全国の就業者10万人を対象とした「はたらく定点調査」に見る世代別の就労意識【ゆとり編】
~ゆとりがないミドル層 時間的なゆとりは30代、心と経済的なゆとりは40代が最下位~
【調査結果サマリー】
■時間的なゆとり:「暮らしにおける時間的なゆとり」について、「ある」と答えた割合が最も少なかった年代は30代で34.4%だった
・「ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがありますか?」という質問に「(時間的なゆとりが)ある」と答えた割合は60代が58.2%で最も高かった一方、30代が34.4%で最も低く、次いで40代が36.3%と2番目に低かった。
■仕事をする際の心のゆとり:「仕事をする際の心のゆとり」について、「ある」と答えた割合が最も少なかった年代は40台で31.0%だった。
・「ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがありますか?」という質問に「(仕事をする際に心のゆとりが)ある」と答えた割合は、60代が51.6%で最も高かった一方、40代が31.0%で最も低く、30代が31.6%と2番目に低かった。
■経済的なゆとり:「暮らしにおける経済的なゆとり」について、「ある」と答えた割合が最も少なかった年代は40代で23.6%だった。また、自由にできる金額についても20代~60代のなかで最低金額だった。
・「ふだんの暮らしには、どの程度ゆとりがありますか?」という質問に「(経済的なゆとりが)ある」と答えた割合は、10代が35.7%で最も高く、40代が23.6%で最も低かった。また、「1か月のおこづかい(自由に使えるお金)はどれくらいですか?」という質問に対して最も多い額を答えたのは20代であった。なお、40代は10代を除けば最も少ない金額だった。
本データは「はたらく定点調査」のなかから、世代間を比較したデータを抜き出したものの一部です。
「はたらく定点調査」は幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化しています。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能です。
昨今、「ワークライフバランス」「女性活躍」「柔軟なはたらき方」「ダイバーシティ」など、「はたらく」に関する価値観はかつてないほど多様化しています。本調査を通して「はたらく」に関するさまざまなデータをご紹介することで、自らのキャリア選択を考える一助としていただきたいと考えています。
「はたらく定点調査」データベース:https://data.persol-group.co.jp/
※ メディア向けにはデータベースに掲載している情報よりも、さらに詳細なデータを提供することも可能です
TOPICS
1. はたらく人の時間的なゆとり
「暮らしにおける時間的なゆとり」について、「ある」と答えた割合が最も少なかった年代は30代で34.4%、次に少なかったのは40代で36.3%という結果だった。
2.はたらく人の仕事をする際の心のゆとり
「仕事をする際に心のゆとり」について、「ある」と答えた割合は、60代が51.6%で最も高く、40代が31.0%で最も低かった。
3.はたらく人の経済的なゆとり
「経済的なゆとり」について、「ある」と答えた割合は、10代が35.7%で最も高く、40代が23.6%で最も低かった。また、「1か月のおこづかい(自由に使えるお金)はどれくらいですか?」という質問に対して最も多い額を答えたのは20代であった。なお、40代は10代を除けば最も少ない金額だった。
■結果考察 パーソル総合研究所 研究員 金本 麻里
世界の多くの国で、40代後半に人生の幸福度が最低水準となることが、米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授による132カ国への調査で判明している。この事実は、本調査データから見えてきているような、仕事をする際の時間的、精神的、経済的な“ゆとり”が、40代でいずれも低いことと無関係ではないだろう。
仕事においては、40代ははたらき盛りと言われるように、管理職など責任あるポジションにつくことが多い。ところが昨今、労働力不足や働き方改革によって、特に管理職の負担が増加している。また、40代ではプライベート面で親の介護、子育てをしている人であれば、自宅のローンや学費などの出費もかさみ経済的なゆとりも減少する。共働き・共育て世帯が増加していることで、以前よりも一人ひとりのゆとりが減少していると考えられる。
一定のゆとりや余裕は、人が健康で幸福な生活を送るために必要なだけでなく、仕事における能力発揮とも大きく関わる。さまざまな“ゆとり”が減少する40代をサポートする意味でも、管理職でも介護・育児と仕事の両立など、個別事情に配慮したはたらき方ができるよう、組織体制や業務設計を柔軟化していく必要があるだろう。そのような変革が、多くの人を惹き付ける組織作りにもつながっていくと考えられる。
■「はたらく定点調査」について
「はたらく定点調査」は個々人が「自分の“はたらく”を考える」きっかけをつくることを目的に実施しました。幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化しています。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能です。
「ワークライフバランス」「女性活躍」「柔軟なはたらき方」「ダイバーシティ」など、現在「はたらく」に関する価値観はかつてないほど多様化しています。さまざまな価値観があるなかで、本調査を通して「はたらく」に関するさまざまなデータをご紹介することで、キャリア選択について考える一助とし、自らの“はたらくWell-being”につなげていただきたいと考えています。
調査概要
調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数:100,000人
■パーソルホールディングス株式会社について
1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名を変更。
東京証券取引所プライム市場上場(証券コード:2181)。2023年3月期売上高1兆2,239億円。
■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。
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