インドネシア・スコワティ油田における坑井間のCO2圧入試験の実施に係る共同研究契約を締結
JOGMECは、インドネシア国営石油会社PT Pertamina(Persero)(以下「プルタミナ」)、PT Pertamina EP(以下「PEP」)、石油資源開発株式会社(以下「JAPEX」)との間で共同研究契約(Joint Study Agreement、以下「本JSA」)を締結し、インドネシア共和国東ジャワ州のスコワティ(Sukowati)油田において坑井間の二酸化炭素(CO2)圧入試験を実施することを合意しました。
JOGMEC、JAPEX、プルタミナ及びPEPの四者は、2023年7月からスコワティ油田におけるCO2-EOR(Enhanced Oil Recovery:石油増進回収、注1)の商業化を目指し、小規模なCO2圧入試験の実施を含む技術スタディを進めてきました。本JSAでは、これまでのスタディ結果を受けて、より大規模な坑井間のCO2圧入試験に発展させるものです。
JOGMEC、JAPEX、プルタミナ及びPEPの四者は、2023年12月に単一坑井を用いたHuff and Puff法(注2)によるCO2圧入試験をスコワティ油田で実施し、約500トンのCO2を地下に圧入すると共に、CO2-EOR及びCO2地中貯留効果に関する重要な地下データの取得に成功しました。
本JSAでは、これまでの良好なスタディ結果を受けて、同油田においてより大規模なCO2圧入試験の実施を計画しています。同試験では、CO2の圧入井と生産井の複数坑井を用いて、坑井間のCO2圧入によるEOR効果及びCO2貯留効果を確認することを目的としています。坑井間のCO2圧入試験は、将来の商業開発により近い条件での試験であり、商業化に向けた重要なマイルストーンになると期待されます。
スコワティ油田は、大規模なCO2排出源に隣接し、地下の貯留層条件もCO2-EORに適した油田と評価されています。JOGMECは、共同研究パートナーであるJAPEX、プルタミナ及びPEPと共に、本試験で得られるデータを活用し、CCUS(注3)技術の一つであるCO2-EORの東南アジアで初となる商業化を目指し、検討を進めてまいります。
本件は、日本政府が主導するアジア・ゼロエミッション共同体(Asia Zero Emissions Community:AZEC)構想やアジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(Asia Energy Transition Initiative:AETI)の一環として進めており、アジア地域でのCCUSネットワークの構築に資する取組です。JOGMECは、今後も我が国のエネルギー安全保障の向上と、インドネシアをはじめとするアジア地域の持続的な経済発展とカーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
(注1)CO2を利用した原油の増進回収(CO2 Enhanced Oil Recovery)。
(注2)同一坑井においてCO2圧入とその後の生産を実施する試験。
(注3)Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage(CO2の回収・有効活用・貯留)の略。
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