チームラボがセノグラフィーを手がけたオペラ『トゥーランドット』新制作が、スイスのジュネーヴ大劇場でワールドプレミエ
光の彫刻空間によって、舞台美術の概念を超越する没入的なオペラ空間を創り出す
アート集団チームラボは、ジャコモ・プッチーニの遺作オペラ『トゥーランドット』新制作でセノグラフィーを手がけ、スイスのジュネーヴ大劇場(Grand Théâtre de Genève)でワールドプレミエを迎えました。本公演においてチームラボは、セノグラフィーの概念を超越し、光の彫刻空間によってオペラ空間を創り出します。キャストは光の彫刻空間に没入し、一体となり、舞台と観客が境界なく連続する空間を生み出すことを試みます。
6月20日の初演で大喝采を受けた本公演は、6月20日から7月3日まで7回にわたりスイス・ジュネーヴのジュネーヴ大劇場で上演。
▼ダニエル・クレーマー(演出)、チームラボ アダム・ブース(セノグラフィー)、アントニーノ・フォリアーニ(指揮)による、メイキング・インタビュー動画
▼セノグラフィーを手がけたチームラボのアダム・ブースによるメイキング・インタビュー動画
“当公演では、国際的に大きな評価を得ているアート集団チームラボが、初めてオペラの大規模なセノグラフィーを手がけ、これまでオペラの舞台では見られなかった最先端のビジュアル・テクノロジーを駆使する。チームラボの光の作品は世界中で展示されており、前衛的な空間の流れの中に観客を埋没させ魅了する、没入的な芸術体験を創り出す。”
ー ジュネーヴ大劇場
舞台は回転する二つの側面で構成され、ひとつはトゥーランドットを頂点とする近未来的なディストピアのゲームショー。女が権力を握る世界では、男は女の遊び道具として着飾るか、女の下に監禁される運命にあります。トゥーランドットに求婚する男たちは、クイズに参加しては負け、「花」をもぎ取られる——。それを見て興奮する民衆。チームラボは、光による立体的な彫刻空間をステージ上に創り、熱狂を煽ります。その一方で、光の彫刻空間は時には霞み、繊細で抽象的なものとなって空間を静寂で包み込み、美と戦慄の瞬間を生み出します。
ステージが回転すると、もうひとつの側面である、潜在意識の世界が出現。万華鏡のようなひし形の「心の部屋」は、美しく魅惑的でありながら、巧妙さと欺瞞を連想させます。ここでは、カラフが自身のコンプレックスや恐怖と向き合いながら、奇妙で混乱した万華鏡のような世界を進んでいくのです。
チームラボは演出のダニエル・クレーマーと共に、クレーマーの『トゥーランドット』解釈とチームラボのアートを融合させるセノグラフィーを構想。5年にわたってプランニングを重ね、コンセプト、新解釈、隠喩、象徴、そして各シーンの視覚的表現をどのように実現するかについて模索してきました。
ステージデザインはチームラボ・アーキテクツが担当。シンプルでありながら力強い幾何学的なステージをプランニングしました。回転するセットは、ガラスやアクリル、反射する表面、柔らかい白と伸縮する黒の組み合わせ素材を用いて制作。光の反射や吸収によって異なる視覚的体験をもたらす空間で、キャストたちは物語を展開していきます。
トゥーランドット
ジャコモ・プッチーニ作曲オペラ
https://www.teamlab.art/jp/e/turandot/
2022年6月20日(月) - 7月3日(日)
ジュネーヴ大劇場 Grand Théâtre de Genève (Boulevard du Théâtre 11, CH-1204 Genève)
トゥーランドット動画集: https://youtube.com/playlist?list=PLUWwYK5rOr5QJa9vblRmVrUqfssdRl2Mx
ジュネーヴ大劇場: https://www.gtg.ch/en/
指揮:アントニーノ・フォリアーニ
演出:ダニエル・クレーマー
セノグラフィー、デジタル&ライトアート:チームラボ
ステージデザイン:チームラボアーキテクツ
衣裳:中野希美江
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