博報堂、東京大学生産技術研究所が推進する事業の新領域開発プロジェクト「Leap Out Design」への参画企業を募集開始
―ビジネスアイデアの創出からプロトタイプ開発、その先の技術実装とマーケティングまで支援ー
株式会社博報堂(東京都港区、代表取締役社長:水島正幸)の専門組織である博報堂ブランド・イノベーションデザイン(以下、博報堂BID)と東京大学生産技術研究所 価値創造デザイン推進基盤(東京都目黒区、所長:岡部 徹、以下、Design Led-X Platform)は、企業の事業開発を行う新価値創造プロセスについて、議論を重ね、研究してまいりました。このたび両者で設計した事業の新領域開発プロジェクト「Leap Out Design」に参画する企業の募集を開始いたします。
企業は、不確実かつ大きく変化する外部環境の中でこれまでの延長線上で未来を描くことが難しくなっており、独自の創造性をもち、想定を超えてあり得る未来(Alternative Future)を描くことが求められています。「Leap Out Design」では、日本最大級の大学附置研究所である東京大学生産技術研究所の工学的知見やDesign Led-Xのトレジャーハンティング手法(※1)と、博報堂BIDの未来生活者発想からの構想やBXアプローチ(※2)を掛け合わることで、既存事業の枠外にあるビジネスアイデアの創出から共同研究によるプロトタイプ開発、その先の技術実装支援と事業デザイン、マーケティング・ブランディングまで行うことが可能です。
「Leap Out Design」は、個別の研究テーマを設定し、社会・技術・創造性の3つの観点から、既存の思考の枠から跳躍、枠の外にあり得る新たな価値を発見し、プロトタイピングするというプロセスで推進していきます。
1.未来生活者構想ワークショップ:既存の文脈の外にある未来の社会と生活者のあり方を構想する
2.企業の研究資産探索/研究室訪問/研究者とのミニワークショップ:あり得る未来に向けた技術の棚卸しと別技術の組み合わせの可能性を探索する
3.リープアウト戦略策定:これまでの事業の枠外にある新たな価値と事業機会を発見・創造する
4.発見した新価値・事業機会を実際にプロトタイプ化し、技術実装と事業デザインまで行う
このたび「Leap Out Design」では、共に事業の新領域開発を行いたい企業を募集します。参画いただいた企業は、異分野人材との共創ワークショップを通じて新価値創造を行い、研究開発部門における次世代の研究方針の見直し、さらに新規事業のビジネスアイデアの創出からプロトタイプ開発が可能です。
今回募集するプロジェクトのテーマは、下記の4領域を想定しています。
①スマートシチズン – 自律社会におけるモビリティの可能性
②ウェルビーイング – 予防医学時代のヘルスケアと食の可能性
③プラネタリーデザイン – 惑星視点の気候危機解決の可能性
④ライフ・テクノロジー – 複製される身体と生体情報の可能性
博報堂BIDは、今後も、未来の社会の生活者を洞察し、あるべき未来の生活を構想する「未来生活者発想」で、企業とともに持続的な事業活動をつくり、社会に新しい価値創造を行ってまいります。
※1
トレジャーハンティング手法(Design Led-X):東大生産研DLXが培ってきた方法論のひとつで、研究の現場に潜む技術やアイデアを発掘して再解釈し、新たな応用可能性やイノベーションの種を見つけ出すアプローチです。デザイナーと科学者が協働して、人と技術がより豊かに関わる「もしかする未来」を探索することで、枠外の新価値創造を目指しています。
※2
BXアプローチ:博報堂は、「ブランド(=社会・生活者から応援され続ける場やしくみ)」の創造を通じた事業変革・事業成長を「ブランド・トランスフォーメーション®(BX)」と呼んでいます。BXを実現するために、目指す生活者価値を中心に起き、ビジネス全体を再設計し、事業全体=ブランドの変革を進める取り組みを進めています。
<詳細情報>
■新領域開発プロジェクト「Leap Out Design」概要
・企業の参画条件について
企業単位でのお申し込みとなります。
東京大学生産技術研究所との研究内容との合致などの条件もあるため、詳細についてはお問い合わせください。
・企業の参画費用について
研究費用及びプロジェクト運営費用が必要となります。
・参画企業の募集期間についてはお問い合わせください。
・「Leap Out Design」に関するお問い合わせ先
博報堂ブランド・イノベーションデザイン leap_out_design@hakuhodo.co.jp
東京大学生産技術研究所 価値創造デザイン推進基盤事務局 office@designledx.iis.u-tokyo.ac.jp
■プロジェクトテーマ 4領域の各研究内容概要
①「スマートシチズン – 自律社会におけるモビリティの可能性」
スマート化した都市を生きる生活者を起点として、未来社会の可動性・流動性を考えます。
モビリティの可動性と流動性は、Automatization(自動化)からAutonomization(自律化)へ移行し、モビリティは、住居やコミュニティの延長線上で、人をつなぐものになる未来が予測されます。
身体-衣服-住居-コミュニティ-社会の未来を、モビリティの視点でプロトタイピングします。
②「ウェルビーイング – 予防医学時代のヘルスケアと食の可能性」
生活者発想の、ウェルビーイングと未来の健康・食文化を考えます。
治療から予防医学が主流になる時代に、キーワードは、ケアやセルフメンテナンスとなり、身体は、技術による拡張や深化、容れ物としての存在、マイクロバイオームの集合体など、捉え直しが必要となる未来が予測されます。
未来の社会における人間と身体のあり方から、新しいヘルスケア、新しい食体験をプロタイピングします。
③「プラネタリーデザイン –惑星視点の気候危機解決の可能性」
人新世 Anthropocene に生きる人間が、地球環境に果たすべき約束・責任を考え、社会のデザインから、地球及び惑星のデザインへ、環境課題をより大きな視点でとらえなおします。
人間だけでなく、動植物、人工物と、地球環境を含めて、外部としての自然ではなく、人間を含む全体としての自然をとらえ、未来の社会に差し迫る危機としての地球課題を解決する方法をプロトタイピングします。
④「ライフ・テクノロジー – 複製される身体と生体情報の可能性」
身体機能の探求の先にある、未来の身体の”かたち”ともなる生体システム及びデータの活用を考えます。
身体拡張の技術が進み、生体データが解明されシステムの複製が進んでおり、身体に関わるデータは、所有者から切り離される未来が予測されます。
人間の生命に関わるシステムや情報は、多方面に展開と応用の可能性を持っており、身体に関わる技術をもとにした、未来の生活や社会をプロトタイピングします。
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