日本アンテナ株式会社の株式交換による完全子会社化及び、エレコムグループとの経営統合に関する基本合意書の締結に関するお知らせ
なお、本基本合意書には法的拘束力はなく、また、競争法その他法令上必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することを前提としています。今後、競争法の対応やデュー・ディリジェンスを進めた上で、法的拘束力のある株式交換契約を締結することを目指し、協議・検討を進める予定です。株式交換契約を締結することを決議した場合には、その内容について改めて開示いたします。
1.本経営統合の目的・意義
(1)本経営統合の目的
当社グループの経営資源投入による、放送アンテナ関連事業基盤の一層の強化及び、通信アンテナ事業における、官公庁を対象とした公共性の高い事業の継続及び拡大が目的となります。
(2)背景・経緯
当社は、パソコン及びデジタル機器関連製品を中心とした強固な事業基盤を持つBtoC事業のほか、M&Aも積極的に活用しつつ、BtoB事業についても、注力領域として事業を拡大しています。
2017年には、放送アンテナ・受信関連機器等をトータルでご提案するDXアンテナの株式を取得し、子会社化いたしました。DXアンテナの子会社化後は、当社グループの事業基盤を活用し、効率的な事業運営を実現しています。また、さらなる成長に向けてセキュリティ事業へ本格進出し、放送事業以外の分野においても領域を拡大しています。
日本アンテナは、創業以来、放送系と通信系の多様な顧客基盤や、放送・通信の領域で一貫して築き上げた放送用アンテナ及び通信技術・施工技術、質の高い充実した試験設備等を有しています。また、官公庁向けのデジタル無線アンテナは安定した事業基盤を有しており、公共性の高い事業と認識しております。
一方で、両社の置かれている市場環境は非常に厳しく、放送機器においては地上デジタル放送の導入時をピークに、1,000億円だった市場規模が現在は400億円まで減少しており、今後もコンテンツの多様化やインターネットにおける需要の代替が行われていき、縮小傾向になるものと考えております。併せて、資材コストの高騰や円安、半導体不足など、取り巻く事業環境は一段と厳しさが増しています。
こうした環境下において、日本アンテナは三期連続での営業赤字を見込んでおり、市場環境を踏まえると資本戦略オプションを含めた抜本的な改革なしには大幅な改善は見込めない状況にあることを鑑み、主幹事証券会社を介して、DXアンテナにおいて安定した利益を計上している当社グループとの本経営統合に関する協議が開始されました。
その後、日本アンテナに対してビジネス関連のデュー・ディリジェンスを実施する等、当社グループでは慎重に検討して参りました。そして、日本アンテナと協業することにより、放送アンテナ関連事業基盤の一層の強化、通信アンテナ事業の拡大、官公庁を対象とする公共性の高い事業が継続を実現できると判断し、両社での協議・検討を重ねた結果、本基本合意書の締結に至りました。
(3)本経営統合の基本方針
本経営統合の一環として、当社と日本アンテナでは株式交換を予定しています。
本株式交換によって、当社が保有する自己株式を有効活用し、キャッシュアウトを抑制しつつ、本経営統合に必要な資金を投下することが可能となります。また、本株式交換の対価として、当社の普通株式が日本アンテナの株主の皆様に交付されます。そのため、本株式交換後に想定している各種施策により、事業の発展・収益拡大が見込まれるため、当社株式の株価上昇による利益を享受する機会が得られます。また、一方で、流動性の高い当社株式は、随時現金化できることから、各ステークホルダーの皆様にとって適切な手法だと判断しました。
本株式交換後は、本経営統合に向けて当社主導の下、調達・開発・製造・販売等に係る当社グループの事業基盤の積極活用やリソースの投入を行い、当社グループ既存事業と相互の知見を活かした連携を深めていくことで、両社の更なる成長と企業価値向上を目指してまいります。
まずは、日本アンテナがおかれた厳しい事業環境を踏まえたうえで、当社グループとの機能統合及びDXアンテナとの経営統合を行うため、必要な構造改革を進めます。当該構造改革により、日本アンテナにて2025年3月期中に規模に見合った一時的な費用が発生することが見込まれますが、同時に、企業価値向上につながる種々の施策を打たれるものと想定しております。
更なる詳細につきましては、引き続き両社で協議・検討していく予定です。
2.本経営統合の要旨
(1)今後のスケジュール
本基本合意書締結の取締役会決議(両社) | 2024年4月25日 |
本基本合意書締結(両社間) | 2024年4月25日 |
本株式交換契約及び本経営統合契約の締結・公表 | 2024年7月~8月(予定) |
本株式交換契約承認のための日本アンテナにおける 臨時株主総会(注1) | 2024年9月~10月(予定) |
本株式交換の効力発生 (競争法クリアランス・許認可等の取得後の想定) | 2024年10月~11月(予定) |
(注1)本株式交換は、会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより、本株式交換契約について当社の株主総会における承認を受けずに行う予定です。
(注2)上記は現時点での予定であり、競争法その他法令上必要なクリアランス・許認可等の取得の状況等を踏まえ、上記日程を変更する可能性があります。
(2)本経営統合の方式
本経営統合は、競争法上必要なクリアランス・許認可等の取得が完了することを前提に、当社を株式交換完全親会社、日本アンテナを株式交換完全子会社とした「株式交換」を予定しています。なお、本株式交換は、当社については会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続きにより、本株式交換契約について当社の株主総会における承認を受けずに行う予定です。 また、本経営統合の方式については、今後両社での継続的な協議及び検討を重ね、相互で実施する予定のデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、変更する可能性があります。
本株式交換の効力発生後は、DXアンテナと日本アンテナの経営統合に向けて、速やかに実務上の検討を進めてまいります。
(3)本株式交換による割当ての内容
本株式交換に際し、当社は日本アンテナの株主様に対して当社の普通株式を交付する予定です。株式交換比率は、競争法当局からの問題解消措置の要請有無及びその内容、今後のデュー・ディリジェンスにおける結果並びに第三者算定機関より提出される算定結果を踏まえ、両社で協議の上、株式交換契約締結までに決定いたします。
3.本経営統合の当事会社の概要
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| 株式交換完全親会社 (2023年12月31日現在) | 株式交換完全子会社 (2023年12月31日現在) |
(1) | 名称 | エレコム株式会社 | 日本アンテナ株式会社 |
(2) | 所在地 | 大阪市中央区伏見町4丁目1番1号 明治安田生命大阪御堂筋ビル9階 | 東京都荒川区西尾久7丁目49番8号 |
(3) | 代表者の役職・氏名 | 代表取締役会長 葉田順治 | 代表取締役社長 瀧澤功一 |
(4) | 事業内容 | パソコン及びデジタル機器関連製品の開発、製造、販売 | 通信用、放送用アンテナ等の開発、製造、販売 |
(5) | 資本金 | 12,577百万円 | 4,673百万円 |
(6) | 設立年月日 | 1986年5月28日 | 1953年11月20日 |
(7) | 発行済株式数 | 92,221,420株 | 14,300,000株 |
(8) | 決算期 | 3月末日 | 3月末日 |
(9) | 従業員数 | (連結)1,533名 (2023年3月31日現在) | (連結)585名 (2023年3月31日現在) |
(10) | 主要取引銀行 | 株式会社三菱UFJ銀行、 株式会社三井住友銀行、 株式会社みずほ銀行、 株式会社りそな銀行 | 株式会社りそな銀行、 株式会社みずほ銀行 |
(11) | 大株主及び持株比率 (注3) | 葉田 順治 21.78% | 株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.20% |
有限会社サンズ 15.13% | 光通信株式会社 7.17% | ||
日本マスタートラスト 信託銀行株式会社(信託口)8.51% | 瀧澤豊 7.14% | ||
株式会社ジャスティン 6.43% | 瀧澤功一 6.92% | ||
株式会社日本カストディ 銀行(信託口) 2.86% | 株式会社りそな銀行 4.78% | ||
株式会社三菱UFJ銀行 2.25% | 株式会社UH Partners 3 4.70% | ||
TAIYO FUND,L.P. 2.17% | 瀧澤賢二 4.62% | ||
エレコム社員持株会 1.97% | 株式会社UH Partners 2 4.38% | ||
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505227 1.43% | 西川喜代子 4.36% | ||
TAIYO HANEI FUND, L.P.1.32% | 大野榮子 3.85% |
(12) | 当事会社間の関係 |
資本関係 | 該当事項はありません。 | |
人的関係 | 該当事項はありません。 | |
取引関係 | 該当事項はありません。 | |
関連当事者への該当状況 | 該当事項はありません。 |
(13) | 最近3年間の経営成績及び財政状態 |
エレコム株式会社 (連結) | 日本アンテナ株式会社 (連結) |
決算期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 |
連結純資産 | 76,813 | 81,401 | 81,204 | 18,882 | 16,967 | 14,758 |
連結総資産 | 106,009 | 110,621 | 106,846 | 23,207 | 21,685 | 19,361 |
1株当たり 連結純資産 (円) | 840.72 | 923.89 | 957.74 | 1,818.74 | 1,633.03 | 1,414.49 |
連結売上高 | 107,220 | 107,358 | 103,727 | 15,297 | 12,606 | 12,070 |
連結営業利益 | 15,140 | 13,945 | 11,305 | 284 | △1,299 | △1,932 |
連結経常利益 | 15,207 | 14,398 | 11,376 | 230 | △1,225 | △1,933 |
親会社株主に 帰属する 当期純利益 | 10,752 | 10,398 | 8,129 | △79 | △1,766 | △1,861 |
1株当たり 連結当期 純利益 (円) | 119.55 | 114.91 | 95.32 | △7.38 | △170.10 | △178.58 |
1 株当たり 配当金 (円) | 69.00 (注4) | 37.00 | 40.00 | 26.00 | 21.00 | 21.00 |
(単位:百万円。特記しているものを除く。)
(注3)両社の大株主及び持株比率は、2023年9月30日現在の情報を記載しております。
(注4)2021年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、分割実施前の水準となります。
4.今後の見通し
本基本合意書締結が当社の当期業績に与える影響は、現時点では未定です。今後の進展によって公表すべき事項が生じた場合に、速やかにお知らせいたします。
詳細は下記URLより当社HPをご覧ください。
https://www.elecom.co.jp/news/release/20240425-01/
企業情報
エレコム株式会社は、IT周辺関連製品の開発、製造、販売を行っています。近年では、パソコンやスマートフォンなどのデジタル分野だけでなく、ヘルスケア・医療・放送・社会インフラなどの様々な分野に進出し、これまでになかった快適さや便利さを「暮らし」と「社会」にお届けしています。新しいテクノロジーがもたらすイノベーションとユーザーをつなぐ“かけ橋”となる、新たな製品やビジネスソリューションを提供します。
会社概要
会社名 :エレコム株式会社
本社所在地 :大阪市中央区伏見町4丁目1番1号 LAタワー9F
設立 :昭和61年(1986年)5月
代表者 :共同社長執行役員 石見浩一
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