、自分事化するようになったことが大きなメリットだと感じました。また、私たちはメディア企業として、正しい情報を正しく伝えていくことが非常に重要だと思っています。私たちのCFP算定結果や得た学びが、業界の脱炭素化を加速化して行くことに貢献出来れば嬉しいです」と、締めくくりました。
【参考情報】
https://www.hearst.co.jp/news/corp-240722-cfprelease/
https://www.hearst.co.jp/news/corp-240313-moe_cfpreport/
ハースト婦人画報社のサステナビリティに関する取り組み
https://www.hearst.co.jp/company/sustainability/
■ハースト婦人画報社/ハースト・デジタル・ジャパンについて
株式会社ハースト婦人画報社は、アメリカに本社を置き、世界40か国で情報、サービス、メディア事業を展開するグローバル企業、ハーストの一員です。株式会社ハースト・デジタル・ジャパンは、デジタルビジネス拡大のため2016年に設立された株式会社ハースト婦人画報社の100%子会社です。1905年に創刊した『婦人画報』をはじめ、『ELLE(エル)』、『25ans(ヴァンサンカン)』、『Harper’s BAZAAR(ハーパーズ バザー)』、『Esquire(エスクァイア)』などを中心に、ファッション、ライフスタイルなどに関する多数のデジタルメディアの運営と雑誌の発行を手掛けています。『ELLE SHOP(エル・ショップ)』をはじめとするEコマース事業も収益の柱に成長。近年はクライアント企業のマーケティング活動をトータルにサポートする『HEARST made (ハーストメイド)』 、データに基づくブランドマーケティング支援を行う『HEARST Data Solutions(ハースト データ ソリューションズ)』を立ち上げるなど、コンテンツ制作における知見にデジタルとデータを融合した企業活動を展開しています。またISO14001を取得しサステナビリティに配慮した経営を実践しています。
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