東京都民の家計支出、猛暑で1カ月約3700円増加 夏負けで主食の減少目立つも、エアコンや飲料が大きく増加

東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査(2023年)

株式会社帝国データバンク

2023年の夏は、記録的な猛暑となっている。気象庁によると、東京都における2023年7月の最高気温は平均33.9℃で、平年値(1991年から2020年の30年間の平均値)より4.0℃高かった。さらに8月は同34.3℃と平年より3.0℃高くなると見込まれる(気象庁による8月25日7時発表の週間天気予報を含む)。また、東京都では7月と8月の猛暑日が合計24日におよび(同上)、都心における年間の猛暑日日数の最多記録を更新している。

平均気温の上昇は家計における消費支出に加えて、企業の売上動向にも影響を及ぼす。猛暑による天候不順は、農作物への生育状況とともに、夏物商材の販売や屋外レジャーなどにも影響する。
そこで、帝国データバンクは、猛暑が東京の家計消費支出に与える影響について分析した。

<調査結果(要旨)>

  1. 今夏の東京の家計消費支出、猛暑により約466億2,700万円、約0.8%増加と試算。世帯当たりでは月平均3,748円の支出増

  2. 「食料」は、主食となる穀類や魚介類への支出が大きく減少した一方、飲料のほか加工食品などを含む調理食品が大幅に増加

  3. 「保健医療」は猛暑対策や医療サービス等への支出で約105億9,400万円、宿泊料などを含む「教養娯楽」は約184億3,500万円、理美容サービス・用品への支出が約65億4,900万円増加

※2023年7月および8月の東京における猛暑による家計消費支出の試算は、以下の統計資料等を用いて算出した。

 「家計調査」「国勢調査」(いずれも総務省)、地点気象データ(気象庁)、「日本の世帯数の将来推計」(国立社会保障・人口問題研究所)

※本調査における家計消費支出への影響は、東京都内に居住している世帯による支出額への影響を対象に試算している。なお、本試算では、食品等の値上げによる物価上昇や外出自粛などコロナ禍による影響を除いて算出している。

※調査機関:株式会社帝国データバンク

東京の家計消費支出、猛暑により約0.8%増加と試算

 

2023年夏の猛暑が家計消費支出に与える影響を試算した結果、平均最高気温が平年通りだった場合と比較すると、東京の家計消費支出は約466億2,700万円増加する可能性があることが分かった。帝国データバンクが推計した昨年7月と8月の東京の家計消費支出は合計で約6兆291億円だったことから、今夏の猛暑により家計消費支出は約0.8%増加した可能性がある。

支出項目別にみると、「食料」は、夏負けなどの影響を受けて主食となる穀類や魚介類への支出が大きく減少したが、飲料が大幅に増加したほか、弁当や加工食品などを含む調理食品なども増加したことで、約34億8,000万円の増加となった。「保健医療」は、猛暑対策や熱中症などの医療サービス等への支出が約105億9,400万円増加したと見込まれる。また、宿泊料を含む「教養娯楽」が約184億3,500万円、理美容サービス・用品などへの支出が約65億4,900万円増加したとみられる。


なお、世帯当たりの消費支出額では、7月に3,554円、8月に3,942円の増加が見込まれ、平均すると猛暑により今夏は月平均3,748円の支出増と試算される。





2023年の夏は観測史上に残る猛暑となっている。

本調査では、東京都の気温上昇による家計消費支出への影響を分析した。その結果によると、猛暑により東京の家計消費支出は飲料や保健医療、教養娯楽などを中心に約466億円増加したとみられる。これは、東京都に居住する家計の消費支出額が約0.8%増加したことに相当する。


さらに、今夏は食品など生活必需品の値上げや電気・ガソリンなどのエネルギー価格の高騰を加味すれば一段と家計を圧迫する要因となることもあり、節約志向はいっそうの高まりを見せている。


こうしたなかで、今年の猛暑による家計の購買行動の変化が今後、企業にどのような影響をもたらすか、「気象リスク」を踏まえながら長期的な視野で注視していく必要があろう。

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月