国民情報を登録・認証するシステム会社のRubiconを買収

生体情報を活用した政府向け認証・セキュリティ事業をグローバルで拡大

大日本印刷（DNP）

2025年6月18日 09時00分

大日本印刷株式会社（本社:東京都　代表取締役社長:北島義斉　以下:DNP）は、アフリカを中心に本人情報を登録・認証する政府向けID認証サービスを提供しLaxton（ラクストン）ブランドで事業展開しているRubicon SEZC（ルビコン、本社：ケイマン諸島　CEO：Lyle Charles Laxton）の株式譲渡契約を2025年6月17日に締結しました。DNPは、2025年7月にRubicon社の株式を75%取得し、グループ会社化の手続きを完了する計画です。

本買収によりDNPは、ID情報に関連するカードやカードプリンター等でRubicon社とのシナジーを最大化し、アフリカ・アジア・南米等の政府に展開することで、認証・セキュリティ事業のさらなる拡大を図り、安全・安心なスマート社会に貢献します。

締結式の様子：DNP 常務執行役員沼野芳樹（左）、Rubicon社 Lyle Laxton CEO（右)

Rubicon社買収の背景と狙い

各国・地域の住民の情報管理のデジタル化が、国連・世界銀行などの支援を受けて加速しています。一部の国・地域では、住民のID（identification：識別・認証・身分証明）情報や選挙時の有権者の確認などに生体（顔・指紋・光彩等）認証を採用しています。そのため、生体認証を含めた住民のID情報の登録・認証をより安全かつ効率的に行える製品・サービスへのニーズが高まっています。

DNPは、ICカード事業等で長年培った信頼性の高い認証・セキュリティ技術を有しており、Rubicon社との連携を強化することによって、政府向けID認証サービスの拡充と新サービスの開発を推進します。相乗効果を最大化し、さらなるサービスの向上を図ることで、グローバルに事業を拡大します。

Rubicon社について

Rubicon社は、主にアフリカなどの新興国・地域の政府向けに、生体情報を活用したID認証サービスを展開し、Laxtonブランドで世界50以上の国・地域で導入実績があります。ID情報の登録・認証機器やカードプリンターを持ち運べるケースに収め、機動性・堅牢性・セキュリティ性を合わせ持ったサービスを提供しています。政府等のニーズに合わせ、コンサルティングから開発・導入・トレーニング・保守までのサービスをワンストップで提供し、各国・地域で高い評価を得ています。

Rubicon社買収による主なシナジー

○サービス向上による事業拡大

各種ICカードの製造・発行やカードプリンター、偽造防止用のホログラム、生体認証用の機器やソフトウエアなど、DNPの強みである認証・セキュリティ技術と、多様な実績があるRubicon社のID認証サービスを掛け合わせ、より市場ニーズにマッチしたサービスの開発・拡充を推進して、新たな価値を創出します。

○市場成長が期待できる新興国・地域へ展開

Rubicon社は新興国・地域を中心に実績が豊富で、手厚いサポート体制を提供しています。今回の連携強化によって、これらの国・地域に、信頼性の高いDNPのカードプリンターやカード等を提供し、新たな市場を開拓・拡大していきます。

両社のコメント

○大日本印刷株式会社: 常務執行役員　沼野芳樹

Rubicon社が提供している個人を登録・認証するサービスは、新興国において、法的な身分証明書等を持たない人々が社会的なサービスを受けられないという大きな課題の解決につながる点で社会的にとても意義のある事業です。本買収は、DNPのグローバル戦略を推進するうえで極めて重要な位置づけにあり、Rubicon社はその中核を担う重要なパートナーです。両社の技術力、顧客対応力、販売力が融合することで、今後、大きなシナジーが創出できることを確信しております。

○Rubicon SEZC: CEO Lyle Charles Laxton

DNPファミリーの一員となることは、大変光栄です。DNPの150年近くにわたる伝統と理念に深い敬意を表します。このパートナーシップは、Rubiconの活力と起業家精神と、DNPの規模、技術的リーダーシップ、そして卓越した製造技術を融合させるものです。両社の深い連携で、国家インフラを強化し、数十億人の人々の生活を改善する信頼できるソリューションを推進していきます。我々は、世界をリードするID認証サービスを共に築ける明るい未来に期待を膨らませています。