新宿駅南口にて混雑リスク低減に向けたラウンドアバウト実証実験第2弾を行います

○JR東日本では、産学連携でのイノベーション創出をめざし、西成 活裕氏（東京大学大学院工学系研究科教授）と連携し、群集マネジメント学を活用した混雑リスク低減に向けた取り組みを進めています。 ○今年7月10日～7月12日に、朝通勤時間帯における、お客さまの安全でスムーズな通行をめざし、新宿駅南口13・14番線階段付近のコンコースにおいて、ラウンドアバウト※実証実験を実施しました。 ○7月の実証実験の検証結果を踏まえ、手法を変更し、11月15日～12月1日の17日間、同エリアにおいてラウンドアバウト実証実験第2弾を行います。

※ラウンドアバウト：ヨーロッパを発祥とする交差点形式のことで環状交差点ともよばれます。中心とする箇所の周囲を一方向に周回する交差点で、信号を必要としないため災害時などの停電時でも、円滑な交通を維持できる効果があるといわれています。

１．実証実験の概要

（１）内容

①ラウンドアバウト歩行の認識度向上

　・より多くのお客さまにラウンドアバウト歩行を認識いただくため、視界に入る位置にデジタルサイネージを設置し、混雑度に応じて案内サインが変化するコンテンツを表示します。

　・床へ矢印シートを貼付し、誘導をおこないます。

②ラウンドアバウト歩行の定着

　・実証実験期間を17日間とし、ラウンドアバウト歩行の定着を目指します。

（２）実施日：2023年11月15日（水）～12月1日（金）

（３）検証時間：各日とも7時00分～10時00分

（４）実施箇所：新宿駅南口13・14番線階段付近のコンコース

２．前回実証実験の振り返り

・駅社員の誘導によりラウンドアバウト歩行が実現した際は、混雑度（歩行者の方向転換の頻度）および密度（単位時間あたりの人数）が減少する傾向がみられました。

・ポスター・サイネージ自体が、あまりお客さまに認識されなかったため、ラウンドアバウト歩行が実現した時間が長くありませんでした。

・実証実験期間が短かったため、実験終了後にラウンドアバウト歩行が定着しませんでした。

３．実施内容の詳細

　前回同様、13・14番線からのお客さまと小田急線乗換口からのお客さまが交錯しないよう、エレベーターを中心に反時計回りに一方通行（ラウンドアバウト）となる実証実験を行います。

　・小田急線乗り換口エリアの床に矢印シートを貼付し、ラウンドアバウトの誘導を行います。13・14番線からのお客さまはエレベーターの右側へ、小田急線乗換口からのお客さまもエレベーターの右側へ、それぞれ誘導するよう矢印シートを貼付します。

　・エレベーター壁面にサイネージを設置し、通行方向を案内表示します。サイネージは、小田急線乗換口のお客さまの混雑状況に応じて、案内表示が変化するコンテンツが表示されます。

　・混雑状況把握および効果検証のため、実証実験エリアの近傍にカメラ※1とLiDARセンサー※2を設置し、分析を行います。【前回同様の内容】

　　※1　カメラで撮影した人の頭部を検知・認識してリアルタイムで人数をカウントし、対象エリアの混雑状況を測定可能です。カウント後、撮影した画像は保存することなくその場で破棄します。

　　※2　設置するLiDARセンサーは、カメラ画像を用いず広範囲の人流を計測できるため、公共性の高い場所でもプライバシーを侵害することなく、データ収集を行うことができます。

　・実施箇所周辺にポスター掲示を行い、お客さまへの周知およびラウンドアバウトの誘導を行います。

【前回同様の内容】

（参考）協力団体・企業（五十音順）