科学技術振興機構JST「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)共創分野(本格型)」への昇格決定について
順天堂大学(学長 代田 浩之)は、このたび代表機関として、科学技術振興機構JSTの「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の「共創分野」の育成型から本格型への昇格審査を受け、「災害など危機的状況でもヒト・モノ・ココロがつながる健康医療共創拠点」(プロジェクトリーダー:順天堂大学大学院医学研究科放射線診断学准教授・隈丸 加奈子、副プロジェクトリーダー(産業界):一般社団法人 パンデミックレディ・コンソーシアム代表理事・堀 賢、副プロジェクトリーダー(アカデミア):順天堂大学 学長補佐・服部 信孝)として採択されました。
共創の場形成支援プログラムでは、大学等を中心として、企業や地方自治体・市民などの多様なステークホルダーを巻き込んだ産学官共創システムを構築し、持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、10年後、20年後にありたい社会像を拠点ビジョンとして掲げ、具体的かつ到達可能な駆動目標(ターゲット)と研究開発課題を設定し、その実現のため「バックキャストによるイノベーションに資する研究開発と社会実装」を推進するものであり、知識集約型社会をけん引する大学等の強み・特色を活かし、未来のありたい社会の実現を目指す、自立的・持続的な産学官共創拠点を形成します。
このたび、本格型昇格審査で採択された本拠点プロジェクトの概要は下記の通りです。
「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)共創分野」の概要
実施タイプ: 本格型
拠点名称: 災害など危機的状況でもヒト・モノ・ココロがつながる健康医療共創拠点
プロジェクトリーダー: 隈丸 加奈子(順天堂大学大学院医学研究科放射線診断学・准教授)
実施期間: 2025年4月1日~2035年3月31日(10年間、予定)
代表機関: 順天堂大学
参画機関:
◆大学等: 千葉大学、山梨大学、群馬大学、福島県立医科大学、東北大学、長崎大学、麻布大学、岐阜大学
◆企業等: 清水建設㈱、㈱大林組、㈱メディセオ、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社、セイコーソリューションズ㈱、㈱シード、㈱ニコンソリューションズ、㈱サンウェルズ、TIS㈱、公益財団法人かずさDNA研究所、㈱はくばく、NPO法人慢性疾患診療支援システム研究会、日本コントロールシステム㈱、認定NPO法人シャイン・オン・キッズ、一般社団法人パンデミックレディ・コンソーシアム、一般社団法人地域産学官連携ものづくり研究機構、㈱Agoop、㈱両毛システムズ、エルスピーナヴェインズ㈱、一般社団法人日本最適化栄養食協会、㈱Sansei、㈱ワイ・シー・シー、㈱クレスコ、EP山梨㈱
◆自治体: 東京都、文京区、山梨県、南アルプス市、群馬県、太田市
◆ 本拠点の背景と目標
本拠点では、東日本大震災および千葉県内の台風災害等について住民の声を聞き取り、また東日本大震災等のデータを分析し、災害時には家屋倒壊によるケガ等の直接的な健康被害だけではなく、生活習慣病、感染症、ストレス性疾患など様々な二次的な健康被害が発生し、心身の健康に長期的な影響が生じることを、明らかにしてきました。
最近においても能登半島地震や豪雨など大きな災害が頻発しており、近い将来は南海トラフ地震や首都直下型地震が起こることが予測されることから、災害後の二次的な健康被害は、わが国において取組むべき重要な喫緊の課題であり、グローバルにも対応すべき課題であると言えます。さらにはロシア・ウクライナ紛争、人類を脅かす感染症パンデミックなど、自然災害以外の危機的な状況でも二次的な健康被害が発生することが知られています。
そこで本拠点では、災害など危機的状況にあっても誰一人取り残さず、二次的な健康被害を防いで中長期にわたって健康でいられる社会を、代表機関の医学研究及びデータサイエンスの研究力と複数の大学の連携を活かして実現することを目指します。
具体的には、「災害時には、二次的な健康被害を防ぎ人々が安心して過ごせる規格化された次世代型の避難環境と、発災から復興期に至るまでの一貫した健康サポート構造を達成し、健康被害の予兆を示す被災者が早期の医療・ケアにつながる環境の実現」、「平時には、自らのリスクを知りセルフレジリエンスを高め、災害時に一人一人が自ら健康被害が最小限となるよう行動できる社会の実現」を目指し、本拠点において産学官が共創し、研究開発・社会実装を行います。
◆ 本拠点のビジョン(図1)
災害後も誰一人取り残さず、中長期にわたって健康でいられる社会の実現
【拠点ビジョン策定のもととなるSDGs】
・SDG3 すべての人に健康と福祉を
・SDG4 質の高い教育をみんなに
・SDG8 働きがいも経済成長も
・SDG9 産業と技術革新の基盤をつくろう
・SDG11 住み続けられるまちづくり
・SDG12 つくる責任、つかう責任
◆本拠点のターゲット(図1)
ターゲット1: 復興につながる次世代型避難環境の実現
ターゲット2: 災害時もシームレスな健康サポートモデルの構築
ターゲット3: セルフレジリエンスと行動変容を促す体制の整備
◆研究開発課題(図1)
1) 健康被害を予防する避難環境の実現
2) 健康被害の予測及び早期検知システム開発
3) 災害フェーズ間で連携した健康サポート体制の実現
4) レジリエントな心の交流及びケア環境の構築
5) 災害リスクコミュニケーションおよび教育体制の構築

◆本拠点の体制

◆本拠点の概要の動画
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像