10/11国際ガールズ・デー ユニセフ、女の子は家事に毎日1.6億時間多く費やすと報告【プレスリリース】
世界初のデータによって浮き彫りになるジェンダー格差
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は http://bit.ly/2dyNbts からご覧いただけます。
※本信に関連する動画・画像素材はhttp://weshare.unicef.org/Package/2AMZIFM2ONZ からダウンロードいただけます(関連動画の公開は情報解禁以降を予定しております)。
【2016年10月7日 ニューヨーク発】
10月11日の国際ガールズ・デーに先立ち、ユニセフ(国連児童基金)が発表した報告書によると、5歳から14歳の女の子は同じ年齢の男の子に比べ、無報酬の家事労働や水汲み、薪を集めるために40%も多くの時間を、または1日に1億6,000万時間も多く時間を費やしていることが分かりました。
報告書『データの力を女の子のために:現状の把握と2030年に向けて(Harnessing the Power of Data for Girls: Taking stock and looking ahead to 2030)』は、世界で初めて算出された、食事作り、掃除、家族の世話などの家事や、水や薪を集めるために女の子が費やす時間の世界全体の推定値を含んでいます。
5歳から9歳の女の子は同じ年齢の男の子に比べ、1日に30%または4,000万時間も多く家事のために時間を使うことが明らかになり、性別によって過度な家事負担が幼いころより始まることをこの報告書のデータは示しています。この数字は年齢が高くなるにつれて大きくなり、10歳から14歳の女の子においては毎日50%または1億2,000万時間多くなります。
「無報酬の家事労働による過度な負担は幼いころより始まり、女の子が青少年期に達する頃にはさらに大きくなります」と、ジェンダー問題首席アドバイザーのアンジュ・マルホトラは述べました。「結果として、女の子たちは学び、成長し、そして純粋に子ども時代を楽しむ重要な機会を犠牲にしています。子どもたちの間でのこの不平等な労働の分配は、ジェンダーにおける固定概念を定着させ、何世代にもわたって女性と女の子に二重の負担を強いるのです」
女の子が行う仕事は外に見えないことが多く、過小評価されがちであることをこの報告書は指摘しています。おとなの責任である他の子どもを含む家族の世話を、あまりにも頻繁に女の子は押し付けられています。家事に費やされる時間は、女の子が遊び、友だちと関わり、学び、子どもでいられる時間を制限します。いくつかの国では、薪集めや水汲みは女の子を性的暴行の被害に逢う危険にさらします。
報告書は、ほかにも以下について明らかにしています:
・南アジア、中東と北アフリカに住む10歳から14歳の女の子は、男の子に比べて家事労働に2倍近くの時間を費やす
・10歳から14歳の女の子が男の子に比べて最も不平等な家事労働の負担を強いられる国は、ブルキナファソ、イエメンとソマリアである
・ソマリアの10歳から14歳の女の子は最も多くの時間を家事労働に費やしており、その総時間は毎週26時間になる
「女の子が直面する課題を数値化することは、11億人いる世界の女の子が直面する困難をとり除き、ジェンダーの平等のという持続可能な開発目標(SDG)を達成するための最初の重要なステップです」と、ユニセフのデータ分析部門チーフのアッティラ・ハンシオグル(Attila Hancioglu)は話しました。
一方、報告書『データの力を女の子のために:現状把握と2030年に向けての取り組み』では、貧困をなくし、地球環境を守り、すべての人々の繁栄を確かなものにする世界的な計画である持続可能な開発目標(SDGs)における、44の女の子に関する指標のうち3分の2は、そのデータが限定的か不正確だと言及しています。家事労働に加え、報告書は、持続可能な開発目標として取り組んでいる暴力、児童婚、女性性器切除や教育を含む女の子に関連する課題についてのデータを提示しています。これらの課題に取り組んでいる持続可能な開発目標を達成し、持って生まれた可能性を十分に伸ばすために必要な知識、技術と支援を提供し、女の子に力を与えることは、女の子にとって良いだけでなく、経済的成長と平和を促し、貧困を減らすことにつながります。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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