KDDIとドコモ、ミリ波エリアを効率的に拡大する共用中継器を開発
-今夏に上野公園で実証、事業者連携でミリ波展開を推進-
KDDI株式会社(以下、KDDI)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、2026年5月20日、ミリ波※1エリアを効率的に拡大する共用中継器(以下、本中継器)を京セラ株式会社(以下、京セラ)協力のもと開発を完了し、上野恩賜公園(以下、上野公園)で本中継器を活用した実証実験を今夏から開始します。
本中継器は、KDDIおよびドコモ両社のミリ波基地局からの電波を1台で中継することができます。これにより、効率的なミリ波エリアの拡大を図ります。両社は今後、本中継器による効果を検証するとともに、連携してミリ波エリアの拡大を推進していきます。

■背景
5G通信では、ミリ波の広い帯域幅を活用することで、これまで以上に高速で大容量な通信が可能となります。しかし、ミリ波には電波の直進性が強く遮蔽物の影響を受けやすいという特徴があるため、面的なエリアを形成するには多くの基地局を構築する必要があります。
この課題解決に向けて、KDDIは2024年12月、ミリ波基地局からの電波を中継して自律的かつ連続的なエリア形成を可能にした無線中継技術を開発※2し、この技術を備えた中継器を活用して西新宿ビル街や高輪ゲートウェイ駅前など人が多く集まる場所を中心にミリ波のエリアを拡大してきました。
また、ドコモではスタジアム等をはじめとするエンターテインメント施設などにおいて、ミリ波エリアの拡大を進めてきました。
この度、これまで各事業者で進めてきたミリ波エリアの拡大をさらに加速させるため、事業者間で共用可能な中継器を新たに開発しました。
■本中継器について
1.今回の開発について(複数事業者での共用を可能に)
本中継器は京セラ製で、従来は特定の事業者1社の電波のみを中継する中継器でしたが、今回の開発により、1台でKDDIおよびドコモの複数事業者のミリ波に対応しました。これにより、今後、両社のお客さまへ安定的なミリ波エリアを効率的に提供・拡張することが可能になります。
今回の開発では、装置の筐体を変えずに、これまで事業者ごとに個別実装が必要だったフィルターや増幅回路を共用化し、両社の信号を同時に中継できるよう機能を拡張しました。また、各社の基地局から届く信号の向きや強さの違いによる通信品質のばらつきを抑えるため、事業者ごとの信号を検出し、両事業者に対して最適なアンテナ面を選択する機能を実現しました。本中継器を用いることで、各社が個別で施工する場合と比較し、施工費や設置スペースの削減が可能となります。
2.本中継器の特長
本中継器は、今回の開発により対応した複数事業者での共用機能に加え、以下の特長を備えています。
(1)自律的なエリア形成
本中継器では、各アンテナでドナー面とサービス面の両機能を具備し、ミリ波基地局から受信したアンテナ面をドナー面として、その他アンテナをサービス面として動的に切り替えることで、ミリ波エリアの自律的な形成と効率的な拡張を実現します。これにより、本中継器同士が網目のようにつながり、メッシュ状のエリア構築を可能とします。
また、アンテナの役割・送受信方向の調整が不要となるため、中継器の設置場所の自由度を高めるとともに、工事設計の簡略化を実現します。

(2)中継ルートの最適化
本中継器は、複数の方向から受信するミリ波電波のうち、最も無線品質の良い中継ルートを選択するよう設計されています。これにより、ミリ波基地局または隣接の中継器から受信する信号の劣化を検知した場合、最適な中継ルートを計算し、瞬時の切り替えが可能です。建物建設や樹木の繁茂などの環境変化により中継ルートが遮蔽された場合も、常に最適な中継ルートを自律的に選択し、最適化を行います。

(3)小型軽量
本中継器は小型(縦216mm、横216mm、高さ246mm)で、重さ4.9kgであり、一般的なミリ波用の基地局に比べて大きさと重さを約7割削減しています。これにより、設置性の向上だけでなく、景観や環境への負荷も低減され、街路灯などへの設置が可能です。
■今夏の実証実験について
実験エリアは、多くの人が訪れ、十分なエリア品質及び容量の確保が求められる上野公園を選定しました。当該エリアに本中継器を設置し、KDDIおよびドコモそれぞれのミリ波基地局からの電波を中継することで、両社のミリ波エリアを拡大します。実証実験では、以下の検証を通じ、本中継器の今後の実用化に向けた評価を行います。
・エリア拡大効果(カバレッジ、通信品質、通信速度など)
・環境変化に応じた自律的なエリア形成、中継ルート最適化
・設備コスト削減や設置性向上などの運用面の有効性
※1 28GHz帯の周波数帯域
※2 2024年12月16日 ニュースリリース|ミリ波エリアを飛躍的に拡大する無線中継技術の開発に成功
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