FRONTEOと第一三共、毒性試験報告書から毒性学的解釈を自動抽出する予測モデルを構築

AI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」を活用、第53回日本毒性学会学術年会にて成果発表

株式会社FRONTEO

株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)は、第一三共株式会社(以下「第一三共」)との共同研究において、方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」*1を用い、「SEND*2データ」と「毒性試験報告書」から「毒性学的解釈に関連する記述を自動抽出する予測モデル」を構築し、その有効性を確認いたしました。
本成果は、2026年7月1~3日に開催された「第53回日本毒性学会学術年会」にて、両社の研究チームが「自然言語処理を活用した毒性試験報告書テキスト解析の可能性」と題して研究成果を発表いたしました。

■毒性情報解析の取り組みの概要

本件は、FRONTEOと第一三共が2024年11月より推進している、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」*3の技術を応用した毒性試験データベースおよび毒性試験報告書の解析・活用に向けた取り組み*4,5の一環です。

過去の毒性試験で得られた知見を将来の研究開発や安全性評価に生かすため、両社は毒性試験データの収集・管理システムの開発を目指してモデル構築と技術検証を実施してきました。昨年の第52回学術年会では、SENDデータと毒性試験報告書のテキストをデータベースに格納し、同一基盤上で参照可能にする基盤システムについて報告しました。

今回はその次の段階として、データベースに蓄積された「数値データ」と報告書に記述された「毒性学的解釈」をAIでひもづける技術の実現可能性を検証しました。申請対応試験の英文報告書だけでなく、記載形式が多様な探索毒性試験の日本語報告書においてもほぼ同等の精度で関連記述を抽出できることが確認され、言語や文書形式を問わない汎用性が示されました。

■予測モデルの構築と検証結果

医薬品の研究開発では、候補化合物の安全性を確認するために毒性試験が実施されます。
試験で得られる血液検査値などの数値データや病理所見などのテキストデータはSENDフォーマットでデータベースに蓄積される一方、「この所見は薬物投与に起因する」「この変化は毒性学的に意義がない」といった専門家の毒性学的解釈は、試験報告書のテキストとして別途記録されています。

蓄積されたデータの二次利用を効率的に進めるには、この「数値データ」「テキストデータ」と「専門家の解釈」を自動的に結びつけることが不可欠ですが、報告書は記載形式が多様であり、両者のひもづけは容易ではありませんでした。

本研究では、FRONTEOが「KIBIT」を用い、第一三共が保有する毒性試験データベースと毒性試験報告書を対象に、「SENDデータに報告書中の毒性学的解釈を自動的にひもづけるために、報告書から毒性学的解釈に関連する記述を抽出する予測モデル」を構築しました。

その結果、テキストの構造が定型的かつ記述が詳細な「申請対応試験の英文報告書」と、テキスト構造が多様で記述が簡潔な「探索毒性試験の日本語報告書」の双方において、良好な予測モデルを構築でき、比較的高い精度で関連記述を抽出することが確認されました。

■今後の展望
製薬企業は長年にわたり膨大な毒性試験データを蓄積していますが、その多くは個別の試験報告として保管されており、組織横断的な知見の再活用は十分に進んでいません。本研究で構築した予測モデルにより、過去の毒性データと専門家の解釈を体系的に整理・検索可能にすることで、新規化合物の安全性予測や毒性試験設計の最適化など、創薬プロセスの複数の段階での活用が期待されます。

現在、過去の毒性試験データを将来の研究開発や安全性評価に活用することを目的として、第一三共において毒性試験データベースおよび報告書活用基盤の整備が進められています。この基盤の上で本研究の成果を実装すべく、両社は蓄積された知見の有効活用に向けたシステム開発を検討してまいります。

FRONTEOは引き続き、研究者との協働とDDAIFの提供を通じて、安全性の高い医薬品の効率的な開発と、医療の質および患者のQOL向上に貢献してまいります。

*1 方程式駆動型AI「KIBIT」:FRONTEOが独自開発した人工知能。方程式を用いることで非連続な発見、因果関係の把握、高い再現性を実現。学習プロセスの軽量化によりCPUレベルで高速・高精度の解析を可能とします

*2 SEND:Standard for Exchange of Nonclinical Data(非臨床試験データ交換標準)。Clinical Data Interchange Standards Consortium(CDISC:医薬品・医療機器開発におけるデータ標準化を推進する国際的な非営利団体)が策定した非臨床試験データの標準フォーマット

*3 DDAIF:AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、KIBITの自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス

*4 2024年11月12日付プレスリリース:第一三共とDrug Discovery AI Factoryを活用した毒性情報の最適化および解析業務に関する契約を締結, https://www.fronteo.com/pr/20241112

*5 2025年8月18日付プレスリリース:FRONTEOと第一三共、Drug Discovery AI Factoryを活用した毒性情報解析に関する第2フェーズ契約を締結, https://www.fronteo.com/news/pr/20250818

■FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)について

【ご参考:製薬企業およびアカデミアとの取り組み】

URL:https://www.fronteo.com/news/ddaif-list

「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化した方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」(日本・欧州・米国・韓国特許取得済*)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的分子候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入され実績を重ねています。
*Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および欧州、米国、韓国で計21件の特許権を取得しています。

URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/

■株式会社FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/

FRONTEOは、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、「KIBIT」の技術が創薬の仮説生成や標的分子探索にも活かされています。

「KIBIT」の独自技術およびアプローチを通じて、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(経済安全保障分野ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野リーガルテックAI分野)、DX(株式会社アルネッツ)の各事業で社会実装を推進しています。

2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国で事業を展開。資本金915,057千円(2026年3月31日時点)。

※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および欧州、米国、韓国における商標または登録商標です。

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会社概要

株式会社FRONTEO

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URL
http://www.fronteo.com
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビル
電話番号
03-5463-6344
代表者名
守本 正宏
上場
東証グロース
資本金
8億9861万円
設立
2003年08月