気候(TCFD)・自然(TNFD)の統合的なシナリオ分析を実施

~自然のシナリオ分析および一部SSBJ開示項目を追加~

東急不動産

 東急不動産ホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下、「当社」)は、脱炭素社会・ネイチャーポジティブの実現に向け、気候変動および自然関連課題が将来の事業環境や財務に与える影響を把握し、経営戦略やリスク管理のさらなる推進を目的として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※1およびTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)※2に準拠し、気候変動と自然を統合したシナリオ分析を実施しましたので、お知らせします。

 

 当社グループは2018年度より気候関連シナリオ分析を継続的に実施しており、対象事業の拡大や参照シナリオの更新を継続的に進めてきました。

 2025年度に中期経営計画を発表したことに合わせて、今般、気候変動と自然資本の損失が相互に影響し合うことを踏まえ、従来の気候関連分析を発展させ、気候・自然関連課題を統合的に捉えたシナリオ分析を行いました。

【図:各統合シナリオと当社グループ全体で特に重要なリスクと機会の概要】

■評価結果

 グループ全体での重要な課題として、ZEBや土地改変等に関する規制の強化に伴う建築・改修コストの増加などのリスクがある一方、気候変動・自然対策を行った施設に関するニーズの高まりによる収益の増加、加えて再生可能エネルギー事業の市場拡大による収益増が大きいことが分かりました。

 グループ全体および事業別(オフィス・商業、住宅、再生可能エネルギー、物流施設、ウェルネス)の評価に関する詳細は、TCFD・TNFD統合サイトに開示しています。

 

■当社のTCFD/TNFDレポート(統合版)の特徴

①幅広い分析対象

 都市開発事業(オフィス・商業施設)、住宅事業、再生可能エネルギー事業、物流施設、ウェルネス事業(ホテル・レジャー施設)などの主要事業を対象に、事業特性に応じてシナリオ別にリスク・機会の影響度を評価しました。

②3つの統合シナリオ設定

 近年の情勢を踏まえ、気候変動に関する将来シナリオを更新するとともに、TNFDのガイダンスを踏まえて、自然関連の将来シナリオを新たに設定しました。将来の政策強化の時期や強度、市場ニーズ、資源価格、技術進展などには不確実性があることを踏まえ、気候・自然について各々3つのシナリオを設定し、幅を持った検討を行いました。

 気候変動については1.5℃、3℃、4℃の3つのシナリオ、自然に関してはTNFDの推奨シナリオのうち、ネイチャーポジティブへの移行が進むシナリオ、自然損失の深刻化を背景に自然関連の移行が強まるシナリオ、自然資本の損失の影響が深刻化するものの自然関連の移行は進まないシナリオという3つを設定し、移行リスク・物理的リスク・機会を総合的に評価しています。

③リスク・機会や財務影響の評価と事業戦略への反映

 シナリオを踏まえて、事業・財務に影響を与えうる気候・自然関連リスク・機会のロングリストを作成し、既に実施していた気候シナリオ分析や自然関連のLEAP分析の結果をベースに、リスク・機会を検討しました。検討にあたってはSSBJの産業別ガイダンス(不動産/太陽光技術及びプロジェクト開発業者/風力技術及びプロジェクト開発業者/ホテル及び宿泊施設/レジャー施設)における開示トピックを考慮しました。さらに、リスク・機会に対する当社としての対応戦略を落とし込みました。

④評価・分析過程における事業部門の関与・巻き込み

 リスク・機会の妥当性を確認し、財務的影響の重要性の高い計155項目のリスク・機会を特定しました。さらに一定の重要性があり、保有データや外部シナリオに基づいて算定可能な項目については、財務影響の定量評価も実施しています。評価にあたっては、SSBJ基準で求められているリスク・機会の集中、トレードオフについての整理、レジリエンス(不確実性)に関する評価も行いました。こうしたリスク・機会の検討および定量評価については、各事業部門の担当者と複数回打ち合わせを行い、意見を取り入れた上で作成しました。

⑤今後のSSBJ開示に備えて

 リスク・機会の影響度の結果について、事業ごとに加えてリスク・機会の項目ごとにその影響度を営業利益割合によって大・中・小に分類し、時間軸や発生可能性を分類した上で、影響度が高くかつ発生可能性の大きい開示対象項目を決定しました。

■今後について

 今般、統合的にリスク・機会を評価し、財務影響を分析したことにより対応戦略を策定しています。こうして2018年度から始めたTCFDを更新し、2023年度から継続的に開示しているTNFDは、優先地域の選定から始めて最終的にシナリオ・財務影響分析を行ったこととなります。これにより当社の気候・自然関連の財務情報開示は一通り網羅的に反映されました。

 当社グループは、これまでも再生可能エネルギー事業への投資拡大、ZEBやGX-ZEHの推進、再生建築・リノベーションの活用、自然と調和した都市緑化・開発・運営、地域の豊かな自然を活かした体感型サステナブル・リゾートの開発・運営などを進めてきました。今後も、こうした戦略を進めるとともに、今回のシナリオ分析を通じて得られた知見を、事業戦略、リスク管理のさらなる高度化に活かしてまいります。あわせて、指標・目標の整備や社会動向を踏まえたリスク・機会や財務影響分析などの継続的な見直しを進め、気候変動および自然関連課題への対応を通じて、事業のレジリエンス強化と企業価値向上を目指してまいります。

■対外発信の強化 「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」に協賛

 当社は2026年7月14日、15日に熊本県熊本市所在の熊本城ホールにおいて開催の「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026(以下「本サミット」)」へ協賛しており、パネルディスカッションに登壇して当社独自のネイチャーポジティブ戦略をご説明します。また、同時開催される展示会「NATURE TECH!」のブースにて、グループ会社である株式会社石勝エクステリアとともに当社の生物多様性保全の取り組みをご紹介します。本サミットへの出展にあたっては、当社グループの環境・サステナビリティ分野に関する先進的な調査・研究および情報発信を担う株式会社東急不動産R&Dセンターが企画・運営を支援しています。

ご参考)リリース:「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」に協賛

 

■長期ビジョン「GROUP VISION 2030」でめざす、生物多様性の取り組み

 東急不動産ホールディングスは 2021年に長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表しました。多様なグリーンの力で 2030 年にありたい姿を実現していく私たちの姿勢を表現する「WE ARE GREEN」をスローガンに、「環境経営」「DX」を全社方針として取り組んでいます。

 当社では、「環境先進企業」をめざして「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」を主要な3つ環境課題とし、事業を通じて様々な取り組みを積極的に進めています。中でも「生物多様性」は、土地や様々な資源の利用、自然によるレクリエーションや人々のゆとり・癒しや生産性の向上、そして資産価値向上など、多様な側面で自然に依存し、インパクトを与えながら事業が成り立っていることから、重要な課題と認識し、2011 年に生物多様性方針を策定するなど、早期より自然と共生する取り組みを継続的に実施してきました。

 また、「地域特性を踏まえたネイチャーポジティブへの貢献」を目標に掲げ、都市においては、都市に点在する緑を繋ぐ、人と自然に配慮した緑化、地方においては、生態系サービスとの共存を取組み目標として、不動産開発・運営管理を行っています。

 今後も、重点課題への取り組みを通じて、お客様へ環境価値を提供し、自社の成長と、事業を通じた持続可能な社会の実現を目指してまいります。

※1 気候関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures, またはTCFD)とは、G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された、国際的イニシアティブ(2017年6月最終報告書発表)。組織は2023年10月解散を発表し、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が引き継ぐ。

※2 自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures, またはTNFD)とは、2021年に発足した自然関連の依存・インパクト、リスクと機会を適切に評価し、開示することを要請する国際的なタスクフォース。気候変動におけるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures))と連動したフレームワークを提示している。

東急不動産ホールディングス「GROUP VISION 2030」について

https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/group-vision-2030/

東急不動産ホールディングス「中期経営計画 2030」について

https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/ir/mgtpolicy/mid-term-plan

東急不動産ホールディングス「2025環境経営レポート」について
https://pdf.irpocket.com/C3289/HgJ1/UEbD/WPu2.pdf

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会社概要

東急不動産株式会社

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URL
https://www.tokyu-land.co.jp/
業種
不動産業
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂1-21-1 渋谷ソラスタ
電話番号
03-6455-1121
代表者名
田中 辰明
上場
未上場
資本金
575億5169万円
設立
1953年12月