FRONTEOとカイオム・バイオサイエンス、バイスペシフィック抗体医薬品創出に向けた共同研究を開始
AIによる新規標的探索と独自の抗体創薬技術を融合し、標的探索から抗体候補創製までを加速
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下「FRONTEO」)と株式会社カイオム・バイオサイエンス(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:小池 正道、以下「カイオム」)は、バイスペシフィック抗体(二重特異性抗体)*1医薬品の創出を目的とした共同研究を開始することをお知らせします。

本共同研究では、FRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下「DDAIF」)」*2による新規標的探索と、カイオムが有する「DoppeLib™」*3をはじめとする抗体創薬技術を組み合わせ、標的探索から抗体候補の創製・検証までを連続的に進めることで、アンメットニーズの高い疾患に対するバイスペシフィック抗体医薬品候補の創出を加速します。
両社は複数の研究テーマについて共同研究を実施し、2027年度中にバイスペシフィック抗体医薬品候補を創出し、獲得された抗体医薬候補については、共同開発や製薬企業等への速やかな導出*4を目指します。
■創薬上の課題とバイスペシフィック抗体の可能性
バイスペシフィック抗体は、1つの抗体分子が2つの異なる標的に結合するよう設計された抗体です。通常の抗体とは異なり、2つの標的分子あるいは1つの標的分子上の2つの抗原に対して同時に結合することで、免疫細胞をがん細胞に誘導する、特定の細胞にその活性を増強するシグナルあるいは抑制するシグナルを入力する、複数のシグナル経路を同時に制御するなど、新たな作用機序による治療効果が期待されています。
半面、バイスペシフィック抗体の創薬では、どの抗原同士を組み合わせるかに加え、抗体の構造、結合部位の配置、抗原への結合親和性、物性など、多数の要素を考慮する必要があります。このため、有望な標的あるいは抗原の組み合わせの発見と、その仮説を実際の抗体として迅速に作製・検証する技術の双方が重要となります。
■本共同研究の概要とねらい:AIによる仮説創出と抗体創製を直結し、創薬を加速
FRONTEOは、DDAIFにおいて、医学・薬学論文などの膨大な情報を自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」*5で解析し、既知の情報からこれまで明示的に報告されていない疾患と標的分子の関連性を見出す非連続的発見によって、新規性の高い創薬仮説を生成しています。
一方、カイオムは、独自の抗体作製技術「ADLib®システム」*6をはじめとする複数の抗体作製技術に加え、抗体のヒト化や親和性向上などの抗体エンジニアリング、評価など、抗体創薬を幅広く支える技術基盤を有しています。また、バイスペシフィック抗体創製技術DoppeLib™により、多数の抗体の組み合わせをハイスループットで効率的に作製・評価することが可能です。

本共同研究では、FRONTEOがDDAIFを用いて、各研究テーマについて疾患と関連する標的分子を解析し、バイスペシフィック抗体として有望と考えられる複数の標的の組み合わせ候補を選定します。カイオムは、DoppeLib™を活用してバイスペシフィック抗体候補を作製し、結合活性や機能などを評価します。さらに、有望な候補について、薬効や安全性、医薬品としての適性などを考慮した最適化・検証を進めます。
FRONTEOが得意とする、既存の知見にとらわれない新規性の高い創薬仮説の創出と、カイオムが有する抗体取得から評価・最適化までの高い抗体創薬技術を直結させることで、AIによる仮説生成にとどまらず、その仮説を実際の抗体候補として迅速に作製・検証する研究サイクルを構築します。両社は、本共同研究を通じて、アンメットニーズの高い疾患に対する有望な抗体医薬品候補を創出し、製薬企業等への導出につなげることで、新たな治療選択肢の提供を目指します。
■カイオム 代表取締役社長 小池 正道コメント
「創薬においては、既存の知見の延長線上だけでは捉えきれない新たな標的や作用機序を見出すことが重要ですが、それだけでは治療選択肢の創出には至りません。仮説を実験によって検証し、実証していくプロセスが不可欠です。FRONTEOのDDAIFは、膨大な医学・薬学情報から非連続的な発見を導き出す仮説創成に強みを持ち、当社の抗体創薬技術はまさにその仮説を抗体創製・実験によって実証する力を有しています。両社の強みを組み合わせることで、AIによる仮説生成から実際の抗体候補の創製・検証までを大きく加速し、アンメットニーズの高い疾患に対する新たな治療選択肢の創出に貢献してまいります。」
■FRONTEO 取締役/CSO(Chief Science Officer) 豊柴 博義コメント
「FRONTEOは、DDAIFを通じて、独自のAI技術を活用し、新規性の高い有望な創薬標的を短期間で見出すことを強みとしています。一方、創薬標的を実際の医薬品候補へとつなげるためには、その標的を適切に狙うモダリティと、仮説を迅速に検証する技術が不可欠です。カイオムは、抗体創薬における高い技術力と豊富な知見を有し、極めて迅速に抗体候補を創製・評価する技術基盤を持っています。両社の技術を融合することで、標的探索から抗体取得、検証までの創薬プロセスを大きく加速できると考えます。本共同研究から、革新的な抗体医薬品候補を創出できることを期待しています。」
*1 バイスペシフィック抗体:1つの抗体分子が2種類の異なる抗原・標的に結合できるよう設計された抗体。2つの標的に同時に作用させることで、通常の抗体では得られない作用機序や高い治療効果を実現することが期待されており、がんをはじめとするさまざまな疾患領域で研究開発が進められている
*2 DDAIF:AIと創薬に精通したFRONTEOの創薬エキスパートが、自社開発のAI「KIBIT(キビット)」の自然言語処理技術と独自の解析手法を駆使し、標的分子・適応症探索やその裏付けとなる仮説を提供するAI創薬支援サービス
*3 DoppeLib™:カイオムの多重特異性抗体ハイスループットスクリーニング技術。迅速かつ網羅的に最適な多重特異性抗体取得を可能にする
*4 導出:製薬企業においては、自社内で研究開発を行う形態のほか、他社・他機関から医薬品候補化合物などの開発権や販売権を獲得するケースがあり、後者の場合に、開発した企業・機関が製薬企業に対してそれらの開発権・販売権などの許諾・譲渡を行うこと
*5 方程式駆動型AI「KIBIT」:FRONTEOが独自開発した人工知能。方程式を用いることで非連続な発見、因果関係の把握、高い分析精度と再現性を実現。学習プロセスの軽量化によりパソコン1台で稼働。日欧米で特許取得済み
*6 ADLib®システム:ニワトリDT40細胞の抗体遺伝子の組換え活性化によって抗体を作製する技術。1)治療薬や診断薬の候補抗体の作製が迅速である(セレクションからスクリーニングまで最短10日間程度で完了)、2)独自の多様化メカニズムに基づいた抗体作製が可能、3)得られた抗体の標的に対する結合力の強化(親和性向上)が容易、といった特長を有する
■DoppeLib™について

DoppeLib™は、多数の抗体の組み合わせを効率的かつ網羅的に評価し、有望な二重特異性抗体候補を探索する独自のハイスループットスクリーニング技術です。二重特異性抗体の創製では、親抗体の増加に伴い評価すべき組み合わせが飛躍的に増加することが課題となりますが、DoppeLib™により膨大な抗体の組み合わせを効率的にスクリーニングすることで、有望な組み合わせの探索を可能とします。これにより、二重特異性抗体の研究開発の効率化を図るとともに、従来の探索手法では見出しにくかった新たな候補抗体の創出を目指します。
■株式会社カイオム・バイオサイエンスについて URL:https://www.chiome.co.jp/
カイオムは、DoppeLib™等の当社独自の抗体作製技術や創薬ノウハウを用いてアンメットニーズの高い疾患領域に対する抗体創薬を手掛ける創薬事業と、製薬企業やアカデミアに対し抗体作製やタンパク質発現・精製等のサービスの提供を行う創薬支援事業を展開するバイオベンチャーです。また、当社の強みであるバイオ創薬におけるモノづくりの機能を活用し、スタートアップ支援のIDD(Integrated Drug Discovery)を展開しております。IDDでは当社のモノづくり力を通じて日本の創薬エコシステム循環への貢献も目指した経営を進めております。
■FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)について
【ご参考:製薬企業およびアカデミアとの取り組み】
URL:https://www.fronteo.com/news/ddaif-list

「FRONTEO Drug Discovery AI Factory(DDAIF)」は、自然言語処理に特化した方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」(日本・欧州・米国・韓国特許取得済*)と、FRONTEOの創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したAI創薬支援サービスです。疾患関連遺伝子ネットワークの解析や、標的分子候補に関する仮説の構築を通じ、医薬品開発における研究者の意思決定を強力にサポートします。本サービスはすでに複数の大手製薬企業で導入され実績を重ねています。
*Drug Discovery AI Factoryに使われている技術は、FRONTEOが日本および欧州、米国、韓国で計21件の特許権を取得しています。
URL:https://lifescience.fronteo.com/products/drug-discovery-ai-factory/
■株式会社FRONTEOについて URL:https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の方程式駆動型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日本・欧州・米国・韓国特許取得済)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、「KIBIT」の技術が創薬の仮説生成や標的分子探索にも活かされています。

「KIBIT」の独自技術およびアプローチを通じて、「集合知に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、リスクマネジメント(経済安全保障分野、ビジネスインテリジェンス・コンプライアンス支援分野、ビジネスインテリジェンス・プロフェッショナル支援分野、リーガルテックAI分野)、DX(株式会社アルネッツ)の各事業で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国で事業を展開。資本金915,057千円(2026年6月30日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI FactoryはFRONTEOの日本および欧州、米国、韓国における商標または登録商標です。
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