【CIBONE】作原文子氏がスタイリングした空間も話題に|Piet Hein Eekと長坂常氏のトークイベントに多くの来場者が集まる

株式会社ウェルカム

スクラップ木材や工場廃棄物などの素材を使用してユニークな作品を生み出し続けるオランダ人インテリアデザイナーPiet Hein Eek(ピート ヘイン イーク)のエキシビションが6月19日(金)よりCIBONE(表参道)にてスタート。初日に行われたレセプションではPietと長坂常氏(ながさか じょう・スキーマ建築計画)によるトークイベントが行われ、想定来場者数を大きく上回る反響をいただきました。以下に会場の様子やトークイベントの内容をご紹介いたします。

会場の空間スタイリングはインテリアスタイリストの作原文子氏が全面担当

Old Window Cabinet
今回のエキシビションのために日本の生活様式に合わせて作られたキャビネット
作原氏の私物と組み合わせて作られた会場空間 
Pietの家具が入っていたコンテナ箱を壁面に見立て、部屋のような空間を演出

今回のエキシビションに際し、会場構成および空間のスタイリングはPietを敬愛するスタイリストの一人でもあり、日本の第一線で活躍するインテリアスタイリストの作原文子(さくはら ふみこ)氏が担当。「時間」「素材」「人の気配」をテーマに、彼女が世界を旅して出会った私物の小物を多く取り入れたほか、輸送時にPietの家具が入っていたコンテナ箱を壁面に見立て、部屋のような空間を演出するなど、彼の作品の魅力を存分に引き立てる洗練された空間を見事に作り上げていただきました。

(作原氏コメント)

Pietが素材をとても大事にしているという考えは私もある意味同じで、自分もテクスチャーやオブジェクトの重なり、佇まいがどういうところに置いたらどんなふうに見えるかというのを大事にスタイリングしてきました。試行錯誤しながらも、結果的に仕上がりが思った以上によかったという思いがけないハプニングを楽しむというスタイルも共感できる部分です。彼の作品には温度があるし、いろんなものを受け止める奥行きや懐の深さを感じます。インテリアの主役にも脇役にもなれるし、何にでも合う。それはプロダクトにとても魅力があるからであり、そこには彼が何年も積み重ねてきたデザイナーとしての真実の努力があるからだと思っています。

今回はコーナーを意識し、それぞれの家具を象徴的な小物を使ってPietの作品をスタイリングしましたので、ぜひご覧になってみてください。

<作原文子/インテリアスタイリスト>

岩立通子氏のもとでアシスタントを経験した後、1996年に独立。主に雑誌、カタログ、TV-CM、エキシビション、ショップディスプレイなどのスタイリングを中心に活動、2007年、2020年には映画美術にも関わる。手掛ける雑誌は、インテリア誌、女性誌、男性誌と幅広く、日本のインテリアスタイリストとして第一線で活躍。柔軟な感性を活かし、さまざまなテイストをミックスした独自のスタリングは、男性女性問わず定評がある。「Found MUJI」「INTERSECT BY LEXUS」のウィンドウディスプレイや、企業の展示会の空間ディレクションなども行う。

多くの聴衆が集まったPiet Hein Eek×長坂常氏によるトークイベント

(左から)齋藤祥高(CIBONE)、長坂常氏、Piet Hein Eek、樅山智子(通訳)

レセプション初日の19時から行われたPiet Hein Eekと長坂常氏によるトークイベントでは、予想を遥かに上回る多くの来場者が集まりました。素材や機械を本来とは異なるユニークな使い方をして作品を制作するPietと長坂氏の共通点「誤用」をテーマに、二人のものづくりにおける考えをお話しいただきました。

(以下トーク内容抜粋/敬称略)

―お二人にとっての“素材の魅力”とは何ですか?

Piet Hein Eek(以下Piet):素材の何が魅力なのかというよりも素材には何かインスピレーションを掻き立てるものが備わっていると感じています。1989年頃大学の卒業制作を考えていた時、たまたま材木置き場に行って出会ったのが廃材でした。その頃周りの学生はできるだけ新しい素材を使おうとしていましたが、私からするとみんなが同じことをやっているように見えました。そんな時にたまたま目にした廃材が私にはとても美しく見えたんです。それは何か私に訴えかけているようでもあり、みんなが使っている素材とは全く違う魅力を持っているように思えました。それまで廃材というのは屋内のインテリアデザインの目的で使うものではありませんでした。けれど廃材を目にした時、廃材それぞれに美しさ、すなわち物語があって、だからこそ使いたいと思ったんです。あの日材木置き場に行ったからこそ私は今ここにいるわけで、不思議な巡り合わせを感じます。

長坂常氏(以下長坂):僕も結構似ていて、僕の場合は素材っていうのは単にマテリアルもあるんですけど、建築をやるので、そこにある場所、場所性も一つの素材だと思うんです。その場所があるだけ、その分だけ可能性がたくさんあるというふうに思っていて。なので、その場所に行って、そこで感じたことを一つ一つ作っていくと、世界の中に違うものが一つ一つ生まれてくるという。それがすごく素敵なことだと思ってずっとこの仕事をし続けている感じがします。

―お二人とも素材や機械を一般的ではない方法や使い方をされていますが、その狙いは何でしょうか?

Piet:もしかしたら期待した答えとは少し違うかもしれませんが、私にとってはむしろ当たり前で明白な選択です。それは単にこれまで誰もやっていなかっただけであって、間違った使い方というよりも自分としてはまさにこうあるべきというつもりでやっています。

長坂:僕も別に間違えて使っているわけではなくて、普通にそうなることがわかっていて使うので、それを「誤用」って言った方がちょっと楽しくなるというか、敷居が下がっていろんなことができそうな気がするっていう意味でそう表現しているんですが、同じことをストレートに言うのがピートだなって。対してちょっとこう斜めにアプローチするっていうのが僕なんだなって少し反省しました(笑)。

―そうしたユニークな方法でプロジェクトを進めていくと予期せぬハプニングが起こると思いますが、それに対するお2人の向き合い方やその時の気持ちなど教えてください。

Piet:建築のプロジェクトにおいては多くの専門家と仕事をしますが、時に喧嘩してしまうこともあるんです。彼らの言う絶対理論は私たちも理解できますが、理論に縛られて制限が多い。でも私は直感でこれは大丈夫だっていうのを経験でわかっているんです。彼らの理論は本当にその現場で作るということを理解した上での知識ではないため、うまくいかないことが多いんです。もしかしたら答えになっていないかもしれませんが、理論だけに頼らず、実際の現場の経験に基づいた知識と上手く結合できれば新たな物事が可能になっていくと思います。 

長坂:いやもうかなり共感です。僕もすごく苦労しているのは、やっぱりCAD の中でずっと仕事をやっているんで、重力のないような世界を想像しているのに対して、Pietは毎日重たいものを持ちながら、これがどれくらいの重さになっているのかみたいなのが感覚としてしっかりあって、物との接触が圧倒的に違うんですよ。でも今図面描かなきゃいけないし、一方でもっと手を動かしてPietのような感覚でデザインしたらもっと違うものができるのにって常々思っているんですけど、まあなかなかそこにたどり着けない。建築のスケールと量の問題でその重力を感じながらデザインをしていくっていう現場になかなか近づけないっていうのは、建築家においてはあるあるです。どうしても数値に頼ってしまったり、人の計算に委ねてその安心感を得ざるを得ない部分があるので、Pietが私たちと全く違う土俵で働いているのは憧れでもあります。

ただ一つ言うと、地震は想像できないでしょ?と思いますね。日本の場合は今大丈夫でも、この先どういうことが起こるかはわからないということに対して考えないといけないので、ちょっとそこはオランダの建築と日本の建築は事情が違うかなと思いますけどね。

Piet:もちろん私が話しているのは全てオランダのことですので、全然日本とは違う話になってくると思います。もちろんオランダでも建築では計算がとても重要で、その安全の基準も変わってくると思います。

それとはまた別に欧米と日本の一つ結構決定的な違いがあるなと思うことがあって、それはものづくりとかに対する姿勢にも表れていると思うんですが、日本はできるだけ間違いを起こしたくないというような考え方があると思うんです。全てのことをちゃんとやって、できるだけ正しい決断をしていく。そして、そのためにものすごく細かいところまで注意を注いでいくと思うんですけど、それはつまり何かがうまくいかなくなった時に、そのケアをしないといけないのがすごく大変だから、できるだけそれを避けるような、ていねいなものづくりの過程っていうのがあるんだと思うんです。

対してオランダや他ヨーロッパの国はある意味雑というか、何かがうまくいかなくなるところもそんなに恐れていなくて、それが受け入れられている。そしてそれをまた一から構築するのもそんなに嫌じゃないから、それが前提であるという違いがあると思います。でもそういうすごくていねいな、できるだけ間違いを起こさない、その時に一番正確な決断をすることをよしとする日本の考え方というのは、私にはとても興味深いことですし、だからこそ日本がすごく好きで、インスピレーションを受ける場所でもあるんです。

―お二人にとって何が物や建物の美しさを決めると考えますか? そもそも素材がいいからですか? それとも構造ですか? もしくは時間ですか?

Piet:答えは2つあって、まず私が一番興奮するのは、何かが不完全な時で、不完全な時に「あ、これは成功したな」と思います。さまざまな有名デザイナーたちのプロダクトもたくさんありますが、それもどこか少し不完全なんですよね。ちょっと座りづらいとか、わずかに歪んでいるとか。私はそれが一番いいというふうに思うんです。だからその僅かな失敗に美があると感じます。反対に全てが完璧だと、もう興味を持てないというか面白くないので、何かそこに弱さというかちょっと脆弱で頼りないと感じる時に、一番魅力というか、自分が興奮するんだと思います。

もう一つはデザイナーとしての答えになりますが、何かを作る時のアイデアというのはとてもシンプルで、そのシンプルなアイデアから始まってプロダクトとして作られた時に、最初に元となったアイデアがまだそこにあるなと感じる時にそれはとても美しい、いい完成だなというふうに思います。どういうことかというと、こういうことをしたいなというシンプルなアイデアがあって、この素材だったらこうなるんだろうな、こういうふうにしたらそうできるんだろうなと思ったことがちゃんと形になっていて、出来上がった時に全てが説明もいらないくらい自然に感じられるのが私にとっての完成なんです。言い換えると、自分がいつも望んでいるのは、最も自然に感じられるという状態であり、それを目指し続けているとも言えます。

長坂:倣って僕も2つ。一つはよく「知の更新」っていうことを言ってるんですけど、それは知らなかったことを知るごとに新しいものがその分だけできるということ。さっき言ったマテリアルの可能性やマテリアルの分だけ可能性があるっていうことは同じなんですけど、そのことをちゃんと人に伝えられたり、そのアイデアが誰か他の人に再利用されて何かものを生み出せたなって思う時に喜びを感じます。

もう一つは、僕らが知の更新をして建築としての仕組みを提供したとして、それを僕じゃない人によってさらに知の更新がかかっていく。自分で最初作ったはずなのに、どんなデザインかってわからないという状況が訪れる、というこの可能性。それがまあ自分にとっては幸せで、建物だけでなく最初作られたものがそのままそこにある状況よりかは、いつか来た時に「え? 今こんなことになってるの?」っていうふうに楽しめるようなものが作れたらいいなといつも思っています。

<長坂常/スキーマ建築計画> 

スキーマ建築計画代表。1998年東京藝術大学卒業後にスタジオを立ち上げ、現在は千駄ヶ谷にオフィスを構える。家具から建築、そして町づくりまでスケールも様々、そしてジャンルも幅広く、住宅からカフェ、ショップ、ホテル、銭湯などなどを手掛ける。どのサイズにおいても1/1を意識し、素材から探求し設計を行い、国内外で活動の場を広げる。日常にあるもの、既存の環境のなかから新しい視点や価値観を見出し「引き算」「誤用」「知の更新」「見えない開発」「半建築」など独特な考え方を提示し、独自の建築家像を打ち立てる。

PIET HEIN EEKエキシビション開催中 会期は7月19日まで

今回のエキシビションでは、Pietの創作活動の原点とも言えるキャビネットを中心に作品を展示しております。キャビネットは今から35年前、ピートがオランダのデザイン・アカデミー・アイントホーフェンの学生だった時の卒業制作物でもあり、廃材を使った独自の創作スタイルが生まれた最初のプロダクトでもあります。

彼の代表作であるスクラップウッドを用いたキャビネットに加え、アルミやオークなどスクラップウッド以外の素材を用いたキャビネット、そして日本の生活様式に応答して制作されたキャビネット「Old Window Cabinet」も初披露。

彼の作品の一連を見ることができる貴重な機会となっておりますので、作原文子氏によるスタイリングと合わせてお楽しみください。

<Piet Hein Eek (ピート・ヘイン・イーク)>

インテリアデザイナー。1967年オランダ生まれ。自然の中で見つけたスクラップ材木や、工場廃棄物などの素材を使用してユニークな作品を発表。最新のテクノロジーで工程を省き、完璧できれいな物を作ろうとする現代的な手法とは対照的に、素材や手法からコンセプトを決め、多くの時間と手間をかけて作られた彼の作品は、ゆるやかで力強いメッセージを持っています。

Photo:Hideki Makiguchi(展示空間)Kaori Umezawa(トークイベント)

Interpreter:Tomoko Momiyama

with the maximum respect for the materials

PIET HEIN EEK

会期:2026年6⽉19⽇(⾦) 〜7⽉19⽇(⽇)

時間:時間:11:00〜20:00

場所:CIBONE(東京都渋⾕区神宮前 5-10-1 GYRE B1F)

東京メトロ銀座線/千代⽥線/半蔵⾨線 表参道駅 A1 出⼝より徒歩 4 分

東京メトロ千代⽥線/副都⼼線 明治神宮前<原宿>駅 4 番出⼝徒歩 3 分

PIET HEIN EEK:https://pietheineek.nl/

About CIBONE
New Antiques, New Classics をコンセプトに長い時間軸に寄り添って「モノとつきあう」こと、そして自由な切り口で選んだ独自の魅力を放つモノたちを提案する、ライフエディトリアルストア。東京とBrooklynを拠点に、人がものをつくる熱を、人と人の繋がりを、自分たちの手でコラージュしていきます。 CIBONEは、モノを“選ぶ”だけでなく、自ら“つくりだす”意識を持ち、変容する世界に対して常に「新しさ」と「ユニークさ」を問い続けます。

CIBONE(表参道)
住所:150-0001 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1F
営業時間:11:00 - 20:00
お問い合わせ先:03-6712-5301(CIBONE)


CIBONE CASE(銀座)
住所:104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 4F CIBONE CASE
営業時間:10:30 - 20:30
お問い合わせ先:03-5537-3101(CIBONE CASE)


CIBONE Brooklyn (NY)
ADDRESS 50 Norman Ave,Brooklyn, NY 11222
OPEN 11am - 8pm
WEB SITE
 http://www.cibone-us.com/


CIBONE ONLINE STORE
https://www.cibone.com/new.html

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会社概要

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URL
https://www.welcome.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都港区南青山 1-24-3
電話番号
-
代表者名
横川正紀
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2002年07月