令和2年度 事業引継ぎ支援事業に係る実績について　～事業引継ぎ支援センターの成約、相談件数ともに過去最高～

独立行政法人中小企業基盤整備機構（略称：中小機構、所在地：東京都港区、理事長：豊永 厚志）は、全国の事業引継ぎ支援センター（以下「センター」という）（※）における、令和2年度実績を取りまとめました。

■令和2年度は過去最高の実績
令和2年度の事業引継ぎ成約件数は、1,379件（前年度比117%）と過去最高となりました。また、相談者数についても、11,686者（前年度比101%）と、同じく過去最高を記録しました。その結果、平成23年度のセンター開設以来の累計では、事業引継ぎ成約件数は4,956件、相談者数は60,191社となりました。
令和2年度は、新型コロナウイルスの影響により、年度当初は相談者数が減少したものの、年間を通じた成約件数及び相談者数はともに過去最高となり、コロナ禍においても事業承継は中小企業の喫緊の重要課題であることが改めて示された形です。中小機構では、本事業の全国本部として引き続き中小企業の円滑な事業承継の促進に向けて注力してまいる所存です。

■全国48か所に後継者人材バンク設置　登録者4,000者超
また、令和2年度は、全国48箇所全てのセンターに後継者人材バンクが設置され、事業を開始しました。この事業は、創業を希望する個人を登録させ、後継者不在の小規模企業や個人事業主とマッチングし、条件があえば譲渡成立させる事業です。創業希望者は事業基盤を引き継ぐことで、創業初期の事業立ち上げを円滑に行うことができ、後継者不在の経営者は意欲ある後継者に会社を譲渡することで、事業の継続や雇用の確保もできるという双方にメリットのある制度です。
令和3年3月31日時点で、後継者人材バンクの累計登録者数は4,055者、うち成約まで至ったものは累計で134件となっており、今後も更なる増加が見込まれます。

■本年4月からセンターがリニューアル
令和3年4月から、センターは新たに「事業承継・引継ぎ支援センター」としてリニューアルされました。これまで主に第三者承継（M&A）支援を行ってきたセンターに、「親族内承継支援」、「中小企業の意識啓発のための診断事業」等が追加され、地域の事業承継のワンストップ機関として、あらゆる相談に対応できるよう体制が強化されました。中小機構では、引き続き全国本部として、全国のセンターの活動を幅広くバックアップしてまいります。

（※）事業承継・引継ぎ支援センターについて
事業承継に課題を抱える中小企業経営者・小規模事業者をサポートするため、国が47都道府県（48箇所）に設置した公的相談窓口です。後継者のいない経営者の方には、第三者承継（M&A）のためのマッチング及び成約に向けたサポートもしています。
各地の事業承継・引継ぎ支援センターにつきましては、以下のホームページをご参照下さい。
■事業承継・引継ぎポータルサイト（「事業承継・引継ぎ」で検索）
https://shoukei.smrj.go.jp/


＜参考資料＞
●センターの相談者、成約件数の推移は以下の通り。いずれも過去最高を記録。

センター相談者数の推移

センター成約件数の推移

●成約企業の業種別内訳、規模別内訳は以下の通り。内訳の比率・傾向等は概ね例年と同様となっている。

成約譲渡企業の業種（令和2年度）

成約譲渡企業の売上規模（令和2年度）

●後継者人材バンクが令和2年度から全国の全てのセンターに設置された（それまでは、いくつかのセンターのみ任意で設置。）累計の登録者数は令和2年度末で4,000者を超えた。

後継者人材バンク登録者数の推移

後継者人材バンク成約件数の推移

＜独立行政法人中小企業基盤整備機構（中小機構）について＞
中小機構は、事業の自律的発展や継続を目指す中小・小規模事業者・ベンチャー企業のイノベーションや地域経済の活性化を促進し、我が国経済の発展に貢献することを目的とする政策実施機関です。経営環境の変化に対応し持続的成長を目指す中小企業等の経営課題の解決に向け、直接的な伴走型支援、人材の育成、共済制度の運営、資金面での各種支援やビジネスチャンスの提供を行うとともに、関係する中小企業支援機関の支援力の向上に協力します。
また、「中小企業事業承継・引継ぎ支援全国本部」を設置し、全国の事業承継・引継ぎ支援センターの活動をサポートしています。