マイクロプラスチック回収のボランティア活動を名古屋市の「藤前干潟」で展開 ラムサール条約登録湿地で生物多様性の保全・回復に貢献
三菱重工グループは10月10日、名古屋市港区の「藤前(ふじまえ)干潟」でマイクロプラスチック(直径5mm以下のプラスチック片)ごみを回収するボランティア活動を実施しました。藤前干潟の近隣には、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所の飛島工場が位置しており、今回の活動は、生物多様性※1の保全・回復に向けた当社グループの取り組みの一環として実施したものです。本活動は、認定特定非営利活動法人日本NPOセンター、特定非営利活動法人藤前干潟を守る会が主催し、環境省中部環境パートナーシップオフィス(運営団体:一般社団法人環境創造研究センター)の協力のもと、三菱重工グループが協賛しました。
当日は、当社グループの従業員とその家族の約30名が参加しました。参加者は、まず四日市大学の千葉賢客員教授から「藤前干潟のマイクロプラスチック汚染」をテーマとするレクチャーをオンラインで受講。続いて、特定非営利活動法人藤前干潟を守る会から「藤前干潟の生物多様性」に関するレクチャーを受けました。潮が引く正午ごろから干潟の生き物を観察したあと、マイクロプラスチックを中心としたごみ回収を開始。回収したマイクロプラスチックを種類ごとに分類して傾向を分析しました。
後日、活動の結果を藤前干潟協議会に報告し、名古屋市をはじめとする地域の関係者に積極的な検討や対策を促すことで、中期的にも生物多様性の保全・回復に貢献していく計画です。
当社グループの事業活動は、水や鉱物などの自然から生み出される多様な資源を利用して成り立つ一方で、自然環境にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。こうした認識のもと、事業活動が自然環境に及ぼす負の影響の低減などを通じて、自然共生社会の2050年までの実現を目指す「三菱重工グループ生物多様性宣言」を2023年4月に策定しました。
同年には、生物多様性の重要地域※2と近接している生産拠点を調査しました。その結果、国内外の12拠点において、藤前干潟を含む19の重要地域との近接を確認。この重要地域において、生物多様性保全が主目的の社会貢献活動を展開する方針を定めました。今回のボランティア活動は、この方針に基づくものです。
藤前干潟は、名古屋港に流入する庄内川、新川、日光川の河口部に広がっており、面積は約300ヘクタール※3。渡り鳥の飛来地で、さまざまな底生生物も生息する貴重な湿地です。
かつて藤前干潟は、埋めてごみ処分場にする計画もありましたが、市民の強い反対を受け、1999年に計画を断念。2002年には環境省の鳥獣保護区に指定されるとともに、国際的に重要な湿地の保全を目指す「ラムサール条約湿地」に登録されました。
近年、ペットボトルやビニール袋などが紫外線や波の力で細かく砕かれ、マイクロプラスチックとなってこの藤前干潟にも蓄積しています。生き物がマイクロプラスチックを誤って摂取すると、食物連鎖を通じて生態系に深刻な影響を及ぼしかねません。
三菱重工グループは、事業を行う国内外の地域において、これからも生物多様性や自然環境の保全・回復に向けた取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
※1 生きものの豊かな個性とつながり。生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性から成り立ちます。
※2 ユネスコの世界自然遺産やラムサール条約に登録された湿地など、国際的な基準で選定された生物多様性の特別な保護区域。
※3 名古屋市港区と愛知県飛島村にまたがっています。
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