ハノイ市北部スマートシティ開発に向けた日本コンソーシアムの発足について

～日本企業の技術ノウハウを結集し、ベトナムの社会課題を解決する～

住友商事株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO：兵頭 誠之、以下「住友商事」）は、NTTコミュニケーションズ株式会社（以下「NTT Com」）、東京電力パワーグリッド株式会社（以下「東電パワーグリッド」）、日本電気株式会社（以下「NEC」）、株式会社博報堂（以下「博報堂」）、三菱重工エンジニアリング株式会社（以下「MHIENG」）（以下総称して「6社」）と、ベトナム ハノイ市北部ドン・アイン区の272ヘクタールのエリアにおけるスマートシティ開発（以下「本開発」）に関して、共同で事業化を検討するためのコンソーシアム（以下「本コンソーシアム」）を組成しました。6社は、技術とノウハウを結集し、ベトナムの社会課題を解決するまちづくりと50年にわたって持続的に成長する街の開発を推進していきます。

■本コンソーシアム組成の目的

◯ハノイ市の社会課題を日本企業の持ち寄る技術・サービスとベトナム企業とのコラボレーションで解決
ハノイ市の住民が抱える社会課題のうち「空気や水質などの環境衛生」「日常的な健康づくり」「高度な安心・安全」「水準の高い教育」「住み心地の良い良質なコミュニティ」を、日本企業の持つ技術・ノウハウの結集、ベトナム企業とのコラボレーションによって解決します。

◯人やコミュニティそのものがスマートで豊かに成長する街
ベトナムの社会課題を解決するためにさまざまな先端テクノロジーを活用し、盤石な基礎インフラ（水、電気、交通インフラ）をベースに、ゼロエミッション（注1）を目指したまちづくりに取り組み、病院や学校、商業施設などに加え、緑や公園などのオープンスペース、水路や桜並木などのある暮らしを提供します。また、アプリによる住民向けサービスをハブに、日本企業が開発した街ならではの、安心でき住み心地の良い環境をつくることで、ローカルコミュニティで住民同士が協力し合い、暮らしの課題を解決しアップデートし続ける、住民やコミュニティそのものがスマートで豊かに成長するまちづくりを進めます。

◯ベトナム内外の企業に対するオープンプラットフォームなまちづくり
最適なルートを提案する通勤モビリティや高度化した認証によるセキュリティ、データ連携プラットフォームによる各家庭のエネルギーマネジメントの最適化、さらにはオンライン診療やリアルタイムでの防災対応など、スマートシティとしてのサービスの高度化を図り、コロナ禍のなかでも安心して生活できるまちづくりを実現します。また、街が持つ情報を活用し、街の住民や来訪者に新たな価値をもたらすリビングラボサービス（注2）を、スタートアップ企業やベトナムでの事業を検討する企業が活用できるよう、街全体をオープンプラットフォーム化し、ベトナム内外の企業を呼び込むことにより、ハノイ市の持続的な発展に貢献します。


今般、6社は、各社の強みを発揮して、コミュニティ、モビリティ、エネルギー、デジタルインフラ（注3）といった各分野において、具体的なサービスおよびタウンマネジメントのあり方を検討します。各社の知見を集約し、外部の助言や協力も生かし、コンソーシアムとしての事業化の方向性を固め、ベトナム企業とも協業します。

住友商事は、2018年4月にスタートした「中期経営計画2020」において「社会インフラ」を成長分野の一つとしており、今後さらにスマートシティプロジェクトを含む都市開発やインフラ整備事業に注力します。本開発は、住民同士が協力し合い、生活課題を共に解決し、街の発展に必要となる要素を絶えずアップデートし続けることで、住友商事が目指す持続可能なまちづくりの基礎となるものです。住友商事は、本開発を通じて、経済成長や人口増加により高まるベトナムの都市需要に応え、民間企業だけでゼロからつくるまちづくりのロールモデルを世界に示すことで、ベトナムと世界の経済・産業の発展へ貢献します。

（注1）ゼロエミッション：環境汚染や気候変動など、大気中に影響を及ぼす廃棄物の排出をゼロにする取り組み。

（注2）リビングラボサービス：各企業が、住民が提供するデータにもとづき行動様式調査や実証実験を行い商品開発に生かすと同時に、住民が新技術や最新の製品を利用できるオープンイノベーション型のエコシステム。

（注3）デジタルインフラ： 街や施設に設置された各種センサーやデバイスから収集した
多種多様なデータを、同一のプラットフォーム上で統合、蓄積、分析し、かつ、プライバシーやセキュリティの保護、各デバイスの管理といった一連の処理を行う統合型IoTプラットフォーム。


■6社の協業体制

■本開発のビジョンとコアバリュー