テクノプロ・R&D社と千葉大学が共同研究契約を締結 ~高付加価値ヨウ素化合物の開発~
共同研究の背景
ヨウ素は日本が輸出する貴重な元素であり、世界のヨウ素の約30%(世界第2位)を生産しています。千葉県は、そのうち75%を担っています。千葉大学が中心となって設立し、テクノプロ・R&D社が入居している「千葉ヨウ素資源イノベーションセンター(CIRIC)」は、この貴重なヨウ素資源を活用し高付加価値なヨウ素製品を開発・製造するために設置されました。
千葉大学とテクノプロ・R&D社が相互に協力し、多面的に連携することにより、オープンイノベーションを推進し、社会的インパクトの高い高付加価値ヨウ素製品の社会実装を目指します。
共同研究の内容
研究組織の代表となる荒井研究室では、千葉のヨウ素資源を活用した、高付加価値ヨウ素化合物の合成研究を進めています。特に、従来は分子内環化反応として基礎研究が進められてきたヨードラクトン化について、近年、入手容易な単純アルケンを用いる触媒的不斉ヨードエステル化に世界で初めて成功しました。
本生成物の有用性を示すため、荒井研究室とテクノプロ・R&D社の研究員によるタイアップのもと、 有機合成中間体への応用ならびにラジカル重合開始剤等としての利用を検証し、ヨードエステルの製品化を目指します。
荒井孝義教授について
千葉大学大学院理学研究院 化学研究部門 教授 兼
ソフト分子活性化研究センター センター長 兼
千葉ヨウ素資源イノベーションセンター センター長
■千葉大学大学院理学研究院 化学研究部門 有機合成化学研究室
https://smarc.chiba-u.jp/socl/
■千葉大学共同利用教育研究施設 ソフト分子活性化研究センター
■千葉ヨウ素資源イノベーションセンター
《主な業績》
論文タイトル:Catalytic Asymmetric Iodoesterification of Simple Alkenes
雑誌名:Angewandte Chemie International Edition
DOI:https://doi.org/10.1002/anie.202003886
雑誌編集局が認める重要論文としてHot Paper及び掲載号のInside Back Coverに選出。
2017年 有機合成化学協会 日産化学・有機合成新反応/手法賞
2021年 ヨウ素学会 ヨウ素学会賞 ※他、実績多数
テクノプロ・R&D社について
テクノプロ・グループは、日本および中国、東南アジア、インド、英国、米国などの拠点に27,122人(国内24,125人、海外2,997人)の技術者・研究者を擁する日本最大規模の技術系人材サービスグループです。機械、電気・電子、ITアプリケーション、ITインフラ、AI・データ解析、化学、バイオ、医薬、建築、土木など産業界が必要とするすべての技術領域をカバーする専門領域の広さと高度な技術力が評価され、国内外で常時約2,400以上の企業・研究機関・公共団体・大学に対し、技術を軸とした各種サービスをご提供しています。
テクノプロ・グループの中核会社である株式会社テクノプロの中で化学・バイオの研究開発や受託試験に特化して事業を行っているテクノプロ・R&D社は、1,400名超の研究者を正社員として擁し、大手製薬企業や化学企業を中心に大学研究室・官民の研究機関など、常時約400のお客様にサービスを提供しています。研究者派遣、受託サービス、技術コンサルティングなど、お客様の抱える技術的な課題解決に向け個別最適なソリューションをご提案しています。(数値はすべて2023年6月末時点)
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