【新種の可能性】徳島県勝浦町で「日本最古級」のトカゲ類化石を発見!徳島県立博物館「2階常設展 徳島恐竜コレクションコーナー」にて実物を展示中
約1億3000万年前の姿を伝える小さくも貴重な化石。その特徴から新種の可能性も
徳島県立博物館は、福井県立大学や福井県立恐竜博物館などと共同で徳島県勝浦町の恐竜化石発掘調査を行っています。この度、日本最古級(約1億3000万年前)となるトカゲ類の化石が新たに発見されました。
今回発見されたこの小さくも貴重な生き物の化石は、一体どのような特徴を持っているのか、その注目のポイントをご紹介します。
大きさわずか1.1センチ!最新技術で判明した「あごの骨」
今回見つかった化石は、長さ約1.1cmというミニサイズ。
通常であれば、見つかった化石は周りを覆う岩石を専用の機械を使って取り除くクリーニングという作業を行います。ですが、今回の化石は小さく繊細だったため、通常のクリーニング作業では壊れてしまう危険がありました。そこで、福井県立大学の協力のもと、福井県工業技術センターにあるX線CT装置を用いて、岩石を削ることなく内部の撮影を行いました。得られた3次元再構築モデルを用いて調査した結果、これがトカゲ類の「左側の下あごの骨」であることが判明しました。


「新種」かもしれない特徴の組み合わせ
この小さな化石には、大変興味深い特徴が詰まっています。
○ 謎の「歯のないスペース」
あごには6本の歯が残されていましたが、その前側には歯が生えていた跡があごの先端まであります。痕跡から、歯は全部で10本ほど生えていただろうと考えられます。一方で、後ろ側には歯が生えていた跡が無く、あごの後ろの方に歯の無いエリア(無歯領域)があったことがわかります。歯の無いエリアは少しきゅっとくびれているのも特徴です。
○ 尖った歯の形状
生えている歯は、ほとんどは先端がとがった円錐形をしていますが、一部の歯には尖った先端「咬頭(こうとう)」を2つ持つものもあります。
あごの後ろの方に歯のないエリアがあるトカゲ類は、中国や兵庫県、石川県などでも見つかっています。それらと比べたところ、歯の数や咬頭の特徴は石川県の種(ハクセプス・インベリス)と同じですが、あご後方のくびれ方は兵庫県の種(パキゲニス・アダチイ)に似ているといったように、特徴の組み合わせがどれとも一致しないことが分かりました。そのため、これまで知られていなかった「新種」である可能性が高いと考えられます。

徳島の発見がトカゲ類の進化を明らかにする!?
今回の発見は、日本の古生物学において極めて重要な意味を持っています。
まず、トカゲ類の化石としては約1億3000万年前(前期白亜紀)という日本最古級の記録になります。さらに、海に生息していたモササウルス類の化石は和歌山県から発見されていましたが、陸域に生息していたトカゲ類のグループが太平洋側の地域(西南日本外帯)で見つかったのは、今回が初めてのことです。
この勝浦町のトカゲ類化石は、これまで知られていた種とは異なる新種の可能性が高く、その産出年代、地域と合わせて様々な情報を与えてくれます。当時の日本やアジアにおけるトカゲ類の多様性や、彼らがどのように進化し、分布域を広げていったのかを明らかにする上で、重要な手がかりとなるでしょう。
🦖 実物&拡大複製を一般公開中!
下記の会場にて一般公開を行っています。ぜひご覧下さい。
●徳島県立博物館(2階常設展 徳島恐竜コレクションコーナー)
今回発見された化石の「実物」を展示しています。
期間:令和8年7月1日(水)~令和8年9月30日(水)
●福井県立恐竜博物館(エントランスホール2階)
細部までじっくりと観察できる「拡大模型」を展示しています。
期間:令和8年7月1日(水)~令和8年10月27日(火)
本件に関するお問い合わせ(資料提供元)
担当館:徳島県立博物館
電話番号:088-668-3636
担当者:主任学芸員 小布施 彰太
(※化石の撮影や写真データが必要なメディアの方は、担当者までお問い合わせください )
すべての画像
