自動化・省人化に向けた顧客提案や地域の産業創出により、物流業界・地域の課題解決にアプローチ「Landport」シリーズを手掛ける野村不動産、3年間で15棟・投資額約3,400億円の事業化を決定
―物流施設の累計開発・運用棟数60棟、累計投資額8,000億円に到達―

本プレスリリースのポイント |
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1.2025年4月以降の3年間で約3,400億円を投じ、15棟の物流施設の事業化を決定 |
2.物流業界が抱える課題解決や地域コミュニティ活動の促進に向け、以下をはじめとした取り組みを実施 |
(1)長距離配送の中継地点や地域産業創出の役割を果たせる、首都圏エリア以外での施設開発の加速 |
(2)自動化・省人化による課題解決を促す「Techrum」による、お客様ニーズに合ったソリューション提案数の増加 |
(3)地域コミュニティ活動の促進による雇用創出や物流施設の魅力向上に寄与する取り組みへのさらなる注力 |
(4)法改定などの外部環境の変化に伴う、人材育成支援に向けたCLOサロンの実施 |
野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:松尾大作、以下「当社」)は、高機能型物流施設「Landport」シリーズを手掛けております。この度、当社は物流事業に2025年4月以降の3年間で総額約3,400億円※1を投じ、全15棟(総延床面積:約130万㎡)の事業化を決定しましたのでお知らせいたします。なお、これにより2028年3月までの間に、当社が手掛ける物流施設(「Landport」シリーズ以外の物流施設も含む)の開発・運用棟数の累計は60棟、累計の延床面積は約365万㎡になる見込みです。
日本国内のEC市場の規模は令和5年で24.8兆円(前年比9.23%増)と増加を続けている一方、運送事業者における時間外労働の上限規制による「2024年問題」や、物流施設での商品包装・仕分け・検品などに従事する様々な労働力不足が深刻化しております。今後具体的な対応をしない場合、新型コロナウイルス感染症拡大以前の2019年度の貨物輸送量等と比較し、2030年度には約34%不足する可能性があると言われております※2。そのような中、国土交通省や関係省庁が中心となり、物流業界の課題解決を目的に、運送事業者の働き方改革や物流の効率化など様々な取り組みが行われています。当社の物流事業においても、物流業界が直面しているさまざまな課題に対して、首都圏以外のエリアでも物流施設を開発することによる長距離配送の中継輸送への対応や、倉庫内自動オペレーションの最適化を目指した「Techrum(テクラム)※3」の取り組みなどを行ってまいりましたが、今後更なる施設開発・運営を加速し、物流業界の課題解決に貢献してまいります。

※1: 土地の取得から竣工までにかかった費用で計算しております
※2: 経済産業省サイト:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/20230208_1.pdf
※3: Techrum 公式HP:https://www.nomura landport.com/techrum/
1.今後の「Landport」シリーズの事業展開について
2025年4月以降の3年間で竣工予定の施設は以下の通りであり、総延床面積は約130万㎡に上ります。加えて当社初の冷凍冷蔵倉庫の開発や、これまで棟数の少なかった東北・九州エリアにおける棟数増加を予定しております。当社の物流事業に対する2022年度~2024年度の投資額は10棟で約1,300億円でしたが、2025年度~2027年度においては、2.6倍となる15棟で約3,400億円に増加する見込みです。今後も積極的に投資を行っていき、より拡大していく物流施設への需要に応えてまいります。

【首都圏エリア以外でも棟数が大幅に増加】
これまで「Landport」シリーズは、主に首都圏エリアにて展開しておりました。しかし全国各地にて物流施設を展開することで、「荷待ち時間の短縮による物流効率化」や「地域の雇用創出や経済の活性化」などへ寄与するため、これまで棟数が少なかった首都圏以外のエリアにおいても事業を拡大してまいります。

2.今後注力していく「Landport」における施設運営面の取り組み
(1)自動化・省人化による課題解決を促すTechrum(テクラム)によるソリューション提案数の増加
当社はこれまで、自動化・省人化に向けた様々な課題解決を目指し、ロボティクスやICT、搬送機器など物流関連技術を有する企業各社と連携し、当社が核となって組成する企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」に取り組み、様々な荷主・物流企業固有の課題解決へ向けた総合的なソリューション提案を2021年より行ってまいりました。テクラムの効果検証拠点である「習志野Techrum Hub」においては、実際の環境に近い場所で物流機器を稼働させ、それぞれの物裕業務に適した最適化手法を見つけることができる展示会(以下「デモ会」)を実施しております。
2025年3月までの間で、Techrumに参画いただいているパートナー企業は115社、「デモ会」への参加社は421社、効率化に向けたオペレーションの提案件数は153社にまでのぼり、着実に自動化・省人化による課題解決に向けた成果を上げております。将来的には、「習志野Techrum Hub」以外の施設においても、実際に導入されているソリューションを見ていただけるような効果検証拠点の拡大も検討しており、今後もテクラムによるソリューション提案数を増加させてまいります。

【テクラムの過去の取り組み実績】
⚫物流施設内の自動化機器を活用して物流課題解決を推進する企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」を2021年4月より開始(2021年3月23日プレスリリース)
⚫物流に係る企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」 業種・品物のカテゴリー毎に入出荷の実作業場面を想定したソリューションの展示開始(2024年11月14日プレスリリース)
(2)物流施設を地域のコミュニティにつなげる取り組みを実施
地域コミュニティ活動の促進による雇用創出や物流施設の魅力向上に寄与する取り組みも行っており、今後さらに注力してまいります。2025年3月に竣工した「Landport横浜杉田(所在地:横浜市金沢区)」においては、金沢区と防災協定を締結し、災害の際に津波避難施設に登録されていることの認知拡大や地域住民の方を巻き込んだ防災イベントの定期開催を行うことや、施設の屋上に農園を設け、食農の学びの場づくりやテナント企業間交流、憩いの場として利用できる場として整備していることに加え、杉田地域の歴史樹木「杉田梅」の文化発信や保護活動の実施を行うことで、地域文化の継承への貢献を目指しております。
また、今後竣工予定の「Landport東海大府Ⅰ・Ⅱ」、「Landport柏」、「Landport野田」などの新規開発物件においては、地域住民や自治体、商店などの近隣の地域活動団体の皆さまのニーズが高い設備を直接ヒアリングして、お客様に寄り添った設備を導入できるような取り組みを行っていきます。

※4: 2025 年4 月18 日リリース:IHIと野村不動産による大規模物流施設「Landport 横浜杉田」竣工
(3)法改定などの外部環境の変化に伴う、人材育成支援に向けたCLOサロンの実施
運送事業者における時間外労働の上限規制による「2024年問題」の解決に向け、サプライチェーン全体の効率化を促進するために、2026年4月より一定規模以上の事業者(特定事業者)について、CLO(物流統括管理者:Chief Logistics Officer)の設置が法律で義務付けられ、対象となる企業は3200社※5まで上ると言われております。しかし、CLOが果たすべき役割や業務などのノウハウはこれから確立していく必要があります。
そこで、CLO候補を含む人材が集まり、業界内での情報共有を活発に行い、CLOの役割や実務、荷主企業の組織のあり方などを模索しながら、高度な物流人材を育成する企業を支えるために、当社は「CLOサロン」を立ち上げました。
CLOサロンでは、国内外の最新事例や各企業の取り組みを紹介し、CLO人材としてのあるべき姿などを提言できる場としての活用や、「積載効率の上昇」や「荷待ち時間短縮」などの知見を持ち帰り、自社のCLO設置やチームビルディングに活かせる場として活用しております。当社は今後も物流業界の課題解決に向け、CLOサロンを継続的に実施する予定としており、人材育成の支援に貢献します。

※5: 国土交通省資料:物流改正法の施行について(https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000345218.pdf pdf)
3.野村不動産グループ 経営計画※6との関連
野村不動産グループは、2025年4月に発表した「経営計画」において、野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developer へ」の実現を目指し、グループ全体で、人びとの「幸せ」と社会の「豊かさ」の最大化を追求することを掲げております。
その実現に向け、当社が物流事業において注力していく業界の課題解決や地域の産業創出の取り組みは有効なアプローチだと考えており、「経営計画」を構成する「3 カ年計画」における事業方針では、事業量の拡大と持続的な成長を実現するための「注力領域」として物流事業を位置付けております。ハード面だけでなく、お客様の物流における課題解決に取り組むソフト面からも価値提案を行うことに加え、物流事業の知見を活かした、情報システムやエネルギー分野や自然環境などの周辺領域への新たな事業展開も検討しており、これからも当社は物流事業を通じて、人びとの「幸せ」と社会の「豊かさ」の最大化を追求してまいります。
※6: 2025 年4 月公表:野村不動産グループ 経営計画(長期経営方針・3 カ年計画(2026/3 期~2028/3 期))説明資料
参考①:新たに発表する施設の詳細(計画は今後変更となる可能性があります。)



【参考②】
野村不動産グループ2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」の実現を目指し、グループ全体で、人びとの「幸せ」と社会の「豊かさ」の最大化を追求するため、2025年4月に新たな経営計画を公表しました。

※3 カ年計画は長期経営方針を基に、今後3カ年で注力する事業方針を示したものになります。
※経営計画の詳細は【野村不動産グループ 経営計画】をご確認ください。
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