職種別「平均残業時間」を調査 ひと月の平均残業時間は21.0時間で、前回より0.9時間減

残業時間が少ない職種1位は「医療事務」、多い職種1位は「インフラコンサルタント」年代別に見ると20、30、50代は残業時間が減少、40代は増加傾向

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、2024年の職種別「平均残業時間」を調査しましたので、結果をお知らせいたします。

調査結果の詳細:https://doda.jp/guide/zangyo/

【調査結果サマリー】

平均残業時間:2024年は21.0時間/月となり、前回調査より0.9時間減少。

平均残業時間の少ない職種:

・1位は「医療事務」で10.3時間となり、前回より1.7時間減少。

・10位以内に「事務/アシスタント」から6職種、20位までに「営業」から5職種がランクイン。

平均残業時間の多い職種:

・1位は「インフラコンサルタント」で39.4時間となり、前回より14.8時間増加。DXによるICTなど新しい技術を採用する企業の、業務効率化・自動化の需要増加が影響か。

・前回1位の「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」の残業時間は前回から−10.9時間と大幅に減少したものの、3位という結果に。

職種分類別の平均残業時間:

・「事務/アシスタント」が14.3時間で最も少なく、20代と40代は「医療系専門職」、30代と50代は「事務/アシスタント」が最少に。

・「建築/土木系エンジニア」が26.0時間で最も多く、20代、30代、50代では「建築/土木系エンジニア」、40代では「販売/サービス」が最多に。

平均残業時間は21.0時間/月で、前回調査より0.9時間減

2024年4~6月の月の平均残業時間は21.0時間で、前回調査の21.9時間から0.9時間減少しました。2022年の22.2時間からも連続のマイナスで、残業時間は年々減少傾向にあると言えます。

2019年からの6年間の平均残業時間の推移を見てみると、働き方改革関連法が施行されたことやコロナ禍の影響もあり、2019年は24.9時間、2020年は20.6時間、2021年は20.8時間と年々減少していました。その後、コロナ禍で停滞していた経済活動の回復を受けて、2022年には22.2時間へと増えたものの、2023年、2024年には、2年連続で再び減少へと転じています。

平均残業時間の少ない職種:1位は「医療事務」。前回から1.7時間減少。

職種別で見ると、残業時間の少ない職種1位は「医療事務」で、前回の12.0時間から−1.7時間の10.3時間でした。2位は「貿易事務」で、前回の15.2時間から−4.1時間の11.1時間となっています。前回1位だった「一般事務」は、10.6時間から+4.6時間の15.2時間となり、今回は11位となりました。

職種分類で見ると、上記の職種のほか4位の「秘書/受付」(12.6時間)や5位の「経理事務/財務事務」(13.0時間)など、「事務/アシスタント」が10位以内に6職種、20位以内では8職種ランクインし、いずれも職種分類別で最多となりました。 

20位以内で前回から大きく残業時間が減った職種には、3位の「臨床開発関連」(前回:20.6時間、今回:11.7時間)や8位の「生産管理/製造(医療系)」(前回:22.6時間、今回:13.8時間)などがありました。

平均残業時間の多い職種:1位は2年連続で「インフラコンサルタント」。前回から14.8時間増加

残業時間の多い職種1位は「インフラコンサルタント」で、前回の24.6時間から+14.8時間の39.4時間となりました。残業時間が増えた背景のひとつに、DXが進み、ICTなどの新しい技術を取り入れて、リモートワークや既存業務の効率化を行う企業が増えたことがあると推測できます。インフラコンサルタントは、これらの需要増加の影響を受けやすい職種の一つと考えられます。

前回の調査で最も残業時間が多かった「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」は、前回の42.2時間から−10.9時間と大幅に減少したものの、順位は3位となりました。また、4位の「専門商社の営業」(31.2時間)や7位の「広告営業」(29.9時間)など、20位以内に「営業」が5職種ランクインし、職種分類別で最多となりました。

今回の調査では、残業時間が40時間以上の職種がなくなったほか、30時間以上の職種は前回の7職種から6職種に減少しています。前回と比較すると、残業時間の多い職種においても、全体の平均残業時間と同様に残業の水準は減少傾向がみられます。

年代×職種分類別の平均残業時間:20・40代は「医療系専門職」、30・50代は「事務/アシスタント」が最少

年代別の1カ月の平均残業時は、2023年と比べて20代が0.3時間(前回:18.3時間、今回:18.0時間)、30代が1.5時間(前回:21.7時間、今回:20.2時間)、50代が1.6時間(前回:22.9時間、今回:21.3時間)減少しました。一方で、40代は0.1時間の増加(前回:23.0時間、今回:23.1時間)となり、全体に減少傾向であるものの、年代によるばらつきが見られました。

年代×職種分類別で平均残業時間を見てみると、20代と40代は「医療系専門職」、30代と50代は「事務/アシスタント」が最も少ない結果になりました。前回はすべての年代で「事務/アシスタント」が最も少なかったのですが、今回は20代と40代で変化が見られました。

20代、30代、50代で最も残業時間が多いのは「建築/土木系エンジニア」なのに対し、40代では「販売/サービス」で26.4時間になっています。そのほか、40代では「モノづくり系エンジニア」(26.0時間)や「企画/管理」(25.9時間)、「クリエイティブ」(25.6時間)や「建築/土木系エンジニア」(25.1時間)も25時間を超える結果となりました。

解説

2024年の調査では、全体の平均残業時間が21.0時間となりました。前回の21.9時間より0.9時間少なくなり、2022年の22.2時間からも連続して減少しています。また、全88職種のうち、残業時間が減ったのは半数を超える46職種でした。

2024年の残業時間に関するトピックとしては、4月に建設業や運送業などで時間外労働の上限規則が施行されたことが挙げられます。今回の調査で「建築/土木系エンジニア」を見てみると、「設計監理/コンストラクションマネジメント」が-7.5時間(前回:39.1時間、今回:31.6時間)、「建築設計/デザイン/積算/測量」が-6.6時間(前回:31.1時間、今回:24.5時間)と、いずれも大幅に残業時間を減らしていることからも、就業環境が改善されつつあるように見えます。

また、DXによりICTなどの新しい技術を取り入れて、抜本的なはたらき方改革に着手する企業も増えています。リモートワークやフレックス制度といった社員の定着率向上に向けた就業環境の改善に取り組む企業も同様に増えています。

このような動向や売り手市場を追い風に、転職希望者にとってはたらき方の選択肢は大きく広がっています。自身のはたらき方を見直したいという場合は、転職エージェントなどを活用して、能動的に情報収集することが必要になってくるのではないでしょうか。


【解説者プロフィール】

doda編集長 桜井 貴史(さくらい・たかふみ)

新卒で大手人材会社に入社し、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。同年、株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任し、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。

【調査概要】

対象者:20~59歳の男女

雇用形態:正社員

調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査

     (ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)

実施期間:2024年8月5日~8月13日

有効回答数:15,000件

※ウェイトバックは、正社員の地域・年代・性別に合わせて実施

※調査結果の詳細は、月の平均残業時間の実態調査<https://doda.jp/guide/zangyo/>にてご確認いただけます。

【データ利用について】

引用・転載の際は、出所が転職サービス「doda」であることを明記し、Webメディアの場合は以下のリンクを張ってください。

転職サービスdoda「平均残業時間ランキング」< https://doda.jp/guide/zangyo/ 

転職サービス「doda」について< https://doda.jp >

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会社概要

パーソルキャリア株式会社

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URL
https://www.persol-career.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー21階
電話番号
-
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
11億2700万円
設立
1989年06月